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この記事は私がまとめました

■「奇子」とは?

『奇子』(あやこ)は、手塚治虫の漫画作品。小学館『ビッグコミック』に1972年1月25日号から1973年6月25日号まで連載された。

手塚治虫の作品の中では、いわゆる”問題作”として分類されるみたいですね。
かなり衝撃的内容の作品。
映画なら「R-15」指定とかにされそう(笑)

■あらすじ

昭和24年、戦争から復員した天外仁朗はGHQのスパイになっていた。ある時、命令で共産主義者の男の殺人(通称 淀山事件)に関与するが、その男は仁朗の妹・天外志子の恋人であった。

さらに事件関与後、血のついたシャツを仁朗が洗っている時、近所に住む知的障害者の少女・お涼と、自分の父親と兄嫁との間にできた少女奇子がそれを見てしまう。仁朗はお涼を口封じのため殺し逃亡する。奇子は一族の体面のために肺炎で死亡したことにされ、天外家の土蔵の地下室に幽閉されたまま育てられるが…。

手塚治虫が、人気が下降している時期の作品らしい?
児童漫画家として壁にぶち当たっていた時代があったようで、こういった劇画的な作品に作風を変えていったようです。

昔は、こういう蔵に閉じ込められて「いなかった存在」として幽閉されたなんていう話はよくあったそうですね。
今なら考えられないような、人権無視の行為ですが、、、

■主な登場人物

東北地方の大地主・天外家の次男。復員後はGHQの工作員となり、江野正殺害に関与する。事件後は逃亡し、“祐天寺富夫(ゆうてんじとみお)”として朝鮮戦争の特需をきっかけに裏社会で名を上げ、やがて暴力団「桜辰会」を設立、それを政界に影響力を及ぼすまでに成長させる。自分が原因で奇子が土蔵に閉じ込められてしまったことを悔やみ、その償いとして、正体を隠したまま奇子あてに送金を続けていた。天外家から逃げてきた奇子の身を引き受け、彼女を社会復帰させる為に尽力する。

表向きは天外ゐばが47歳で産んだ末娘とされているが、実際は作右衛門が長男の嫁であるすえに産ませた私生児(仁朗の異母妹)。4歳の時、仁朗の証拠隠滅工作を目撃してしまい、一族から犯罪者を出す事を恐れた市郎から、警察による聞き取りを防ぐ為に病死した事にされて、以後戸籍を失ったまま20年以上土蔵の地下室に幽閉される。長年の幽閉生活の内にやがて土蔵から出る事を怖がるようになるが、土蔵が取り壊されることになり、家の中に移された後、土蔵へ戻ろうとして天外家から抜け出す。隔絶された環境で成長したために禁忌に疎く、唯一接する事のできる男性である伺朗を異性として求め、肉体関係を結んでいた。

天外家の当主。傲慢、不遜、放蕩、淫乱、冷酷非情。すえとの間に生まれた奇子を溺愛している。幽閉された奇子を蔵の外へ出してやろうとしていたが、後に脳卒中を起こし、数年間植物状態となった末に死亡。

作右衛門の妻。滅私奉公型貞女的な性格で、夫や長男に従順。天外家に逆らう事はなかったが、密かに奇子の身を案じていた。

日和見主義な天外家の長男で、父の衰えに乗じて天外家の実権を掌握する。仁朗の兄。奇子を土蔵へ幽閉することを提案した張本人。天外家の遺産を相続する事と引き換えに作右衛門に妻のすえを渡したが、その約束を破られ、遺産はすえが相続する事になった際、すえを殺害する。しかし遺産を手にしたものの悪夢に悩まされるようになり、やがて伺朗やゐばにすえを殺した事を勘づかれてしまう。

作右衛門によって選ばれた市郎の嫁。市郎との子供はいないが、関係を強いられた作右衛門との間に奇子を生む。戸籍上は奇子の義姉となっており、奇子に対して母と名乗れない事を思い悩んでいる。後に作右衛門が亡くなった際、彼の遺産を奇子の母として受け継ぎ、奇子を連れて天外家を出ようとするが、市郎によって殺害される。

天外家の長女。仁朗の妹で伺朗の姉。GHQに殺害された江野の恋人だが、この事件に兄が関わっていることを知らない。天外家では最も常識人であるが共産主義と関わった事で作右衛門から勘当されたために、一族から離れて暮らしている。

天外家の三男。仁朗の犯罪を告発しようとするなど、天外家では強い正義感の持ち主。奇子の幽閉に憤り、彼女のために尽力していたが、後に成長した奇子に求められて近親相姦を交わしてしまい、以後自らも奇子を求めるようになる。

1945年、太平洋戦争敗戦後の日本は、それまでの価値観が崩れ、新たな時代への転換を迫られていました。
連合軍による民主化政策の一環として、農村では農地改革が断行されました。一定限度以上の土地を持った大地主から、国が土地を強制買収し、小作農に売り渡すことになったのです。
この政策によって、地方の豪族はその権勢を急速に弱めました。
この作品は、そんな激動の時代を、土蔵に幽閉された少女という奇想天外な視点から、鋭く浮き彫りにしています。

実際の事件や時代背景をモチーフにしているため、妙なリアリティを伴ってどんどん物語に引きずり込まれていきますね。

物語の中には、戦後の混乱期に起こった実際の下山事件を思わせる国鉄総裁謀殺事件なども登場し、日本が初めて体験した敗戦と復興の狭間で起こったさまざまなひずみがリアルに描かれています。
下山事件というのは、1949年7月、初代国鉄総裁・下山定則が謎の鉄道事故死を遂げた事件で、当時、自殺説、他殺説が入り乱れ、GHQによる謀殺説もささやかれましたが、真相は今も明らかになっていません。

出典gaagle.jp

共産主義のことや、GHQの裏側など陰鬱で複雑なドラマでもあります。

1945年、日本の敗戦とともに大きく移り変わっていく時代の中で、崩壊していく旧家の一族の姿を描いた社会派ドラマです。

複雑に絡み合う人間模様、、、
ドラマチックなストーリー展開、、、
それまでの手塚治虫からは考えられない程、重厚な物語だと思います。

土蔵に閉じ込められて育った少女は
外での変化にも触れず、常識も知らず、
無垢で純粋なまま成長します。
そんな少女には世の中の変化も関係なく、
何色に染まることもなかったのです。

暗闇の中で育った奇子の数奇な運命とは、、、!?

土蔵が壊されることになり、20年ぶりに外の世界に触れた彼女には
一体どのように世界が映るのでしょうか???

私たちが普通に感じることや痛みとして感じることは
色々なものを見過ぎて洗脳されている感情なのかもしれません。

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