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併願優遇の実態と東京都内私立高校の内申基準

東京都内の高校受験生の多くが利用する併願優遇の仕組みは、内申基準を満たせば合格の確約が認められる便利な制度の反面、様々なデメリットもあると言われています。最新の私立高校基準も含めてまとめました。

更新日: 2019年06月17日

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kurumisawaさん

【2019年度高校入試】偏差値60以上は都立、偏差値40未満は私立へ

2019年度の高校入試は、上位層と下位層でまったく異なる状況に。上位層は、都立主要高の倍率が上がり、都立人気がまた更に上昇しました。理由は、新大学入試制度で都立校がかなり大学入試結果で躍進しており、また国立大が狙い目になってきていること。さらに、定員厳格化にもかかわらず、都立2番手校と都立3番手校の早慶上智、マーチの合格実績が総数で微増し、実績向上が続いていることもあるでしょう。「国公立大を目指すなら都立進学校」という志向がますます定着しています。(写真は東大+京大+医学部に過去最多の61名合格の快挙を達成した都立戸山高校)

学力上位層ほど都立進学校の志望率が高まり、私立高は10年前と比べて信じられないほどの低倍率となっています。大学附属でない開成高、桐朋高、豊島岡女子高、城北高、巣鴨高などは、あまりの低水準に、高校募集停止の可能性も否定できないでしょう。開成高校に至っては、日比谷高校の併願校化がこの数年で進み、2019年度は過去最低倍率となってしまいました。原因は「私立中高一貫校に高校から入学した生徒」の不満の高さです。進学実績の極端な不振が外部に漏れてしまい、敬遠が2015年ごろより加速しています。

都立高校受験者の併願として受験者のいる男子校の本郷高校(豊島区)、さらに、女子校の豊島岡女子高校(豊島区)が高校募集の打ち切りを通告しました。今後は、中高一貫生の教育に専念する意向です。2校とも、高校受験生が中高一貫校を敬遠し、都立高校との競争で勝てなくなったことが要因でした。詳細は以下の記事をご覧ください。

ニュースでご存知の通り、2019年度は、私立高の進学希望者が増えましたが、その大部分が偏差値40以下の成績下位層です。かつては都立総合学科や工業科・商業科を選択していた受験生が、新設の通信制高校や、学力サポートのある私立高校を選択することが増えました。私立高の授業料補助により、年間60万円程度にまで負担が下がり、それでも高額ですが、以前よりも進学しやすくなったことが一因です。また、学力下位層は11月時点で勉強を終えたがる傾向があり、早期に私立推薦で決める傾向もあります。この傾向は、来年度以降も継続すると考えられます。

【2019年度高校入試】週刊誌「難関大合格者数が伸びた高校」

サンデー毎日「難関大合格者数が10年で伸びた高校」では、東大+京大で日比谷が都内トップに。さらに青山高校、小松川高校、駒場高校、国立高校、日野台高校、見た高校、小平高校、文京高校、小金井北高校、昭和高校、調布北高校、上野高校、城北高校、井草高校、狛江高校、小山台高校、南平高校がランクイン。ランキングを都立高が大量に占める異様なランキングとなりました。「中高一貫校に頼らず、高校入学者を3年間で鍛えるノウハウを全都立高校で共有する」という成果が出ていることが分かります。ランクインの都立ほぼ全校が、高校入学者だけの実績だからです。

一方で、私立高校は5年間で早慶上智の合格数が2987名の減少。都立校が全体で増加しているのとは対照的です。これは、私立高が中高一貫教育を強化しすぎてしまい、その弊害として、高校入学者を3年間で伸ばすノウハウが消えてしまい、高校入学者を伸ばせなかったことが原因といわれています。減少校ランキングでは、本郷高校、桐光学園高校、豊島岡女子高校、巣鴨高校、桐蔭学園高校、西武学園文理高校など、高校募集のある中高一貫校ばかりです。そして、伸びている私立高校は高校募集のない中高一貫校ばかりです。

■併願優遇は事実上の合格「確約」であるワケ!

