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【伝説の自然農法家】

福岡 正信(ふくおか まさのぶ、1913年2月2日 - 2008年8月16日)は自然農法の提唱者。アジアやアフリカなど国家予算をつけて農法を学ぶ国もあるが日本ではマイナーとされる。

愛媛県伊予郡南山崎村(現伊予市)に生まれる。
旧制松山中学校、岐阜高等農林学校
(現岐阜大学応用生物科学部)卒。

若い頃は横浜税関の植物検査科に所属し
研究に没頭していたが、
急性肺炎にかかり死に直面すると、
「この世には何もない」と悟り、
仕事をやめ地元に戻り農業を始めた。

「やらなくてもいい」ことを探しながら、
つまり科学農法を否定するために
多くの失敗を重ね、自然農法を確立していった。

著作の序文では、

不耕起(耕さない)、無肥料、無農薬、無除草

を特徴とする自然農法を行うとしているが、
著作中には肥料と農薬(除草剤、除虫剤)の
使用について記述がある。

米麦連続不耕起直播は、
稲を刈る前にクローバーの種を蒔き、
裸麦の種の粘土団子を蒔き、
稲を刈ったら稲わらを振りまく。

麦を刈る前に稲籾の粘土団子を蒔き、
麦を刈ったら麦わらを
振りまくという栽培技術である。

自然農法は海外でも実践されている例があり、
イタリアのトスカーナ地方で育てられる
幻の豚・チンタセネーゼ育成者にも
引き継がれている。

「粘土団子」と呼ばれる、
様々な種を100種類以上混ぜた団子に
よって砂漠緑化を行おうとした。

行われた場所は、
ギリシャ・スペイン・タイ。ケニア・インド、
ソマリア、中国・アフリカなどの十数カ国とされる。
東南アジア諸国では、
粘土団子方式で荒野がバナナ畑や森として甦った。

1988年、
ロックフェラー兄弟財団の出資で発足した
フィリピンのマグサイサイ賞を受賞。
90歳を過ぎ歩行が困難になっても、
中国の要請に応え、
粘土団子の技術指導に現地へ飛ぶなど、
最晩年も達者な活動ぶりを見せていた。

思想と哲学に基づく自然農法

福岡氏の自然農法は、
人間の科学の完全否定から始まります。

福岡氏はその著書で
「とにかく私は、従来の農業技術を
根本的に否定するところから出発しております。
これは、私が、科学技術というものを、
完全に否定しているということです。

今日の科学を支える
西洋の哲学の否定にもとづいているわけです」
と述べています。

また、
「私が考えている自然農法というのは、
実をいうと、
いわゆる科学農法の一部ではないんだ、と。
科学農法の次元からはなれた東洋哲学の立場、
あるいは東洋の思想、宗教というものの
立場からみた農法を確立しようとしている」
とも述べています。

自然を利用しようという西洋的な思想ではなく、
人間は自然の一部であるという
東洋的な思想を重んじ、
人間の科学が不完全で不要なものであることを、
"何もしない"自然農法で証明しようとしたのです。

著書『自然に還る』では、
「食の狂いが体を狂わす。考え方を狂わす
。あらゆることに影響する。
体の健康も食から来る。
そして、体から思想も生まれる」と、
人間が生きていくうえで、
食を非常に重要なものと位置づけ、
食の取り方として

「身土不二」

という言葉を何度も使っています。
身土不二とは、

「身体(身)と環境(土)とは不可分(不二)である」

という意味で、

「人と土は一体であり、
暮らす土地でその季節に取れる物を食する事で、
体は環境に調和し健康でいられる」

というメッセージです。

福岡式自然農法

現在、日本のほとんどの農家は、
化学肥料と農薬を用いる
化学農法を行っています。

しかし近年、
食の安全に注目が集まるにつれ、
減農薬や有機農業など、
環境に配慮した農業に取り組む農家も
徐々に増えてきました。

最近、有機JASマークをスーパーなどで
目にすることが多くなりましたが、
これは登録認証機関から
有機JAS規格に基づいて生産されたと
認定をうけた農作物につけられるものです。
ここでの有機農法 とは、
原則3年以上無農薬無化学肥料で、
かつ堆肥などの有機物による栽培方法です。

