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睡眠障害の一つ、過眠症「ナルコレプシー」の特徴と治療法は?

睡眠障害のひとつで情動性脱力発作、金縛り、悪夢といった症状があります。しかも時間や場所を選ばずに眠りに入ってしまう発作のため、交通事故に遭ったり、作業ミスを起こすなど通常勤務に支障をきたすします。その結果、失職や周囲に理解されないなど精神的負担が大きく、さらに悪化に陥ることが多くなるようです。

更新日: 2017年02月23日

egawomsieteさん

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■ナルコレプシーとは

ナルコレプシーは、突発性過眠症、反復性過眠症といった過眠症のうちの一つです。罹患率は、世界では平均して2000人に1人。日本に限ってみると600人に1人と、世界的に見ても患者が多い睡眠障害です。日中、強烈な眠気に襲われる睡眠発作は他の過眠症の場合にも見られますが、特に“ナルコレプシー”と呼ばれる睡眠障害の場合、さらに情動性脱力発作(カタプレキシー)、金縛り、悪夢といった別の症状が伴います。

カタプレキシーは、笑ったり怒ったり驚いたりと、感情が大きく動いたときに突然脱力してしまうものです。その症状は人それぞれで、軽く力が抜ける場合もあれば、腰が抜けたように倒れてしまうこともあるといいます。

ナルコレプシーにかかると、会議や試験中、会話の最中でも突然強い眠気を覚えるため、トラブルや事故につながるリスクが高く危険。また、睡眠障害ではなくただの「怠け病」と誤解されがちで、自己管理不足や睡眠不足ととらえられてしまうこともあるので、とても厄介な病気なのです。

■過眠障害「ナルコレプシー」の原因は脳内物質オレキシン不足

思春期に多く発症し、患者は日本人の約1000人に1人と推計されている。思春期に起きやすいため、うつ病やリズム障害など他の病気と診断されるケースも多い。

 近年、ナルコレプシーの原因として脳内物質のオレキシンが関与していることがわかってきた。この物質を発見した筑波大学の国際統合睡眠医科学研究機構の柳沢正史機構長に話を聞いた。

「オレキシンは、脳内にある覚醒物質の一つで、目覚めと眠りの切り替えスイッチの役割をはたしています。人間の神経細胞は、約1000億個ありますが、オレキシンを産生する細胞はわずか5~7万個。ナルコレプシー患者は、オレキシンを産生する細胞が脱落・減少しているため、覚醒を維持することができなくなっていると考えられます」

オレキシンは、ゲノムプロジェクトで発見された。神経伝達物質は受容体(鍵穴)と、それを刺激する物質(鍵)が結合して作用する。鍵の物質が見つかっていない「オーファン(孤児)受容体」の相手を見つける研究で発見されたのがオレキシンだ。

 当初、食欲や体重の調整に関連する物質と推測されていた。ところが、遺伝子組み換えでオレキシンを作れないようにしたマウスで調べたら、エサを食べる量は多少減るものの痩せない。そこで、夜行性であるマウスの行動観察のために24時間赤外線カメラを設置したところ、元気に動き回っていたマウスは突然動きが止まり、倒れるなどの行動が確認された。

 しかも30秒ほどで、また動き始めた。マウスに脳波計をつけて測定してみると、人間のレム睡眠(浅い眠りで脳が動いている状態)と同じような状況であることがわかった。

「人間の睡眠は、ノンレム睡眠(深い眠りの時期)が90分ほど続き、その後、レム睡眠に入ります。マウスがパタッと倒れるのは、覚醒から突然レム睡眠に入ったためで、これはナルコレプシーそのものです。これでオレキシンは、脳を覚醒させ維持する役割があることがわかりました。その後の研究で、ナルコレプシーの患者も、オレキシンが減少しているのが判明したのです」(柳沢機構長)

 ナルコレプシー治療は、日中の眠気予防のため、覚醒作用のある薬物療法が主だが、めまいや吐き気などの副作用もある。現在、機構ではオレキシンを補充する薬の研究を進めている。

今まで特定されている原因の一つに「オレキシン」の欠乏を挙げることができます。

オレキシンとは、脳の視床下部から分泌される神経伝達物質で、睡眠と覚醒のバランスを調整する役割を果たします。

ある研究報告によると、この遺伝子が変異を起こして働かなくなると、ナルコレプシーの脱力発作にとても似た症状が引き起こされることが実験結果により分かっています。実際、ナルコレプシーの患者の9割にこのオレキシンが不足している、という報告があります。

さらにナルコレプシーになりやすい遺伝的体質と、睡眠不足など身体的なストレスも原因になると考えられているようです。

■ナルコレプシーの原因は遺伝!?

