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ガソリンが生まれたお話~石油の20世紀

何の疑問もなく、日々使っているガソリンですが、実は20世紀を動かした二大要因、クルマの開発競争と世界の石油覇権の中心的な位置を占めるモノだったのです。あくまで雑学レベルですが、ちょっとした知識をかじっておきませんか

更新日: 2016年12月29日

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産業革命以後、石炭が主要なエネルギー源だったが、1960年代には石油・天然ガスへと大きく転換した。 これを、エネルギー革命という。地下の油田から産出されたままの状態を 「 原油 」 、そこから精製された各種製品を合わせた総称が「石油」だ。原油には、サラサラした低粘度のものと、ドロリとした高粘度のものがある。石油の使い道として、車のガソリンがすぐに思い浮かぶが、他にも工場や電気を起こす発電所の燃料、ゴム、プラスチックの原料などがある

▼まずは石油の基本から

地球に生命が誕生したのは35億年前。その昔から海や湖で繁殖したプランクトンや藻などの生物体の死骸が堆積し、やがて「ケロジェン(油母)」とよばれる複雑な高分子化合物になったとき、地熱の作用をうけてケロジェンが熱分解して、石油系炭化水素になっていったと考えられている。目下、石油誕生の最有力説だ

石油は、地面の下の石油が移動しないような地層の条件が整った場所にある。そして、地表からそこまで穴を掘り進んで石油を取り出す。これが油井であり、地中から掘り出された石油は、原油と呼ばれる。原油は精製される際、上部と下部で違う温度を持つ容器(蒸留塔)に通される。水や油などの液体が気体になる性質を利用するのだが、小さくて軽い油ほど低い温度で気体になりやすいため、温度に応じて、軽い油と重い油に分けている

原油を精製して石油製品をつくる工場を「製油所」といいます。日本にはこうした製油所が20ヶ所(2014年3月末)ある。製油所に運ばれてきた原油は、蒸留装置や分解装置によって、ガソリン、灯油、軽油、重油などのさまざまな石油製品に生まれ変わる。高さが50メートルもある蒸留塔の中に、加熱炉で350度に熱した原油が吹き込まれ、沸点の差によって各種石油留分に分けられている

原油はどのように精製されるのか(英語)

運ばれてきた原油はその後、その国の港付近に配備されている原油タンクに入れられ、精油所へと移され、蒸留装置や分解装置によって、ガソリンや灯油、軽油などの石油製品へと生まれ変わる。その蒸留は、異なる沸点を利用することで分離させる作業だが、分子の密度が異なるから沸点も違ってくるのである。たとえば、気体状態であるLPガス(プロパンガス)は35℃以上、ドロっとしたイメージを持つ重油やアスファルトとなると360℃以上の熱でそれぞれ精製される。こういった精製プロセスを行う装置が50mほどの巨大な円柱状の常圧蒸留装置だ

▼石油の中の代表品目「ガソリン」とは

ガソリンとは、沸点が30~220℃の原油留分のことです。なお、留分とは、液体混合物を蒸留し沸点別に得られる各成分のことをいう。
【特徴】
引火点が低い。(-40℃以下, 自動車ガソリン)
沸点が低い。(40~220℃, 自動車ガソリン)
水より軽い。(液比重が1より小さい。)
水に溶けない。(非水溶性)
特有の臭気がある。
蒸気を過度に吸引すると頭痛、目まいを引き起こす。
加鉛ガソリンは毒性がある。
※自動車ガソリンは、灯油や軽油と区別するためオレンジ色(元々は透明)に着色されている

古い動画が残されているものですね、アメリカは。世界を席巻した石油会社「The Standard Oil Company」の啓発用ビデオだそうです

▼ガソリン車の登場と普及で石油の価値が一気に高まりました

出典gazoo.com

ベンツが求めたのは、あくまでエンジンで走る乗り物だった。最重要課題が軽量化と高回転化だった。それを実現するためには、確実で強力な点火システムを採用しなくてはならない。そこでベンツが選んだのはダイムラーの熱管式とは異なり、電気式だった。また、ガソリンの燃焼によって発生する熱を冷却する装置も必要だったが、これらをひとつずつクリアし、1885年に試運転に成功し、1886年に特許が認められた。そんな中、1887年にはパリからやってきたフランス人が興味を示して購入する。小規模ながら、自動車がビジネスになったのだ

【世界初のガソリン自動車のスペック】
・生産年:1885年
・生産台数:不明
・エンジン:空冷水平単気筒・4サイクル
・駆動方式 :RR
・排気量(cc):不明
・最高出力(PS/rpm) :2-3/250
・最大トルク(kgm/rpm) :不明
・キャブレター数:1
・全長×全幅×全高(mm) :
   2547×1454×1623
・ホイールベース(mm) :1623
・車両重量(kg) :254
・乗車定員(名) :2
・最高速度(km/h) :12

▼ガソリンの正体とその進化を紹介しましょう

ガソリンは、複数の石油成分をブレンドし、添加剤を加えて作るため、石油製品の中では最も複雑な製品ともいわれている。気化したガソリンは空気が混合すると爆発しやすく、その特徴を利用した内燃機関がガソリンエンジンだ。今から100年ほど前までは、使い道がなく捨てられていたという。気化しやすいガソリンの特性を生かし、始動性や暖機性、加速性などを向上させている。今日のガソリンにはエンジンの洗浄機能も加えられたりと、意外に奥深い燃料として進化している