それでは、
化学肥料や農薬を使用しない自然農法は、
有機農法なのでしょうか?
福岡氏は、人智による科学的農法を否定し、
「人為は無用」となるべく
人の手をかけない農法を作り上げてきました。

有機肥料を施す有機農業は、
人間による施肥という行為がなされるので、
福岡氏の目指した自然農法の理想とは
異なるものと考えられます

自然農法について、福岡氏は著書の中で、
次のように語っています。

「健全な稲を作る、肥料がいらないような健全な、
しかも肥沃な土を作る、田を鋤かなくても
、自然に土が肥えるような方法さえとっておけば、
そういうもの
(田を鋤く、堆肥や化学肥料をやる、農薬をやること)
は必要でなかったんです。
あらゆる、一切のことが必要でない
というような条件を作る農法。

こういう農法を
私はずっと追求しつづけてきたわけです。
そして、この三十年かかって、
やっと、何もしないで作る米作り、
麦作りができて、しかも、収量が、
一般の科学農法に比べて、少しも遜色がない、
ということころまで来た」。

自然農法について、
埼玉県で福岡式自然農法を試みている
松本宗雄氏に話をうかがいました。

現在、少数ですが、
日本各地で「自然農法」と称する農法に
取り組んでいる人々がいます。

しかし、それぞれ似て非なるもののようです。
なぜなら自然農法といっても、
確立された定義があるわけではなく、
取り組んでいる人が
各々独自のやり方でやっているからです。

とはいっても、
福岡氏のもとで自然農法を学び、
独自にやり方を作り上げていった人が多く、
福岡式自然農法が自然農法の元祖
ないしは源流の一つといえそうです。

福岡式自然農法には、不耕起、無肥料、無農薬、無除草という四大原則があります。不耕起とは耕さないことで、農家の常識では理解しがたい事のようですが、松本氏は「耕した土は乾燥しやすい」と言います。また、有機肥料を含め堆肥をやると、作物を過保護にしてしまいます。無肥料にすることで、強靭な作物ができ、味も濃くなることを実感しているそうです。無除草に関しては、雑草を根から抜くのではなく花の咲く頃を見計らって刈るそうです。そして刈った雑草はそのままその場所に倒しておくと、夏は保湿、冬は保温の役割をしてくれ、腐って肥料にもなります。

また、水も極力やりません。
水をやらないと、根が水をもとめ、
地中深く根を張っていきます。
ところが水をやると植物は
簡単に水を手に入れることができ、
根は浅くしか張らない、
弱い作物になってしまうそうです。

種まきの際には、さまざまな種をまぜて、
バラバラに蒔きます。
そうすると、
その場所と相性のよい作物が出芽します。
そのため、どこに何が生えてくるか、
まったくわかりません。
福岡式自然農法は、傍から見れば、
植物が乱雑に植わって、
ほったらかしの状態に見えます。

見方によっては荒れ放題の畑のように見えるので、
隣接する農家や近所の人は嫌がるそうです。
野菜が整然と並んだ畑が常識の日本では、
なかなか周囲に
理解されにくい農法なのかもしれません。

不耕起、無肥料、無農薬、無除草で
水もやらない農法と聞くと、
非常に楽で簡単な農法と思われがちですが、
決して簡単なものではありません。

福岡氏はその著書で、
「自然と放任は違う」と何度も書き記しています。
松本氏によると、
「人間の手が入らない自然は、
そのままにしておいて、
自然のサイクルにまかせておけばよいのだが、
一度人間の手の入ってしまったものは、
放っておいても自然の形には戻らないので、
自然の形に戻るよう手を貸さなければならない」
そうです。
この自然の形に戻るよう手を加える方法が難しく、
経験を要します。
福岡氏自身も試行錯誤と失敗を繰り返しながら、
自然農法を作り上げていったようです。

