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果たして返還なるのか?知られざる北方領土の実態と裏側

機運高まる北方領土の返還ですが、露骨なやり方が目立つロシアを信用できるかどうか?経済協力だけしての食い逃げ懸念や今や全く状況が変わっている北方領土内の変化に戸惑いも隠せず。念願の北方領土返還は期待できるのか?

更新日: 2017年09月16日

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egawomsieteさん

■北方領土に光ファイバー ロシア、来年6月に敷設工事開始

ロシア政府系の通信大手ロステレコムのオセエフスキー社長は15日までに、極東サハリンと北方領土の択捉、国後、色丹の3島を結ぶ海底光ファイバー敷設工事が2018年6月に始まると明らかにした。工事が予定通り進めば、島民は同年末には高速インターネットを利用できる見込み。タス通信が報じた。

 オセエフスキー氏によると、敷設に向けた海底、陸上の調査は既に完了。現在は敷設工事の業者選定の入札が行われており、中国の通信大手、華為技術の子会社か、フィンランドの通信機器大手、ノキアの子会社のいずれかと今月中に契約を結ぶ予定という。

■露首相、北方領土をロシアの経済特区に指定

ロシアのメドベージェフ首相は23日、訪問先の露極東ユジノサハリンスクで、北方領土に経済特区を設置する文書に署名した。イタル・タス通信が伝えた。露政府によると、特区は色丹島の斜古丹(ロシア名・マロクリリスコエ)に設置される。露側の特区設置は、日露が交渉中の北方四島での共同経済活動と矛盾しかねず、日本の反発は必至だ。

経済特区はロシアが極東などで進める経済振興策で、税制優遇や行政手続きの簡素化などを通じ、企業進出を促進する制度。極東の経済情勢に詳しい日本の関係筋は「日本側の対応を見定めつつ、北方領土の他の地域にも設置する可能性がある」と指摘した。

 昨年12月の日露首脳会談での合意を受け、両国は現在、双方の法的立場を害さない「特別な制度」の下での北方領土での共同経済活動の実現に向け交渉を進めている。ロシアの法律に基づく経済特区は、共同経済活動の枠組みと矛盾しかねず、ロシアによる北方領土への管轄権を認めることにもつながりかねない。色丹島は、1956年の日ソ共同宣言で平和条約締結後に日本側に引き渡すとされた島で、今回の措置は日本の領土返還交渉をさらに困難にさせる可能性もある。

 7月にトルトネフ露副首相が北方領土の特区指定を表明した際に、菅義偉官房長官は「わが国の法的立場を害さないことが大前提であることは変わりはない」と述べ、強い警戒感を示していた。

露メディアによるとガルシカ極東発展相は「日本との共同経済活動をめぐる協議の結果が出るまで(四島の)住民生活が変化しなくてよいという意味ではない」と述べ、特区設置を正当化した。

 9月に露極東ウラジオストクで予定される日露首脳会談では、共同経済活動が主要議題になる予定。日露は今月17日、モスクワで外務次官級協議を開催し、具体的事業の絞り込みを行うなど首脳会談に向けた詰めの作業を行っており、今回の露側の動きをめぐり、日本は対応に苦慮しそうだ。

 北方領土への特区設置についてカーネギー財団モスクワ・センターのガブエフ氏は「日本との協力は、あくまでもロシア法に基づき実施するとの露政府の意思の表れ」と指摘し、法的枠組みをめぐり妥協しない露側の姿勢の表れとの見方を示す。別のロシアの専門家は、共同経済活動が北方領土での日本のプレゼンスを高めかねないとして、軍や治安当局から警戒の声が上がっていると述べている。

■北方領土への初の空路墓参、濃霧で19日に延期

4月の日露首脳会談の合意による、18日に予定されていた北方領土の国後、択捉両島への航空機を使った初めての墓参は、到着地の国後・メンデレーエフ空港の霧が濃く、航空機が着陸できないため、19日に延期された。

航空機による墓参は、元島民ら計70人を乗せたチャーター機が中標津空港(北海道中標津町)から出発し、国後、択捉の空港を順に周り、元島民らは両島の墓地など計5か所を訪れる計画。

 旅券や査証(ビザ)なしに北方領土を航空機で訪れるのは2000年の「ビザなし交流」以来2回目で、墓参では初めて。

 船による墓参は片道数時間かかり、高齢の元島民には負担が大きかった。空路墓参は体力的負担に配慮した実施で、元島民らは負担軽減につながると歓迎している。

■ロシア、領土問題で態度軟化せず 「米国の同盟国」に向ける目は厳しい?

