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<表現力の最高峰> JG(女子学院)の魅力と所感

表現力と対話能力には昔から定評のあるJG.進学実績にも変にこだわらない懐の深さが変わらぬ魅力の学校です。OGにその要因と所感について語っていただきました。

更新日: 2016年10月20日

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ClassOnCloudさん

表現力と対話能力には昔から定評のあるJG.進学実績にも変にこだわらない懐の深さが変わらぬ魅力の学校です。OGにその要因と課題について語っていただきました。

1.沿革

女子学院は、1870年に設立されたA六番女学校に始まり、1890年に校名を「女子学院」と改めた、日本で最も長い歴史を持つ女子校の一つです。
1949年の校舎焼失・再建、1992年の建て替えを経て、現在は麹町に校舎を構えています。

2.入試

女子学院は中学受験における女子御三家(桜蔭、雙葉)の一員であり、トップレベルの難関校といえます。その入試の特徴としては、
・試験時間と配点が、国算社理全て同じであること(各40分、各100点)
・問題の難易度はそれほど高くないが、問題数が多いこと
などがあげられるでしょう。
つまり、女子学院は「万遍ない分野において、情報を早く正確に処理すること」を受験生に求めている、と言えます。実際の女子学院生を見ていても、天才型があまり多くない一方で、要領の良い秀才タイプは非常に多いです。

3.校風

3-1. 宗教

女子学院はプロテスタントの学校であり、毎朝礼拝があります。礼拝では教員や外部の講師が話をするほか、教室での礼拝では当番制で生徒がクラスメイトの前で話をします。
礼拝に加え、式典では讃美歌やハレルヤなどの宗教曲が歌われるため、聖書の文言を引用したギャグが流行ったり、廊下で生徒が突然讃美歌を合唱し始めたりするなど、キリスト教は生徒たちの生活に深く浸み込んでいると言えます。
また、6年間を通じて行う聖書の授業では、キリスト教だけでなくイスラームや仏教、さらには新興宗教まで学ぶため、キリスト教に偏らない、宗教に対する多様な視点が養われます。
実際、教会に毎週通ったり、洗礼を受けたりする生徒は多数派ではありません(むしろ自分が話をする礼拝で笑いを取りに来る生徒がたくさんいる)が、キリスト教の思想や、宗教そのものに対する理解は、卒業後も多くの生徒の支柱となっています。

思想や宗教というと、尻込みしてしまう学生も多くいるのが現状ですが、文化圏で見た場合、宗教観は大きな影響を及ぼしています。普段生活している分には無自覚な、無意識のうちに制度や慣習の中に埋め込まれている思想や宗教を、改めて客観視しその構造を理解するというのは、自分らしさを養う上で貴重なプロセスであるとも言えます。

3-2. 自由

女子学院は自由な校風で、校則も「上履きを履く」など4つしかありません。特に外見に対する自由度は高く、制服は存在しますが着用は義務でなく、ヘアカラー・ピアス・化粧すべて許されています。他校では制服が無くとも白シャツ・スカートでの登校が一般的である学校もあるようですが、女子学院では茶髪でピアスを開けた生徒がTシャツにショートパンツでサンダルを履いて登校する姿がよく見受けられます。

また、体育祭や文化祭の運営は生徒主導で行われます。学年のカラーが出る体育祭での応援合戦や、文化祭での個人発表・パンフレット下部にある「在校生への質問」という名の大喜利大会は、女子学院の校風が強く出た催し物といえるでしょう。

JGの文化祭では、見回りをしている学校の先生を見かけることはありません。たまにいたと思うと、「いや、ただ(パフォーマンスや展示を)見てるだけです」と言った具合です。それが可能であるのも自律度の高い学生たちが揃い、またよく鍛えられていることの証左でもあります。

この自由な校風の原点とも言えるのが、初代院長矢嶋楫子の「あなた方は聖書を持っています。だから自分で自分を治めなさい」という言葉です。矢嶋院長はこの言葉通り校則を作らず、その精神はその後も受け継がれました。
しかし、女子学院も徹底した放任主義というわけではなく、制約が厳しい面もあります。完全な自由ではなく、「柵の中の自由」という言葉がふさわしいでしょう。ですが、自由をいわば疑似体験することによって、「自由とは何なのか、自由を実現するためには何が必要なのか」ということを考える機会が、女子学院では自ずと与えられています。

<神戸女学院との比較>

同じプロテスタントで提携校の関係にある神戸女学院と比較した場合、JGにおける自由は「高度に完成された自治」とても言えるような、洗練されたものを感じます。普段の立ち振る舞いに問題がなければ、周囲から何も指摘されることはありませんが、不適切であったり、だらしのなさが見られたりした場合、即座に、主に先輩から指摘が飛んでくる印象を受けます。JG生が皆一通りに大人で、卒後もビジネスの場では評価が高いことには、こうした理由があると考えられます。

4.教育

4-1. 授業(文系科目)

女子学院入試の社会では、少しマニアックな問題が出るのですが、入学後も社会系の科目、特に歴史ではマニアックな授業が待っています。教科書を用いる授業はほとんど無く、教員の独自プリントなどを用いて授業を行います。

近年、日本の歴史教育において近現代を重視する動きがありますが、女子学院では高校1年生の際に、「近現代史」という、1年かけて明治・大正・昭和を勉強する授業を全員必修で受けます。
また、筆者の在学中には、イスラームが大好きな世界史の教員が授業で、延々とイスラームについて語ったこともありました。

イスラームは制度や慣習に止まらず、世界の捉え方が日本やキリスト教とはかなり違いますが、一方で異教徒に寛容であったりと、近年のイスラーム過激派のせいで、本来のイスラームが誤解されている面も多々あります。先生の愛に溢れた語り口により、生徒はイスラームそのものへの理解を深め、中にはコーランのフレーズをアラビア語のまま覚えた生徒までいました。

言語教育が我が子に与える効果はどのあたりに?提携校の文化祭の話も。

4-2.授業(理系科目)

一方、理数系の授業はレベルが高いとはあまりいえません。教員にもよりますが、教科書に沿った授業が多いように見受けられます。学校の勉強のみに頼ると、高2までには理数系が苦手になることが多いでしょう。
受験向きの授業は高2まではほとんど行われず、大多数の生徒が塾に通います。

4-3. 課外活動その他

4-3-1. 宿泊行事

女子学院の宿泊行事には修学旅行の他に、中2の「ごてんば教室」、高1の「ひろしまの旅」、そして高3の「修養会」があります。
ごてんば教室と修養会では、「友達とは何か」「自分を形作るものは何か」など、それぞれ決められたテーマに関する議論を行います。最終日には学年全体による全体会が開かれ、そこでもテーマについての議論を行います。
ひろしまの旅では広島を訪れ、原爆や平和について学び、考えます。資料館を訪れる他、被爆者の方にお話を伺い、それを聞いて考えたことについて話し合います。

4-3-2. JG作文集

女子学院では事あるごとに作文の課題が出され、年に1回、その中でも特に優秀なものを集めた「JG作文集」が作られ、校内で配布されます。ジャンルは短歌、詩、テーマ作文、紀行文、戦争体験の聞き書きなど多岐にわたりますが、どれも非常にレベルの高いものです。

以上からわかるように、女子学院では「思考を掘り下げ、それを言葉にして相手に伝え、また相手の言葉にも耳を傾ける能力」を磨く教育が行なわれていると言えるでしょう。

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