近年、石油の需要が大きく伸び、
その利権をめぐって世界中で紛争が絶えません。
化学農法で使用する肥料や農薬は石油が原料ですし、
耕耘機を動かす燃料も石油です。

石油問題はエネルギーだけでなく、
肥料や農薬に頼っている
化学農法にとっても危機となります。
しかし、自然農法は、耕耘機などの機械も、
肥料や農薬も使用しません。
石油を必要としない農法なのです。
まさに持続可能な農法と
いえるのではないでしょうか。

粘土団子と砂漠の緑化運動

福岡式自然農法の米作りは、
米麦連続不耕起直播という方法で、
その名の通り米と麦を連続で作り、
耕さず、苗を作らず直に田圃に籾を蒔く農法です。

しかし、直接籾をまくと、
すぐに鳥に食べられてしまいます。
そこで福岡氏は、粘土に種子を入れて団子を作り、
それを田圃に蒔くという方法を考案しました。
粘土団子は、
粘土と水になるべく多くの種類の種を混ぜて練り、
空気を抜いて、小さくまるめて
3-4日乾燥させると出来上がりです。

種子を粘土で覆うことにより
鳥や虫のえさになることを防ぎ、
種子自身を乾燥から守ります。
また、球形にすることで割れにくく、
地面と接した一点に
日中と夜との気温差で生じた
結露による水分が集まり、
発根させるという仕組みです。

低コストで水遣りや肥料のいらない粘土団子は、
砂漠に種を蒔くのに最適です。
そして、
この粘土団子を使った緑化運動が始まりました。

福岡氏は、種集めを呼びかけ、
ギリシャ、インド、タンザニア、フィリピンなど
世界各地で粘土団子を蒔き、
成果をあげてきました。
現在、
福岡氏自身は砂漠の緑化運動から退いていますが、
今でも、ギリシャやスペイン、アメリカ、
イタリア、インドなどで、
粘土団子を使った緑化への
取り組みが続けられているようです。

しかし、種が芽吹き、下草、野菜、樹木などの
豊かな緑を砂漠が取り戻し、
緑化の真の成果が確認できるのは、
あと5年、10年、
あるいは何十年とかかるかもしれません。

自然を破壊することは簡単ですが、
一度失われた自然を取り戻すことは、
大変時間がかかり難しいものなのです。

田を耕さず、肥料をやらず、農薬などまったく使わず、草もとらず……それでいて豊かな収穫をもたらす、驚異の〈自然農法〉――その思想と実践を易しく説いたロングセラー。

1975年に出版された著書『わら一本の革命』は、英語、フランス語、スペイン語、中国語、ロシア語などに翻訳され、20-30カ国もの国で読まれており、自然農法の実践だけでなく、環境悪化の根本原因を指摘し、人間の生き方までを示すその思想・哲学は世界中の多くの人々に影響を与えてきました

健全な作物を作れば、
人間が農薬を使わねばならないほどの
病気や害虫は発生しない。

耕作法や施肥の不自然から病体作物ができ、
自然がバランスを取り戻すための病害虫が発生し、
消毒剤が必要になる。

肥料も農薬も機械も、
わざわざ人間がそれらを必要とする条件を作ってきた。
余計なことをするから、
さらにしなければならないことが増えて、
雪だるま式に膨れ上がったのが近代農業であり、
近代化の全てである
。何もせんのが一番いい。
「自然」というのは、
余計なことをしないこと。
だから、自然農業や自然食というのは、
最低の労力と費用でできるはずだ。

耕さず、草もとらず、肥料もやらず、しかも多収穫。自然農法を創始した著者の思想と実践の方法を簡潔に著した待望久しい幻の名著

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