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果たして返還なるのか?知られざる北方領土の実態と裏側

機運高まる北方領土の返還ですが、露骨なやり方が目立つロシアを信用できるかどうか?経済協力だけしての食い逃げ懸念や今や全く状況が変わっている北方領土内の変化に戸惑いも隠せず。念願の北方領土返還は期待できるのか?

更新日: 2017年06月18日

egawomsieteさん

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■北方領土への初の空路墓参、濃霧で19日に延期

4月の日露首脳会談の合意による、18日に予定されていた北方領土の国後、択捉両島への航空機を使った初めての墓参は、到着地の国後・メンデレーエフ空港の霧が濃く、航空機が着陸できないため、19日に延期された。

航空機による墓参は、元島民ら計70人を乗せたチャーター機が中標津空港(北海道中標津町)から出発し、国後、択捉の空港を順に周り、元島民らは両島の墓地など計5か所を訪れる計画。

 旅券や査証(ビザ)なしに北方領土を航空機で訪れるのは2000年の「ビザなし交流」以来2回目で、墓参では初めて。

 船による墓参は片道数時間かかり、高齢の元島民には負担が大きかった。空路墓参は体力的負担に配慮した実施で、元島民らは負担軽減につながると歓迎している。

■ロシア、領土問題で態度軟化せず 「米国の同盟国」に向ける目は厳しい?

27日の日露首脳会談は、北方四島での共同経済活動や元島民の往来、北朝鮮情勢に関する協議が中心で、プーチン露大統領が領土問題での態度を軟化させることはなさそうだ。

来年3月に大統領選を控える中、ロシア側では首相の退陣を求める世論が強まるなど、政権の安定度に疑問符が付きつつある。北朝鮮やシリアをめぐる問題でも、ロシアが「米国の同盟国」である日本に向ける目は厳しい。

 プーチン政権は、北方四島が「第二次大戦の結果としてロシア領になった」とする主張を全く緩めていない。ロシア経済の低迷を受けて四島での共同経済活動には積極的だが、政権内では「ロシアの法制に則って行うべきだ」との声も根強い。ロシア側は法制面の「枠組み」づくりよりも、具体的事業を選定し、既成事実をつくることに重点を置いて交渉に臨んできた。

 その一方で、ロシアは北方領土の実効支配をいっそう強化している。国後、択捉両島では軍の新駐屯地建設が活発に進み、サハリン(樺太)と北方領土を結ぶ光ファイバー回線の海底敷設事業も中国企業を交えて始まった。露極東の土地を国民に無償分与する新法が国後、択捉、色丹各島にも適用され、区画譲渡の手続きが進められている。

プーチン大統領の支持率は2014年3月のクリミア併合以降、8割超とされる水準を維持している。だが、国民多数派が大歓迎したクリミア併合という“カンフル剤”の効果はもはや消え、経済問題や腐敗に対する国民の不満がメドベージェフ首相や閣僚、地方当局に向けられつつある。

 3月下旬には、反政権派指導者、ナワリヌイ氏が首相の不正蓄財疑惑をめぐって呼びかけた主要都市でのデモに数万人が参加。最新の世論調査では、首相の辞任に賛成だとの回答が45%にのぼった。大統領選が近づくにつれて内政が流動化する可能性は高く、プーチン政権が北方領土問題で「譲歩」する要因は乏しい。

 露政権は北朝鮮問題について、核・ミサイル開発は容認できないとの立場だ。ただ、日米韓の「圧力」が北朝鮮を強硬姿勢に追い込んでいると見ており、米国のシリア攻撃以後は特に、米国が日韓での軍備増強や北朝鮮攻撃に動くことに警戒を強めている。プーチン政権は北朝鮮との友好関係を維持する方針で、日米などと建設的な接点を見いだせるかは未知数だ。

