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家族の前では話せるも職場や学校では話せない…場面緘黙(かんもく)症とは?

家族らとは話ができる一方、学校や職場などの社会的な状況下では声を出したり話したりすることが困難な場面緘黙症。広汎性発達障害の一種とされ、人前での発語が難しいことからいじめなどの対象にされやすく、周りの理解と症状の認知向上が課題です。

更新日: 2016年10月16日

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egawomsieteさん

■緒障害教育の対象となっている場面緘黙

言葉を話したり理解する能力はほぼ正常であるにもかかわらず、幼稚園・保育園や学校などの社会的な状況で声を出したり話したりすることができない状態を言います。体が思うように動かせない緘動(かんどう)という状態になることもあります。声の出しにくさ、話しづらさは、場所やそこにいる人、活動内容によって違ってきます。また、すべての生活場面で話すことができない状態を全緘黙といいます。現在、日本では場面緘黙は心因性とされており、情緒障害教育の対象となっています。

海外では、場面緘黙は小児期の不安障害であり、「自分が話す様子を人から聞かれたり見られたりすることに怖れを感じる」恐怖症の一種ととらえ治療や支援を行なうという考えが主流となっています。また、原因については、おそらく不安になりやすい生まれつきの気質がベースとしてあり、そこに複合的な要因が影響していると考えられています。

発症率

調査によってばらつきはあるものの、アメリカでは「発症率は0.7%」とする説をとることが多いようです。 どの報告でも、男児よりも女児に多くみられるとあります。場面緘黙児は行動が抑制されており、たいへん大人しく見えます。そのため、たとえ本人が困っていたとしても、学校側が困るということが少ないために、場面緘黙であっても見落とされがちです。また、保護者も行動を抑制しがちな気質を持っていることが多いと言われており、学校に協力を求めることを控えがちと思われます。

■不安症

米国精神医学会の診断・統計マニュアル DSM-5 や、世界保健機関の ICD-10(国際疾病分類第10版)では「選択性緘黙」として記載されています。 緘黙は不安症(不安障害)という見方が主流で、DSM-5 でも不安症に分類されています。 統合失調症やヒステリー失声とは異なります。 診断では発達障害は分けて考えますが、発達の問題を背景に、特定場面で話せない人は多いようです。

■吃音症、言葉が出なくなったり、口下手になってしまう

場面緘黙症は人見知りが激しく、ある特定の場面においてのみ全く話せなくなってしまうという症状になります。

具体的には苦手な相手や自分にとって影響の大きいと思われる相手と話をするような場面が訪れた時に吃ったり(吃音症)、言葉が出なくなったり、口下手になってしまうという形で現れてくる症状になります。

ですから、こういう症状があるかどうかで場面緘黙症のチェックが出来ると思います。

子供の場合には一概には言えませんが、場面緘黙症の症状が大人になっても続く場合は対人恐怖症などの神経症であることが多いものなのです。

内弁慶という言葉がありますが、家族など心を開いている相手に対しては普通に話すことが出来るのに、会社や学校などでは思うように話せず、無口になってしまうというのが場面緘黙症の典型的な症状になります。

また、場面緘黙症は選択性緘黙症や場面恐怖症とも呼ばれますが、人前で電話をする時に話せなくなってしまう(電話恐怖症)といった、あがり症や対人恐怖症、社会不安障害と同じような症状が起こることも多いものなのです。

最近、コミュ障(コミュニケーション障害)という言葉が使われることが多くなりましたが、これも場面緘黙症と同じことだと言って良いのではないかと思います。

話せないだけではない

話せない点に注目が集まりがちな緘黙ですが、緘黙は話せないだけではありません。 表情を出せなかったり、視線を合わせられなかったりする人は多いようです。

症状が重くなると、話すことができないだけでなく、思うように動くこともできなくなります(緘動)。 また、学校でトイレに行けない子どもや、給食を食べられない子どももいます。 それから、緘黙児への支援として筆談が行なわれる場合がありますが、中には自分が考えていることを知られるのが怖いとして、筆談もできない場合もあります。

■場面緘黙症の症状

場面緘黙症は普段は問題なく話すのに、学校や職場などの「特定の場所」で言わなければいけない状況にたたされると不安や緊張から声を発する事が出来なかったり、小声になったり、質問に対しての回答が出るまで時間がかかったりする状態を指し、不安障害の症状の一つとされています。

緘黙(かんもく)とは「押し黙る」「口を閉じて何も言わない」という意味で場面緘黙症は選択性緘黙症とも言われ、選択された場面や特定の人に対して話さない状態が1カ月以上続くことがあります。

この症状は2歳から5歳の間に発症するとされていますが実際は6歳から8歳の間に診断される事が多いようです。これは言語や知能には全く問題がないうえに、生まれ持った性格(先天性)なものだと判断されてしまうため、普段生活しているうえではほとんど気付かれないからです。

「小さい頃、学校で友達や先生の前で話せなくて悩んでいたけど、大人になって初めて場面緘黙症という言葉を知った」「話せない自分が悪いのだと責めていたけど、場面緘黙症という不安障害の一つと知って、病気のせいなのだと分かったら安心できた」など、本人も大人になるまで気付かない事が多いようです。

