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開成高校、高校入試で辞退者急増の理由

高校入試の最難関である開成高校の辞退者が過去最多を更新するほど増えているらしい。開成高校の合格を辞退して進学する高校とは?今の高校受験生の学校選択のトレンドは?

更新日: 2019年02月18日

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kurumisawaさん

【超速報】2019年度の開成高校は近年最低倍率の衝撃に

(2019年2月13日速報)
開成高校の2019年度入試の合格発表がありました。実質倍率は衝撃の2.8倍で、近年の最低値を更新。あまりの低さに受験界では動揺が広まっています。過去15年を遡っても、これより低い年はありません。開成高校の高校入試離れが浮き彫りになってしまったといえます。

ここからさらに、日比谷・西・湘南・翠嵐といった学校や、早慶附属への進学者の大量辞退が恒例となってしまっていますから、今年も辞退込みの実質倍率は相当低くなるでしょう。そうすると、いよいよ、開成の高校入試枠削減も現実的です。あまりにも中学入試との倍率差が開きすぎていますから……。

◆[速報] 2019年入試 開成の高入敬遠は加速 日比谷・翠嵐人気

2019年3月時点での入試状況によると、私立高校は早稲田や慶應といった附属高校への人気集中となり、開成高校のような進学校系は人気が下がっています。開成高校の応募者数は537人(2019年2月5日)で、数年前より100名以上減っています。今年も、巣鴨高校、豊島岡女子高校といった、中高一貫校の高校入学の進学実績が極端に悪く、それが掲示版などでも広まり、敬遠に拍車をかけています。

また、神奈川の横浜翠嵐高校が、一昨年より猛烈な勢いで最難関層が集まるトップ進学校化。今年も、神奈川の最優秀層の多くは、開成に受かっても翠嵐へ進学すると予想されます。

日比谷ばかりが注目されがちですが、2019年2月現在の情報によると、神奈川県の男子最上位層が翠嵐・湘南を第一志望にすることも、開成の高校入試低迷の一因です。

特に横浜翠嵐は、現高2の代から、学芸大附属高校と完全に逆転していて、東大合格者数もあと2年以内に逆転することが確実です。現高1に至っては、学芸大附属や開成に進学していた最上位層のほとんどが翠嵐に進学し、高校入学者の東大合格数日本一を日比谷と争うことが確実です。選択肢が増えたことは、歓迎したいですね。

■開成高校の高校入試が大ピンチ!?

中学入試では“絶対王者”であるはずの開成高校が、高校入試では大苦戦しているらしい。

大量の合格辞退者があふれて、繰り上げ合格も含めた合格者総数は過去最多に。なぜ、開成高校は高校受験生に進学先として選ばれなくなった?

■【衝撃】2018年度も開成高校合格者が大量辞退!

2018年度も大量の辞退があった開成高校。2017年度は前年より応募者が100名以上減って過去最少に。繰り上げ合格者も多数出しましたが定員は埋まらず、結局定員100名を切る入学者数となりました。

高校入試における開成高校の地位が、完全に併願校化しています。

■筑駒を超えて進学先のNo.1になったのはあの学校・・・

「開成高校の合格辞退者の進学先は筑駒」というのは、高校入試では昔の話。

2017年現在、開成高校合格辞退者の圧倒的最多進学先となっているのが、言わずと知れた名門、日比谷高校。

開成高校の100名の高校募集枠のうち、約40名もの人数が都立トップ校を選択しました。本来開成高校に入学するはずだった4割が共学の最高峰を選択しています。

■苦境の開成高校…100人募集で250人合格でも枠が埋まらぬ屈辱

H26年度入試では、募集枠100名で正規合格者185名を出しても、半数以上が辞退してしまうので、繰り上げ合格をどんどん出して、最終的に250名以上の合格を出さないと入学者が埋まりませんでした。


開成高校の合格辞退率は約6割。合格しても進学する生徒の方が少数派なのです。

開成高校に10人が合格したら、実際に進学するのは4人だけ。6人は開成高校に合格しても、第二志望以下の併願校なので、日比谷や西を中心とする共学の高校単独校に逃げられてしまいます。

入学試験のトップ合格者が務める東大入学式の新入生総代は、日比谷高校出身者でしたが、高校入試時に「開成高校、筑波大附属駒場高校、日比谷高校に合格」の上で日比谷高校に進学していたことが明らかになりました。