■ロシア、北方領土の島に軍人の名を命名

北方領土の歯舞群島の島の一つに、ロシア側が第二次世界大戦終結時、日本の降伏文書に署名したロシア軍人の名をつけたことが明らかになりました。

 タス通信によりますと、ロシアのメドベージェフ首相が千島列島や北方領土で名前がついていなかった5つの島に対して、ロシア名をつける指示書に署名したということです。そのうちの一つは、歯舞群島の秋勇留島付近の島で第二次大戦終結時、日本の降伏文書に署名したロシア側代表の、デレビヤンコ将軍の名がつけられたということです。

 島の命名については、2010年からサハリン州議会で検討されてきましたが、現在、北方領土での日ロ共同経済活動の公式協議を行う準備が進められているなかで改めて、ロシア側の実効支配が強調された形です。

■麻薬蔓延、武器横流し…「北方4島」共同経済活動の難しすぎる大前提

約1万7000人のロシア人が居住する北方4島の治安状態は現在、悪化の一途を辿っている。

 ロシア極東事情に詳しいジャーナリストが言う。

「ウラジオストクから運ばれてくる麻薬が蔓延しています。ロシア本土より監視の目が緩いことから格好の取引場所となっており、密売人たちに重宝がられているためです。また、択捉島にあるロシア軍基地から横流しされた武器を市民が所有していて、それを使っての犯罪も横行。道路事情も悪く、悲惨な交通事故が地元紙の紙面をよく飾っています。警察などの役人たちの間では、横領や賄賂が常習化しています」

それに加えて今回の合意によって、さらなる難問が覆いかぶさることになる。

 時事通信元モスクワ支局長で、拓殖大学教授の名越健郎氏の話。

「当然のことながら企業が他国に進出する場合、従業員はその国の法律で裁かれます。しかし、日露双方が主権を訴えている北方4島においてはそうはいかない。もし日本人が現地で罪を犯した場合、日本とロシア、どちらの法で裁くのか。ロシア側は当然、自国の法律で裁くことを望むのでしょうが、それを呑めば、日本が北方領土内でのロシアの主権を認めることに他ならない。一方、日本人だけに治外法権を認めてもらうということにしても、それはロシア支配下での“お願い”になり、日本が是認できる話ではないのです」

この難しい案件をクリアするためには、日露両国が合意の上で4島を特区化し、そこだけに通用する独自の法律を共同で整備していくことが必要となる。しかし、

「独自の法整備なんて口で言うほど簡単な話ではない」

 とは、ロシア情勢に詳しいユーラシア21研究所理事長の吹浦忠正氏。

「例えば道路交通法ひとつとっても、北方領土で走っている車は大半が日本製でもちろん同じ右ハンドルですが、道路は日本とは逆に右側通行。警察などが大変でしょうね。こうした事例が他にも山のように存在しているわけです。文化の異なる国同士が議論して新たな法体系を築きあげることは世界的に例がなく、多大な労力と途方もない時間がかかるでしょうね」

 治安という現問題に、法整備という新問題。とても効率よく“経済的”に進むとは思えないのだ。

■「重要な一歩になりうる」領土問題進展は?

15日と16日に行われた日露首脳会談。共同会見で安倍首相は北方領土問題について、「重要な一歩になりうる」と自信を見せた。食事も含め約6時間にわたった会談で、どんなやり取りがあったのか。

 日露首脳会談の最大の焦点は「北方領土問題」。北海道の北東部に位置し、択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島の4つの島からなる北方領土。これまで日本は「固有の領土」として返還を求めてきた。

 一方、プーチン大統領が交渉の基礎としているのは「歯舞群島と色丹島の2島を日本に引き渡す」とした60年前の「日ソ共同宣言」。しかし、「引き渡しの条件や主権については書かれていない」として、仮に2島を日本に引き渡したとしても日本の領土にはならない可能性に度々言及していた。

交わらない両国の主張。その状況を打開するために安倍首相が打ち出したのが「新しいアプローチ」だった。経済協力を中心に協議し、領土問題を同時並行で進めながら、平和条約締結を目指すやり方とみられる。

