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バルトロメオ・スケドーニ 絵画作品集

Bartolomeo Schedoni1578-1615 | イタリア | バロック17世紀イタリア・バロック期のエミリア派を代表する画家。鮮明で強烈な陰影による輝くような光と影の描写と、鋭利で直線的な人体や衣服の表現を用い独自の様式を確立。

更新日: 2016年10月11日

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バルトロメオ・スケドーニ Bartolomeo Schedoni
1578-1615 | イタリア | バロック
17世紀イタリア・バロック期のエミリア派を代表する画家。鮮明で強烈な陰影による輝くような光と影の描写と、鋭利で直線的な人体や衣服の表現を用い独自の様式を確立。夭折の画家であるが、その革新性においては初期バロックの画家の中でも最も優れていた画家のひとりとされる。様式形成にはマニエリスム期の巨匠コレッジョに直接的な影響を受けていることが明らかであるも、ルドヴィコ・カラッチを始めとしたカラッチ一族など同時代に活躍した画家らの技法や傾向なども積極的に取り入れている。1578年にモデナで生まれ、1590年代末にラヌッチオ・ファルネーゼの呼びかけに応じローマへと赴くがすぐにエミリア地方へと戻り、パルマに定住。同地で濃密な作品を数多く制作した。バルトロメオ・スケドーニは暴力的な性格であったと伝えられ、その生涯の類似性からしばしばカラヴァッジョと比較されるほか、生涯中に右手に重大な損傷を受け、手の自由失いかけたとされる。おそらくは賭博での借金苦により自殺。

バルトロメオ・スケドーニの現存する作品の中で最も知られる傑作『慈愛』。ナポリ地方の名家ファルネーゼ家のコレクションからカポディモンテ美術館へ収蔵されることになった本作は、画家がパルマに定住した後、最も精力的に作品制作をおこなっていた1610年以降(1611年頃)に描かれたと推測されている。本作が伝統的に『慈愛』と呼称されるのは画面中で孤児らへ施しを与える女性の慈愛性に由来するためであるが、むしろそれを受ける孤児の、特に画面左の杖をついた盲児の虚ろな表情の描写は、観る者に強烈な印象を与えるだけでなく、厳しい現実を突き付ける。

このような自然主義的な写実性は同時代を代表する画家カラヴァッジョに強く示される表現であり、史実的根拠は極めて乏しいものの、一部の研究者からは関連性を指摘されている。また画面右下の幼児に示される豊かな色彩と叙情的な表現は、スケドーニが最も影響を受けた画家コレッジョが得意とした感傷性豊かな表現手法である。人物の配置においても中央より左右により頭身の高い人物を配することによって画面内に絶妙なバランスを構築しているほか、中央でパンを与える女性とそれを受け取る孤児との間に空虚な空間を置くことや使用する色彩の違いによって、本作の富裕者(聖者)と貧者とをより強調しているのである。

バルトロメオ・スケドーニの代表作『キリストの埋葬』。画家の最高傑作のひとつ『墓を訪れる三人のマリア』と同じくパルマの近郊フォンテヴォーヴォのカプチン会聖堂の祭壇画として掲げられていた本作の主題は、磔刑に処され死したイエスの亡骸を、ニコデモやアリマタヤのヨセフ、聖母マリアを始めとする諸聖人らがゴルゴタの丘の麓の岩墓へ埋葬する場面≪キリストの埋葬≫で、強烈な明暗対比と、埋葬される主イエスを中心にX字に配された登場人物の激しい運動性が大きな特徴のひとつである。

スケドーニの個性的な様式である白布の輝くような光を帯びた描写は本作においても場面を印象深く劇的に盛り上げる重要な要素として機能している。また聖母マリアやマグダラのマリア、ニコデモ、アリマタヤのヨセフなどに示される中心に配された主イエスの遺体の周りでの、やや大げさな身振りによる激しい感情表現は主の死に対する悲哀をより強調しているほか、視覚的に喧噪など場面の臨場感を表現することにも成功している。なおパルマ近郊の修道院のために描かれた同主題の作品が1796年、ルーヴル美術館によって購入されている。

バルトロメオ・スケドーニ最大の代表作『墓を訪れる三人のマリア』。画家が制作の拠点としていたパルマの近郊フォンテヴォーヴォのカプチン会聖堂の祭壇画として掲げられていた本作に描かれるのは、新約聖書マタイ伝に記される≪キリストの復活(キリストの出現)≫の一場面から、磔刑に処されゴルゴタの丘の墓に葬られた主イエスが復活を遂げたことを、墓上へ現れた天使がマグダラのマリアを始めとした三人の聖女へ聖告する逸話で、バルトロメオ・スケドーニ特有の輝くような光と影の表現による白地の衣服の描写や、形而上的な表現手法は、同時代の作品群の中でも特に優れた出来栄えを見せている。

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