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最新インド映画の沼に落ちる2週間!「インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン2016」

家族再生ドラマから、人々を救ったヒーロー、社会問題を描く作品まで、インド映画を幅広く紹介する「インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン(IFFJ)2016」。2016年は、10月8日(土)〜21日(金)まで東京と大阪で開催。ラインナップは、インド映画の「今」を紹介する話題の最新13作品!

更新日: 2016年10月05日

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chalo_nakanoさん

世界最多数の製作本数を誇るインド映画を紹介

ハリウッドの製作本数をはるかに超える映画が製作されているにもかかわらず、残念ながら日本では、公開本数が極端に少ないインド映画。そんな中、話題の新作インド映画を紹介する「インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン(IFFJ)」が、2016年10月8日(土)より、東京(ヒューマントラストシネマ渋谷)と、大阪(シネ・リーブル梅田)で10月21日(金)まで開催されます。

5回目となるIFFJ2016は、2015年〜2016年にかけて公開された話題の13作品(うち短編1本)が日本語字幕付きで上映されます。「ボリウッド」と呼ばれるヒンディー映画のうち、2016年上半期のボリウッド興業成績トップ作品『エアリフト』『ハウスフル3』『ファン』を上映。このほかに、ハイジャック犯から乗客を守った実在のスチュワーデスを描いた『ニールジャー』、社会的に禁じられた同性愛問題を描く『アリーガルの夜明け』などの話題作、また、日本で上映機会が少ないベンガル映画『私が恋した泥棒』も。スリラー、ホラー、社会派ドラマまで幅広く揃った、IFFJ2016のラインナップを紹介します!

【上映作品その1】バラバラになった家族再生の物語『 カプール家の家族写真』

監督:シャクン・バトラ 出演:リシ・カプール、シッダールト・マルホートラ、アーリヤー・バット (2016/ヒンディー語)

祖父危篤の知らせで久々に故郷のクヌールに戻ったラーフルとアルジュンの兄弟。どこかぎこちない二人の関係は、不思議な雰囲気を持つ女性ティアが現れいっそう複雑に。一命をとりとめた祖父はバラバラになってしまった「カプール家」が再び一つになることを願うが—。ボリウッド映画の一大テーマ「家族愛」。注目の若手監督が家族の再生をみずみずしい感性で描く。

スチューデント・オブ・ザ・イヤー』のシッダールト・マルホートラとアーリヤー・バットが再共演。ボリウッド2016年上半期のヒット作。

今年のIFFJもラインナップ充実でめちゃんこ楽しみです!FAN、Ki&Ka、Kapoor&Sons〜はなんとしても観たい。あと英語字幕でみたHousefull3も今一度日本語字幕で観たいしほかにも気になるものがちらほら。今年も充実の散財コースですありがたい。

【おススメポイント】
家族を大切にするインドの人々の姿は、いつの時代も映画のテーマになっています。『カプール家の家族写真』は、兄弟の葛藤がきっかけとなり綻びが生じた現代の家族を、冷静な視点で描きます。現代ドラマなので、サリーを着ているのはお母さん世代だけ、群舞もナシ。けれども、インド映画の根本に横たわる「家族」について改めて考える作品であるという点は、やっぱりインド的要素であると感じる一本です。

ちなみに、家族をつなぎ合わせようとするおじいちゃんは、『スチューデント・オブ・ザ・イヤー』でゲイの校長を演じた、リシ・カプール。特殊メイクで演じており、実際は、これほどまでに老いていません。

インド映画といえばダンスシーン、パーティー場面での一曲。さすがは現代劇、自然にストーリーに溶け込んでいます。インド映画にとって、音楽は、登場人物の感情を表したり物語の転換に使われたりするので、映画の重要な要素でもあります。

【上映作品その2】“ボリウッド・キング” シャールク・カーンがスターとストーカーの二役を演じるスリラー『ファン』

監督:マニーシュ・シャルマー  出演:シャールク・カーン、ワルーシャー・デスーザ、シュリヤー・ピルガオーンカル、サヤーニー・グプター (2016/ ヒンディー語)

デリーの下町に暮らす青年ゴウラヴは、映画界のスーパースター、アーリヤン・カンナーの熱狂的ファン。ある出来事をきっかけに、ゴウラヴはアーリヤンと念願の対面を果たすが、アーリヤンに「お前は俺のファンなんかじゃない」と拒絶される。その日からゴウラヴはアーリヤンを狙うストーカーに変貌する。

シャールク・カーンが、スーパースターと、特殊メイクでその狂信的な「ファン」の二役を演じる。どちらに感情移入するかで、作品の見方が大きく変わる。

執拗なストーカーのゴウラブ(右)を追いつめようとするアーリヤン。

【おススメポイント】
ボリウッドのスーパースター「3カーンズ」の一人、シャールク・カーン(『恋する輪廻オーム・シャンティー・オーム』『命ある限り』)が主演、それだけでかなりの注目が集まっている一本。若い青年を演じるシャールク(特殊メイク)と、現在のスーパースターのシャールク、両方を観られます。ちなみに、ストーカーのほう(若いシャールク)は、特殊メイクのほかにVFXも使っているというほど力を入れて作り上げられたキャラクターのようです。群舞なし、サリーなし、現代ドラマと、インド的要素はゼロ。けれども、インド映画にはストーカーが主人公の映画がいくつかあり、スターを追いつめるゴウラヴの執拗さに、特殊なインド映画的要素が見られる作品。