ガソリンスタンドでレギュラーガソリン、ハイオクガソリンと並んで販売されているのが軽油。軽油はディーゼルエンジンの燃料となっている。ガソリンも軽油も元は同じ石油。その違いは、蒸留時の採取温度にある。軽油は140℃から380℃で発生する蒸気から採取される。軽油はより高温高圧の場合に良く燃える、ということだ。逆に軽油は低温に弱い。あまり知られていないが、季節(温度地域)ごとに販売される軽油の成分は微妙に替えられている。その種類はなんと5種類

出典kigs.jp

19世紀に入り、アメリカでヘンリー・フォード(Henry Ford)が大衆車を開発すると、自動車はそれまでの一部の富裕層の乗り物から、一般の人が持つことのできる乗り物となり、世間に広く普及しはじめた。ところが、その原料となるガソリンは天然の石油の中に約20%しか含まれておらず、残りは灯油や軽油、重油などだ。つまり、ガソリンは不足し、重油は過剰となったのである。そこで1912年に、アメリカのウィリアム・バートン(William Burton)が熱分解装置を完成させ、分子量の大きい物質(軽油)から、分子量の小さいガソリン抽出にし成功したのだ。今日、原油からのガソリンの収率は、50%前後と非常に高い

洗剤は混ぜると危険なものがありますが、レギュラーとハイオクは混ぜても危険ではないとか。海外では細かくオクタン価を表示していて、価格変動に合わせ、継ぎ足して混ぜる人もいるくらい。オクタン価が高いとノッキングしにくくなるが、現在のクルマはコンピューターで自動的に点火時期を調整し、ノッキングしにくくなっている。ただし、スポーツモデルや高級車などには必ずハイオクガソリンを入れよう

オクタン価とはノッキングのしにくさを示す尺度。つまり燃えにくいということ。オクタン価が85から90のガソリンでは、着火点が低い。そしてその上(90~98)がハイオクと言われ、着火点が高く燃えにくい。これでノッキングを防ぐのだが、そもそもノッキングとは、吸気ー圧縮ー爆発ー排気の4工程中、爆発以外の箇所で着火してしまうことだ。これはもちろん異常燃焼であり、エンジン破損の原因にもなる。レース用ガソリンは、ずばぬけた燃焼性、高い耐ノッキング性を有し、ハイオク用ガソリンの上をいく。もちろん価格も十倍以上だ

▼ガソリン以外にも、実は様々な用途開発がなされていました

石油が利用されるようになったのは19世紀の半ばからである。その用途は灯火用。鯨油からの置き換えだった。当時の鯨油はろうそく原料,機械用潤滑油,皮革用洗剤,マーガリン原料などに使われるようになったからだった。しかし、その灯油も不足するようになり、油井採掘が盛んに行われるようになった。こうして産出量が激増すると、灯油以外の用途開発も必要となり、1880年代にはクルマの内燃機関での利用の道が開け、またもっとも重い成分のアスファルトも、クルマ時代の到来で、道路の舗装材料に利用されるようになった

石油製品は、原油からガソリン、灯油、軽油、重油など複数の製品が同時に一定の割合(得率)で生産されるという特性がある。これを「連産品」という。したがって、ガソリンや灯油等が一時的に不足しても、これらの製品だけを増産することは困難だ。
(1)最適な原油の選択
日本の需要構成に最適な原油を組み合わせて輸入している。
(2)二次装置による対応
ガソリン、灯油、軽油等の割合が高まり、重油が減少するという「軽質化」が進んでおり、重油等を分解・改質する二次装置の増設により、不足するガソリン、灯油などを増産している

原油は、石油を地中から採取したままの、天然の状態。「重質原油」「中質原油」「軽質原油」などに分類される。比重の軽い原油のほうが、低い精製コストで付加価値の高い石油製品や石油化学原料を多く生産でき、高い価格で取引される傾向があります。日本が輸入する原油は中東産の軽質原油が多く、一般にガソリンや軽油などを作りやすい

日本での石油需要は「ガソリン」が多い

「常圧蒸留(大気圧に近い圧力で行われる蒸留)装置」の処理能力は、1975~1982年度の間がピークだった(594万バレル/日)。今は、経済産業省が2010年7月に定めた「エネルギー供給構造高度化法」のもとで、常圧蒸留装置の能力削減が進んでいる(2014年4月には395万バレル/日)。主要燃料の油種別生産量は、ナフサ(13.1%増)、ジェット燃料(45.9%増)、軽油(2.5%増)が増加した反面、ガソリンは4.2%減少した。また灯油(37.8%減)、A重油(50.3%減)およびC重油(43.2%減)が大幅に減少している

生物の死骸が海底や湖底に堆積し、その大部分が化石化して熟成されたのが石油である。その石油の今日の用途は主に三つ。
【熱源】4割が工場や家庭など
【動力源】4割が自動車や船舶、飛行機など
【原料】 残りの2割が洗剤・プラスチックなどの化学製品に使われている。そもそも石油の存在は、紀元前3000年と意外に古くから知られていた。日本でも、「燃ゆる土」「燃ゆる水」と呼ばれる

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