ネット上では「今の高校入試を象徴するような進学選択」「賢い高校受験生は、中高一貫校の途中入学のデメリットを熟知しているから、中高一貫校でない超進学校を選ぶ」などと話題になりました。

■10年間で流れ変わる…開成高校の合格辞退者が70人→150人に激増

開成高校の極端な高校入試での不人気は、ここ10年間で起こっている出来事です。

例えば、2004年度の開成高校入試では、100人の募集枠に、正規合格者162人、繰り上げ合格者数名で合格者総数は約170人。合格辞退者は70人しかいません。かつては「中高一貫の途中入学になっても開成高校に入るべきだ」という開成信仰が高校入試にもありました。

それが10年間で、正規合格者も繰り上げ合格者も増えに増え続け、今や辞退者は150人規模に。10年前の2倍の辞退者が出る事態になってしまいました。

■高校入試組が求める「自分たちが主役の高校」

「6年間同じグループで団結の強い生徒達」「中高一貫教育のメリット」そうした言葉ばかりを国私立高校が強調して、マスメディアが宣伝した結果起きたことは、中高一貫生の学校内部での主流化と、途中入学者の傍流化でした。

カリキュラムを本流の中高一貫生に合わせなければいけない不満、文化祭が中学受験を目指す小学生と保護者が中心であることの違和感、内進生が中心となる学校行事運営、中学生の先輩がいる不思議。

「高校受験生を入れるとカリキュラムの効率が悪い」との理由で、東大に多数の合格を出す某男子進学校が、突然に高校募集停止を通達し、教育関係者から、高校受験生の軽視だと非難を浴びた事件も記憶に新しいところ。

こうした国私立高校の中高一貫生優遇が広まるにつれ、高校受験生が次第に離れていきました。

「人生でたった1度しかない高校生活。みんなで一斉に入学して、同じ授業を受けて、同じ学校行事を味わって…、傍流や編入なんて言葉は嫌だ、自分達が主役になれる学校へ行きたい。」高校受験生がそう思うのも当然でしょう。(写真は都立西高校の様子)

■開成高校と日比谷高校の意外な共通点

開成高校のOBが集まると必ず話題に挙がるといわれる開成象徴の伝統行事が、千葉県館山市那古にある開成学園那古宿舎で行われる水泳学校です。

なんといっても特徴的なのは、男子全員が白いふんどしを締めて、秘伝の日本泳法を伝授してくれるということ。伝統の日本泳法が伝授される学校は国内でも希少で、東京ではほかに日比谷高や学習院高しかありません。「東京のエリート高校出身者の男子はふんどしを締めた経験が1度はある」という有名な話は、あながちうそではないことが分かります。

「開成と白ふんどし」は切っても切り離せない学校文化。開成学園那古宿舎は、この水泳学校のためだけに造られた施設で、開成出身者の思い出が詰まった場所。水泳教室にはOBも多数が参加していて、水泳部OB会(油屋会)の活躍も見逃せません。(写真は、懐かしの那古宿舎での同窓会の様子)

ただし、これほどの開成のアイデンティティの詰まった行事にもかかわらず、高校途中入学の編入組は、参加することができません。やはり開成は、あくまでも中高一貫生が教育の本流です。

なんと明治時代から続く学校行事であり、国内最古の遠泳行事である勝山臨海合宿は、日比谷高校で連綿と続く伝統行事です。

日比谷高校の所有する勝山寮で行われる合宿は、希望者のみ参加にもかかわらず、ここ数年は参加者が殺到している超人気行事。何といっても特徴は、国内ではほとんど絶滅してしまった古式泳法が伝授されること。そして、男子は白ふんどしを体験できます。開成高校と学習院が中高一貫生限定で伝授しているため、高校受験生で経験できるのは国内で日比谷だけです。

NHKスペシャルや、テレビ朝日の「スゴ~イデスネ!!視察団」など、数多くのマスメディアで取り上げられてきた日比谷高校の勝山臨海合宿の象徴的なシーンが、和船に乗って、太鼓を叩きながら沖に向かう絵。

師範役は、20代から60代までの一水会と呼ばれるOB組織。数メートルしか泳げなかった生徒達が、最終日に遠泳を成し遂げるあの達成感は、味わったものにしか分からないとか。

実は最近「テレビで見たあの勝山臨海合宿に実際に憧れて」という理由で、日比谷高校を選択する生徒が増えているといいます。高校受験生にとって、中高一貫生に限定されずに、あの奇祭ともいえる行事に参加できることは、魅力に映るようです。

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