※ちなみに、ボリウッドの「3カーンズ(Khans)」は、シャールクと、サルマーン・カーン(本映画祭では『プレーム兄貴、お城へ行く』を上映)と、アーミル・カーン(『きっとうまく行く』)を指します。近年、主演する作品が超大ヒットになっているのはサルマーン・カーンです。

【FANトリビア】Gaurav ・Aryan ふたりの主人公について、まとめてみました。#IFFJ でご鑑賞の参考になると幸いです。 pic.twitter.com/a3wVjqY1hm

【上映作品その3】クウェートからインド人を脱出させろ! 勇気ある行動をとった男、感動の実話『エアリフト 〜緊急空輸〜』

監督:ラージャー・クリシュナ・メーノーン 出演:アクシャイ・クマール、ニムラト・カウル、プーラブ・コーホリー、フェリーナ・ワズィール (2016/ヒンディー語)

1990年、オイルマネーに沸くクウェート・シティ。現地在住のインド人実業家のランジートは、イラク軍のクウェート侵攻に遭遇する。現地に踏みとどまったランジートは、在住インド人を空路で脱出させるべく奮闘。史上最大の脱出作戦として知られるインド人17万人のクウェート脱出の実話。2016年上半期興行収入第1位作品。

行き場を失った17万の人々、59日間488回のフライト、そして一人の男。『エアリフト』は実話に基づいた作品。

主人公ランジートを演じた、アクシャイ・クマールが、インドでの公開前にツイッターに投稿したコメントより。

タイトルは『エアリフト』(空輸)だけど、それは最後のインドへの脱出であって、それまでの移動はすべて陸路。鑑賞前に中東の地図を見ておくといいというのは本当です。 twitter.com/IFFJapan/statu…

ランジートの妻を演じるのは、『めぐり逢わせのお弁当』に出演していた、ニムラト・カウル。

【おススメポイント】
ボリウッドのアクション番長(空手黒帯)のアクシャイ・クマールが、17万のインド人を救う、ヒーロー映画。作品の評価も高い一本。ダンスはちょこっとありますが、群舞ではありません。

【上映作品その4】キャリア志向の女性と主夫志望の男性、結婚の思わぬ展開『キ&カ ~彼女と彼~』

監督:R.バールキー 主演:カリーナー・カプール、アルジュン・カプール (2016/ ヒンディー語)

飛行機で偶然出会ったキャリア志向の女性キアと「主夫」志望の男性カビール。二人は逆転夫婦として結婚。順調だった結婚生活は、カビールが「カリスマ主夫」として人気になったことから歯車が狂い始めるー。大胆でユニークな設定の作品で知られるバールキー監督作品。夫婦の役割を入れ替えたカップルの話だが、それだけでは終わらないひねりが。男女の役割が逆転したダンス挿入歌「ハイ・ヒールズ」もヒットした一作!

カリーナー・カプール 【Ki & Ka】(2016)から「High Heels Te Nachche」 youtube.com/watch?v=N_KpjL… IFFJで上映されるので、ぜひ観に行ってください。【Gabbar Is Back】にも出ています。

キア「これってもしかして…」 カビール「俺たちの役割が…」 キ&カ「「入れ替わってるーー!?」」 特集記事書きました。特集記事は冒頭と最後に何書こうかいっつも悩みますw komeindiafilm.com/entry/Ki_and_K…

【おススメポイント】
キャリアウーマンと主夫希望の青年の結婚。インドは実際、女性の社会進出が日本より進んでいる面もあります。

【コネタ】ネックレスは婚姻のしるし

胸のネックレスを誇らしげに見せるカビール(夫)。これは、「マンガラ・ストラー」と呼ばれる、婚姻の印となるネックレス。中央〜南インドの結婚式では、夫が妻となる人にこのネックレスを掛けます。『キ&カ』のプロモーション画像では、妻(キア)が夫(カビール)にマンガラ・ストラーを掛けることで、男女逆転を表しています。

ちなみに、東インド・コルカタ(カルカッタ)では、貝のブレスレットが婚姻の証。『バルフィ!』にそのシーンが出てきました。

【上映作品その5】改心して働き始めた泥棒。彼の目の前に高価な宝石が。盗る?それとも・・・。巨匠サタジット・レイの息子、サンディープ・ライのヒット作『私が恋した泥棒』

監督:サンディープ・レイ 出演:アビル・チャテルジー、シャーシュワト・チャテルジー、ライマ・セーン (2016/ ベンガル語)

泥棒のアビルはある家で盗みに失敗するが、その家に住むナンダーに、改心して祖父のもとで働くことを条件に逃がしてもらう。働き始めたアビル。ナンダーとの恋も芽生えるが、家宝の宝石を見て泥棒の本能がうずき出す。サタジット・レイの息子サンディープ・レイ監督によるヒット作。軽妙なタッチのロマンチック・スリラー。『女神は二度微笑む』の個性的な殺し屋ボブ役の俳優も出演。

【おススメポイント】
文学的香り高い一作。泥棒が出るといってもクライム物ではなく、家主の女性との心の通い合いが、見終えた後にふわっと心を温めてくれる一作。ダメな兄貴もいいキャラです。

【コネタ】ダメ兄貴を演じるのは、あ、あの・・・ボブ!

コルカタが舞台のヒンディー映画『女神は二度微笑む』に出演した俳優が出ています。一人は主人公のアビル・チャテルジー。もう一人は、シャーシュワト・チャテルジー・・・恐怖の殺し屋、ボブを演じた俳優です。

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