27日の日露首脳会談は、北方四島での共同経済活動や元島民の往来、北朝鮮情勢に関する協議が中心で、プーチン露大統領が領土問題での態度を軟化させることはなさそうだ。

来年3月に大統領選を控える中、ロシア側では首相の退陣を求める世論が強まるなど、政権の安定度に疑問符が付きつつある。北朝鮮やシリアをめぐる問題でも、ロシアが「米国の同盟国」である日本に向ける目は厳しい。

 プーチン政権は、北方四島が「第二次大戦の結果としてロシア領になった」とする主張を全く緩めていない。ロシア経済の低迷を受けて四島での共同経済活動には積極的だが、政権内では「ロシアの法制に則って行うべきだ」との声も根強い。ロシア側は法制面の「枠組み」づくりよりも、具体的事業を選定し、既成事実をつくることに重点を置いて交渉に臨んできた。

 その一方で、ロシアは北方領土の実効支配をいっそう強化している。国後、択捉両島では軍の新駐屯地建設が活発に進み、サハリン(樺太)と北方領土を結ぶ光ファイバー回線の海底敷設事業も中国企業を交えて始まった。露極東の土地を国民に無償分与する新法が国後、択捉、色丹各島にも適用され、区画譲渡の手続きが進められている。

プーチン大統領の支持率は2014年3月のクリミア併合以降、8割超とされる水準を維持している。だが、国民多数派が大歓迎したクリミア併合という“カンフル剤”の効果はもはや消え、経済問題や腐敗に対する国民の不満がメドベージェフ首相や閣僚、地方当局に向けられつつある。

 3月下旬には、反政権派指導者、ナワリヌイ氏が首相の不正蓄財疑惑をめぐって呼びかけた主要都市でのデモに数万人が参加。最新の世論調査では、首相の辞任に賛成だとの回答が45%にのぼった。大統領選が近づくにつれて内政が流動化する可能性は高く、プーチン政権が北方領土問題で「譲歩」する要因は乏しい。

 露政権は北朝鮮問題について、核・ミサイル開発は容認できないとの立場だ。ただ、日米韓の「圧力」が北朝鮮を強硬姿勢に追い込んでいると見ており、米国のシリア攻撃以後は特に、米国が日韓での軍備増強や北朝鮮攻撃に動くことに警戒を強めている。プーチン政権は北朝鮮との友好関係を維持する方針で、日米などと建設的な接点を見いだせるかは未知数だ。

■ロシア、北方領土の島に軍人の名を命名

北方領土の歯舞群島の島の一つに、ロシア側が第二次世界大戦終結時、日本の降伏文書に署名したロシア軍人の名をつけたことが明らかになりました。

 タス通信によりますと、ロシアのメドベージェフ首相が千島列島や北方領土で名前がついていなかった5つの島に対して、ロシア名をつける指示書に署名したということです。そのうちの一つは、歯舞群島の秋勇留島付近の島で第二次大戦終結時、日本の降伏文書に署名したロシア側代表の、デレビヤンコ将軍の名がつけられたということです。

 島の命名については、2010年からサハリン州議会で検討されてきましたが、現在、北方領土での日ロ共同経済活動の公式協議を行う準備が進められているなかで改めて、ロシア側の実効支配が強調された形です。

■麻薬蔓延、武器横流し…「北方4島」共同経済活動の難しすぎる大前提

約1万7000人のロシア人が居住する北方4島の治安状態は現在、悪化の一途を辿っている。

 ロシア極東事情に詳しいジャーナリストが言う。

「ウラジオストクから運ばれてくる麻薬が蔓延しています。ロシア本土より監視の目が緩いことから格好の取引場所となっており、密売人たちに重宝がられているためです。また、択捉島にあるロシア軍基地から横流しされた武器を市民が所有していて、それを使っての犯罪も横行。道路事情も悪く、悲惨な交通事故が地元紙の紙面をよく飾っています。警察などの役人たちの間では、横領や賄賂が常習化しています」

それに加えて今回の合意によって、さらなる難問が覆いかぶさることになる。

 時事通信元モスクワ支局長で、拓殖大学教授の名越健郎氏の話。

「当然のことながら企業が他国に進出する場合、従業員はその国の法律で裁かれます。しかし、日露双方が主権を訴えている北方4島においてはそうはいかない。もし日本人が現地で罪を犯した場合、日本とロシア、どちらの法で裁くのか。ロシア側は当然、自国の法律で裁くことを望むのでしょうが、それを呑めば、日本が北方領土内でのロシアの主権を認めることに他ならない。一方、日本人だけに治外法権を認めてもらうということにしても、それはロシア支配下での“お願い”になり、日本が是認できる話ではないのです」

この難しい案件をクリアするためには、日露両国が合意の上で4島を特区化し、そこだけに通用する独自の法律を共同で整備していくことが必要となる。しかし、

「独自の法整備なんて口で言うほど簡単な話ではない」

 とは、ロシア情勢に詳しいユーラシア21研究所理事長の吹浦忠正氏。

「例えば道路交通法ひとつとっても、北方領土で走っている車は大半が日本製でもちろん同じ右ハンドルですが、道路は日本とは逆に右側通行。警察などが大変でしょうね。こうした事例が他にも山のように存在しているわけです。文化の異なる国同士が議論して新たな法体系を築きあげることは世界的に例がなく、多大な労力と途方もない時間がかかるでしょうね」

 治安という現問題に、法整備という新問題。とても効率よく“経済的”に進むとは思えないのだ。

■「重要な一歩になりうる」領土問題進展は?