●突発性過眠症とナルコレプシーの違い

特発性過眠症は、ナルコレプシーと同じく日中に強烈な眠気を感じる病。
しかしナルコレプシーとの相違点がいくつかあります。


特発性過眠症は居眠りの長さが1~4時間と長時間。一方のナルコレプシーは長くても20分程度の、比較的短い居眠りです。特発性過眠症を患っている人は夜の睡眠は正常である場合が多いようです。日中は数時間寝たとしても、目覚めは悪く眠気も消えないそうです。一方のナルコレプシーは夜間に熟眠できないことが多く、日中の居眠りの後はスッキリとします。特発性過眠症にはナルコレプシーに出るような突然の脱力や幻覚、金縛りが起こりません。



このほか、特発性過眠症は寝起きがひどく、意識がはっきりしないという特徴も。

頭がぼーっとした状態が続き、はっきりと目が覚めるまでに20分以上かかるようです。また、頭痛や手足の冷え、めまい、立ちくらみなどの自律神経系の不調も併発して起こることがあるとの報告も。

糖尿病のリスクも

夜の睡眠が浅いという特徴があるので、睡眠不足からくる頭痛、多汗症、肥満がおこることもあります。肥満は糖尿病にもつながることもあるので注意が必要です」(橋爪さん)

■ナルコプレシー、4つの症状

[1] 日中、突然強い眠気に襲われる
[2] 強い感情で、全身が脱力状態になる
[3] 金縛り
[4] 入眠時幻覚

■その症状とは?

「ナルコレプシーには明らかな特徴があります。たとえば日中、耐え難い眠気が起こり、場所と時を選ばず短時間の眠りを数回繰り返す、または、喜怒哀楽が高まったり、びっくりしたときなどに体の力が抜けてしまう(情動脱力発作を伴う場合もあります)、寝付くとすぐに現実感のある幻覚のような夢(入眠時幻覚)を見て、金縛り状態になる、夜間睡眠が浅いなどです」(橋爪さん)

長い移動時間や、講演会などで聴講などをしていると、「すーっ」と気を失ったように眠ってしまうことはないだろうか。こういったことを短時間で何回も繰り返していたり、感情が高ぶった時に突然倒れこみ寝入ってしまったり、もしくは見る夢に変化がでてきたら、注意してみるとよいだろう。

■昼間の耐え難い眠気(睡眠発作)

危険な作業や大事な会議、デートの最中など、積極的な参加や緊張感を要する状況でも、本人の意志に関係なく突然眠り込んでしまいます。睡眠発作は、30分ほどで自然に目覚め、起きれば気分はスッキリします。起きた後しばらくは眠気がなくなっていますが、数時間たつと再び激しい眠気が襲ってきます。

病気についての理解がない周囲からは、怠けているとか、気合が足りないと見られることもあます。そのため、社会生活に大きな差しさわりとなることがあります。

■情動性脱力発作(カタプレキシー)

笑う、喜ぶ、怒る、驚く、興奮するなど、強い感情の動きが引き金になって、全身の筋力が抜けてしまう発作です。

発作中、意識はしっかり保たれています。数秒~数分たつと元に戻って、自然に力が入るようになります。

発作の程度はいろいろあり、ろれつが回りにくい、首が前にガクッと垂れ下がる、手足に力が入りにくくなるものから、その場に倒れこんでしまう重度のものまであります。

また、情動性脱力発作を起こさないタイプのナルコレプシーもあるので、注意が必要です。

■睡眠麻痺

いわゆる金縛りと呼ばれているものが、寝入りばなや目覚めた直後に起こります。睡眠麻痺は、数分以内に、自然になくなります。

健常な人では、寝ついてから90~120分してから現れるレム睡眠が、ナルコレプシーの人では寝ついてすぐ現れます。レム睡眠は、全身の筋肉が動かない状態の浅い眠りです。この睡眠のときに、何かの原因で意識が残っていると、体が動かせずに焦ってしまいます。

■入眠時幻覚

睡眠麻痺と同時に起こることが多いものに、入眠時の幻覚があります。この2つと情動性脱力発作をまとめて、レム睡眠関連症状とも言います。

幻覚は、怪しい人影や化け物が危害を加えにくるなど、かなり現実感があり鮮明で、恐ろしいものが多いようです。これも睡眠麻痺と同様に、数分以内になくなります。

4大症状は、ナルコレプシーの患者さんによく見られるものですが、4つ全てが現れるのは、患者さんのうち20~25%の人だけです。

■治療方法

治療は薬物療法が中心です。日中の眠気を防ぐためには、精神刺激薬を用います。最近はモダフィニル(モディオダール)という薬が多く使われます。この薬は作用時間が比較的長く、朝に1回服用することで夕方ころまで効果があります。これまであったメチルフェニデート(リタリン)やペモリン(ベタナミン)と比べて、マイルドで副作用が少ないのが特徴です。
 モディオダールでは効果が十分でない場合、これにリタリンやベタナミンを追加して使用します。リタリンは作用時間が短い(早く代謝され体外に排泄される)ため、朝と昼の2回服用する必要があります。
 情動脱力発作、入眠時幻覚、睡眠麻痺などには、レム睡眠を抑える作用をもつ薬物が使われます。このなかでよく使われているのは、アナフラニール、トフラニールなどの抗うつ薬です。
 生活の工夫としては、休み時間に20分くらいの昼寝をとる習慣をつけることが大切です。

■自分でできるナルコレプシーの改善法

・睡眠&起床時間を決まった時刻設定
・規則正しい生活で、睡眠不足を回避
・昼休みと夕方に15分程度の仮眠を
・暴飲暴食を避ける

■生活習慣の改善

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