 その目玉として、日本とロシアが共同で北方領土の開発や経済振興などを行う「共同経済活動」などが検討されてきた。

 日露首脳会談が行われた後の共同会見で、安倍首相は「新たなアプローチに基づき、今回、4島において共同経済活動を行うための特別な制度について、交渉を開始することで合意しました。これは平和条約の締結に向けた重要な一歩であります」と述べた。

北方領土での共同経済活動を、日露両国がそれぞれの主権を侵害しない形で行っていくことを明らかにした安倍首相。その上で「平和条約の締結に向けた重要な一歩だ」と強調した。

 プーチン大統領も「今回、安倍首相は南クリル諸島(北方領土)で共同経済活動を提案してくださいました。私はこれを支持し、共同経済活動が平和条約締結に向かうことだと信じています」と述べた。

 また、共同経済活動を日本とロシア、どちらの法律の下で行うのかについて、安倍首相は「どちらの立場も害さない」とした上で、今後、その方法について協議を始めていくことで合意したという。

一方、プーチン大統領は領土問題交渉におけるロシア側の懸念も表明した。

 「ウラジオストクとその北部に基地があります。そこから私たちは太平洋地域に出港するわけです。日米安保条約で日本とアメリカがどのように対処するのか、私たちには分かりません。日本の仲間のみなさんには、ロシア側が感じている不安を理解してほしい」


 北方領土がロシアの安全保障にとって重要な位置付けであることに理解を求めたプーチン大統領。日米同盟の下に、北方領土がアメリカ軍の影響下に置かれることを警戒しているものとみられる。

この共同会見を、北方領土の元島民はどのように受け止めたのか。国後島出身の原カツさん(90)は、静かにテレビを見守っていた。

 「ちっとも進歩がないんじゃないかなと思いますよ。日本にとってはいいことは、1つもないでしょう」

22歳の時に国後島から引きあげた原さん。なかなか進まない領土交渉に複雑な思いを隠せない。

 「1回や2回の会合では大変ですけど、何回もこういう会談をするたびに、少しずつは良くなっていくでしょうね」

 プーチン大統領への手紙を安倍首相に託していた元島民たちは…

 千島歯舞諸島居住者連盟・脇紀美夫理事長「安倍首相が元島民の思いを胸に抱いて交渉にあたってくれたと。そのことについては評価したい」

 一方で、領土問題の具体的なスケジュールが示されなかったことについては「さらに粘り強く交渉を重ねることにより、1日も早く4島の返還を実現することを期待している」と語った。

一方、現在、約3000人のロシア人が生活している北方領土の色丹島でも、ロシアのニュース番組が共同会見の様子を放送していた。

 「東京ではプーチン大統領と安倍首相の交渉が終了しました。投資分野での新たな合意について話し合われました」

 最初に北方領土問題ではなく、経済協力の合意内容について、伝えていた。

 ニュースを見ていた島民は…

 「(共同経済活動で)色丹島は変わってよくなるんじゃないでしょうか」「でも絶対に島は渡さない。共同で、ロシアの条件で」

 「平和条約のない異常な状態に私たちの手で終止符を打つことを確認した」と強調した安倍首相。今回、大きな進展がみられなかった北方領土問題。これからも難しい交渉が続く。

■「互いの主権害さず」…4島経済活動、文書に

安倍首相とロシアのプーチン大統領は16日午後、首相官邸で前日に続いて日露首脳会談を行い、北方領土での「共同経済活動」に関し、「特別な制度に基づき、両国の主権を害さない」とする文書を発表する。