私立高校は、都立高校が第一志望の残念組の学力優秀な生徒に入学してもらうために、「併願優遇」の制度を設けている学校が多くある。

併願優遇は私立の人気校は決して設けない制度。例えば、早稲田大や慶應大の附属高や、都立トップ校の併願校である開成高、渋谷幕張高、豊島岡女子学園高は併願優遇がありません。併願優遇を実施している私立高校は、中堅校~下位校です。

私立高校の併願優遇は、「優遇」と言いながら、その実態は「確約」で、基準を満たしていればまず落ちることはない。

滑り止めとして利用されるのが私立高校の併願優遇制度です。したがって確実に合格を確約してもらわないと困るので、実態としては「確約」で、よほどのことがない限り不合格にはなりません。

中学校から発表される11月の仮内申で基準を満たしていれば、12月には併願優遇によって私立高校の「合格確約」が事実上出る。

一応、2月10日以降にテストは受けますが、このテストはあまり意味のない形式的なもの。実際には12月段階で合格が確約されているので、安心して都立高校入試に向けて勉強をすることができます。

併願優遇を実施する学校にはできれば入学したくない理由

併願優遇を実施している私立高校は、中堅校~下位校の証拠。併願優遇というシステムを実施しなければ生徒数を集めることができない学校です。あくまでも滑り止めの滑り止め的存在。

最悪のリスクを想定するために利用するのが併願優遇。できれば、実際に入学するのは避けたいものです。したがって、併願優遇の学校に入学することにならないように、最善の入試作戦をとりたいところです。

併願優遇の実施校は、入学者の数が年度によってバラバラで、学年によってクラス数に大きな差が出ます。こういう学校は非正規教員、アルバイト先生に頼らざるを得ない。

併願優遇を実施する私立高校は、その年の都立高校の不合格者の多さに入学者の数が左右されるので、アルバイトの先生や、非正規の非常勤講師が多くなります。

NHKが都内の私立高校のアルバイト先生の実態を大々的に特集。都立高校と比べて、異常なほど非正規の先生の比率が高い私立高校が多いことが明るみに。

年間100万円もの学費や諸費用を払いながら、アルバイトの先生や非常勤講師だらけの先生から教わるのは、お金の無駄。ごく一部の名門私立高校を除けば、非常勤教師によって私立高校が成り立っているのです。

中高一貫教育を行っている併願優遇の高校は、専任教師を中高一貫の生徒に配属する傾向にあり、中高一貫生と高入生で格差がある学校が多い。

「中高一貫生だけ特別視されてズルい」といった不満の声も。高校受験生は、年間100万円の高い学費を払い続け、そのお金によって中高一貫生が優遇されるという実態がある学校も。

「特進クラスは部活動禁止」の学校が多く、クラス替えもなくてメンバーが固定。卒業生が「灰色の学校生活。一生に一度の高校生活を返してほしい」との声も。

特進クラスには注意が必要。部活動を禁止して、行事もなるべく削り、生徒たちを大学合格実績を稼ぐ具材としか思っていない私立高校が少なくない。

大学進学はもちろん大切。でも、高校は予備校ではない。部活動を禁止してまで大学進学実績を稼ごうとする私立高校は、もはや教育機関にあらず。(写真は文武両道で有名な都立駒場高校)

併願優遇を実施する私立高校があなたに仕掛ける「誘惑」

「都立高校に行くよりも、大学進学対策も充実していて良いですよ」こんな誘惑で学校の先生が推薦入学を勧めたら、断るべきトラップです。

推薦を薦める私立高校は生徒集めに苦労しているので、とにかく1人でも多くの中学生を推薦で入学させたい。

自分の学校の良いことしか言わずに、中学生や保護者を巧みな言葉で誘導して、推薦を薦めてきます。これは、決して中学生の将来を思って薦めているわけではなく、不安定な経営状況を安定化させるために、年間100万円の学費を3年間確実に払ってくれる生徒を1人でも多く確保したいという学校側の都合によるもの。決して軽く乗ってはいけません。

単願や推薦で滑り止め私立高校に入学した生徒の多くは、下位層に沈んで希望進路が叶わないという現実。

滑り止め私立高校で大学進学実績を稼いでいるのは、ごく一部の、有名都立高校が不合格になって、仕方がなく私立に入学した生徒が頑張った実績です。楽をして単願や推薦で入学した生徒は、都立受験組と比べて学力がかなり劣っていて、大学進学はかえって厳しい結果になりがちです。

併願優遇の滑り止め私立入学を避けるため、万全の都立選択を!

一生に一度の学校生活。都立高校に進学して、大学受験勉強に部活動に行事に、充実した学校生活を送りたいものです。そのためには、合格確実な都立高校を受験することが大切です。(写真は都立日野高校)

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