■場面緘黙症の特徴

•普段、家族や慣れ親しんだ人とは問題なく話す。むしろ、とてもお喋りであることが多い

•学校や公共の場で、言葉が頭に浮かんでくるけど緊張して声を発する事が出来ない

•学校のトイレに行きにくかったり、給食を食べられない、体育などで着替えが出来ない場合がある

•学校で全く話せない場合や特定の人だけ、または2、3人と小声で話すことができる

•話せない事から表情がこわばってしまう。または無表情になってしまう

•幼い頃から喋らなくてもいいブロックやつみきなどの一人遊びが好きだった

•人との交流を避けてしまう傾向がある

•身体が硬直して思うように動かせないことがある(緘動)

•「話せない」という点から、学校での行事や活動などに対しても消極的になってしまう傾向がある

•自分から積極的に友達の輪に入ろうとはしない一方で、集団の中に身を置くのは苦にならず、傍らから眺めて楽しそうにしたりみんなの会話を聞いたり、非言語的手段(ジェスチャーや表情など)を用いてコミュニケーションを図ろうとする

•小さいことにも気をつかってしまう、繊細な性格。また執着傾向、完璧主義、知的好奇心が旺盛・感性豊か、などの性格的特徴がある

■対人不安が原因か

大人の場合、場面緘黙症のいずれの症状も、人から変に思われるのではないかとか、嫌われたらどうしようという対人不安が原因になっているのです。

そして、この背景には人から好かれたいとか、人と楽しく話したいという強い欲望があると言えるのです。

つまり、人見知りをするとか、人に気を使うということは、誰にでもいくらかはあるものですが、これが過度に強くなり「とらわれ」が出来た状態が場面緘黙症だと言って良いのではないかと思います。

そして、これは対人恐怖症など神経症が原因になっていると考えて良いと思います。

ですから、神経症が原因になっている場面緘黙症の場合は感覚統合障害や言語障害から来る場合とは異なり、思春期になってから発症することが多いものなのです。

つまり、子供の場合の場面緘黙症とは原因が異なると考えて良いと思います。

本人による、気質の問題(遺伝的要素)

場面緘黙児は行動抑制的な気質を元々もっていると言われており、先天的に不安になりやすかったり、内向的な性格に多いようです。また、脳の中の扁桃体の過剰反応により、人より数倍も不安や恐怖を感じやすくなると考えられます。

例えば一般的には不安に感じたり緊張する必要のない場所、人、状況で過度に不安を感じたり緊張してしまう状態を指します。これは扁桃体の異常が原因とされているようです。

環境や言語問題

幼少期、引っ越しにより転園(転校)が多く新しい環境や言語(方言)の違いが原因となる場合や、言語の異なる外国に暮らしたり両親またはそのどちらかの母語が異なる場合に発言を要求されるとストレスとなり、場面緘黙症の原因となる場合があります。

また、場面緘黙症の20~30%は会話・言語障害を併せもっていると言われています。このことによって余計に話したくても話せない状況が重なり症状の悪化に繋がってしまいます。

場面緘黙症を「家庭環境のせい」と誤解される方が多いですが両親のしつけや育て方で緘黙になってしまうわけではなく、また虐待やネグレクト、トラウマ(心的外傷)との因果関係も明らかになってはいません。発症にはさまざまな要因が関わっており、子供によって発症要因は異なるのです。

■完治する可能性は?

こちらは様々な見解があり適切な治療法を用いれば1~2年で克服できるというデータもあれば、特別なことをしなくても自然に治る場合、放っておいたら治らないという見解もあります。しかし、自然と治ったという方をしっかり検証すると偶然行ってきたことが完治に繋がったり、偶然治療環境になっていたケースがあったそうです。

重要なのは、早期発見と対応力、周囲の大人の理解を深めることです。そして何よりも両親が子供の気持ちに寄り添って一番の理解者になってあげることが大切なのです。

■4つの治療方法

①遊戯療法

言葉を使った表現が未発達の幼児に対する心理療法の中で最も一般的なのが遊戯療法です。遊びを通じて適応力や自己表現を養うものなので、子供に話すことを強制させたり、言葉での自己表現を強いることがないため負担なく楽しく治療を行うことが出来ます。

集団治療を行うことにより人間関係の構築効果も期待できます。

②行動療法

行動療法とは、適応の破綻を引き起こしている行動パターンに対しある一定の理論によりアプローチ、行動を修正し、結果的に破綻に至らないようにする治療法です。場面緘黙症の治療では、系統的脱感作と呼ばれる手法を用いられます。

系統的脱感作とは不安や恐怖が引き起こされる刺激群を特定し、自律訓練法などのリラクゼーション訓練や、リラックス状態になる訓練を行うことです。

不安を引き起こす刺激を段階的に繰り返し提示することで恐怖や不安反応などを克服する方法になります。

③認知行動療法

認知行動療法は基本的な理念は行動療法と一緒ですが、行動療法が外に現れた行動の改善を重視するのに対し認知行動療法は「なぜ不安に感じるのか」といった内的要因も治療することを目的としています。

子供が抱える不安や恐怖が現実とどのくらい食い違っているかを日常を通して具体的に明らかにし、場面ごとに行動や感情のコントロールの方法を学びます。

④薬物療法

行動療法やカウンセリングなどの他の療法を組み合わせて行う薬物療法というのもあります。これは不安や緊張感を和らげる薬を用いるもので、効果は個人差があります。副作用の可能性もあるので分量や使用方法は主治医の先生と相談しながら使用しましょう。

■「話す機能がシャットダウン」

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