 文書では、領土問題解決を含む平和条約締結につながる「重要な一歩」として共同経済活動を位置付ける。平和条約の締結を目指す両首脳の決意も盛り込まれる見通しだ。

 共同経済活動について日本政府は従来、「日本の法的立場を損なわない仕組み」を求めてきた。文書に、両国の主権を害さないとの表現を盛り込むのは、日本側の主張に沿ったもので、今後、事務レベルでの詳細な制度設計が課題となる。ロシアのウシャコフ大統領補佐官は15日、「基本的にはロシアの法律に基づく」と語ったが、日本政府関係者は「ロシアの法律を無視した制度ではないが、日本の法律に合わせ適用除外などを作る」と説明する。

■ロシア、領土で譲らず=「信頼醸成」で経済協力優先-日ロ首脳会談

北方領土問題を含む平和条約締結交渉が焦点となった15日の日ロ首脳会談で、ロシアのプーチン大統領は北方四島の帰属問題で譲歩しなかったもようだ。ロシア高官は両首脳が北方領土での共同経済活動の協議開始に関する文書の内容で合意したと表明。一方で北方領土は「ロシアの領土」で、共同経済活動はロシアの法律に基づいて行われるとの認識を示した。大統領も首脳会談で同様の立場を示したとみられる。

大統領は9月に安倍晋三首相が出席したウラジオストクの経済フォーラムで、領土問題解決の必要性を訴え、安倍首相との信頼関係を強調。しかし、ロシアに歩み寄りの姿勢を見せるトランプ次期米大統領の下、米ロ関係の改善が見込まれるなど最近の国際情勢の変化を受け、北方領土交渉については慎重姿勢に転じたもようだ。大統領報道官は15日、首脳会談で北方領土の主権問題は議題に上らなかったと主張。領土問題は議論の対象外であると日本側をけん制する狙いがあるとみられる。一方で大統領は「信頼醸成」の名目で日ロの経済協力を重視する姿勢を鮮明にしている。
 ロシア大統領府は首脳会談の2日前の13日に大統領と一部日本メディアのインタビューを公表。この中でウクライナ危機をめぐる対ロ制裁について「日本は制裁に加わった。制裁を受けたまま、どうやって経済関係を発展させられるだろうか」と日本の対応を批判。ロシアに領土問題は存在しないと主張し、「ロシアとの間に領土問題があると考えているのは日本だ」と突き放した。首脳会談前の対日けん制の意図は明白だ。

こうした発言の背景には、トランプ次期大統領が、プーチン氏が期待するような新政権の人事を行い、米ロ関係の改善が見込まれることがある。トランプ氏は国務長官に米石油大手エクソンモービルのティラーソン会長を指名。ティラーソン氏はプーチン氏と親交があり、ロシアで石油ビジネスに関与してきたことから、対ロ制裁の緩和にも前向きとみられる。
 制裁で経済が低迷するロシアは、北方領土交渉に応じる態度を見せることで日本から制裁網を切り崩そうとしていたが、米ロ関係が改善すれば日本に譲歩する必要性は低下する。
 また、プーチン大統領からは最近、「ロシアと中国の関係を戦略的パートナーシップに位置付けている」「ロシアが中国とこれほどの信頼関係を持ったことはかつてなかった」など中ロの蜜月ぶりを強調する発言が目立つ。領土問題の解決と併せて中国けん制の狙いを持ってロシアに接近する日本の意図を見透かし、揺さぶりをかけている。

■<日露会談>共同経済活動交渉入り合意…首相「特別な制度」

安倍晋三首相は15日、ロシアのプーチン大統領と山口県長門市の温泉旅館で会談した。両首脳は、北方領土での共同経済活動の実現に向けた具体的な交渉に入ることで合意。16日に共同で記者会見して発表する。元島民らが査証(ビザ)なしで北方領土に渡航できる「自由訪問」も拡充する見通しとなった。

ロシア側の説明によると、共同経済活動の分野として漁業、観光、医療、環境などを想定。16日にこうした内容を盛り込んだ文書を発表する調整に入った。日本側は、共同経済活動で日本企業が北方領土に進出することで、領土問題解決の糸口にしたい考えだ。

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