15日と16日に行われた日露首脳会談。共同会見で安倍首相は北方領土問題について、「重要な一歩になりうる」と自信を見せた。食事も含め約6時間にわたった会談で、どんなやり取りがあったのか。

 日露首脳会談の最大の焦点は「北方領土問題」。北海道の北東部に位置し、択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島の4つの島からなる北方領土。これまで日本は「固有の領土」として返還を求めてきた。

 一方、プーチン大統領が交渉の基礎としているのは「歯舞群島と色丹島の2島を日本に引き渡す」とした60年前の「日ソ共同宣言」。しかし、「引き渡しの条件や主権については書かれていない」として、仮に2島を日本に引き渡したとしても日本の領土にはならない可能性に度々言及していた。

交わらない両国の主張。その状況を打開するために安倍首相が打ち出したのが「新しいアプローチ」だった。経済協力を中心に協議し、領土問題を同時並行で進めながら、平和条約締結を目指すやり方とみられる。

 その目玉として、日本とロシアが共同で北方領土の開発や経済振興などを行う「共同経済活動」などが検討されてきた。

 日露首脳会談が行われた後の共同会見で、安倍首相は「新たなアプローチに基づき、今回、4島において共同経済活動を行うための特別な制度について、交渉を開始することで合意しました。これは平和条約の締結に向けた重要な一歩であります」と述べた。

北方領土での共同経済活動を、日露両国がそれぞれの主権を侵害しない形で行っていくことを明らかにした安倍首相。その上で「平和条約の締結に向けた重要な一歩だ」と強調した。

 プーチン大統領も「今回、安倍首相は南クリル諸島(北方領土)で共同経済活動を提案してくださいました。私はこれを支持し、共同経済活動が平和条約締結に向かうことだと信じています」と述べた。

 また、共同経済活動を日本とロシア、どちらの法律の下で行うのかについて、安倍首相は「どちらの立場も害さない」とした上で、今後、その方法について協議を始めていくことで合意したという。

一方、プーチン大統領は領土問題交渉におけるロシア側の懸念も表明した。

 「ウラジオストクとその北部に基地があります。そこから私たちは太平洋地域に出港するわけです。日米安保条約で日本とアメリカがどのように対処するのか、私たちには分かりません。日本の仲間のみなさんには、ロシア側が感じている不安を理解してほしい」


 北方領土がロシアの安全保障にとって重要な位置付けであることに理解を求めたプーチン大統領。日米同盟の下に、北方領土がアメリカ軍の影響下に置かれることを警戒しているものとみられる。

この共同会見を、北方領土の元島民はどのように受け止めたのか。国後島出身の原カツさん(90)は、静かにテレビを見守っていた。

 「ちっとも進歩がないんじゃないかなと思いますよ。日本にとってはいいことは、1つもないでしょう」

22歳の時に国後島から引きあげた原さん。なかなか進まない領土交渉に複雑な思いを隠せない。

 「1回や2回の会合では大変ですけど、何回もこういう会談をするたびに、少しずつは良くなっていくでしょうね」

 プーチン大統領への手紙を安倍首相に託していた元島民たちは…

 千島歯舞諸島居住者連盟・脇紀美夫理事長「安倍首相が元島民の思いを胸に抱いて交渉にあたってくれたと。そのことについては評価したい」

 一方で、領土問題の具体的なスケジュールが示されなかったことについては「さらに粘り強く交渉を重ねることにより、1日も早く4島の返還を実現することを期待している」と語った。

一方、現在、約3000人のロシア人が生活している北方領土の色丹島でも、ロシアのニュース番組が共同会見の様子を放送していた。

 「東京ではプーチン大統領と安倍首相の交渉が終了しました。投資分野での新たな合意について話し合われました」

 最初に北方領土問題ではなく、経済協力の合意内容について、伝えていた。

 ニュースを見ていた島民は…

 「(共同経済活動で)色丹島は変わってよくなるんじゃないでしょうか」「でも絶対に島は渡さない。共同で、ロシアの条件で」

 「平和条約のない異常な状態に私たちの手で終止符を打つことを確認した」と強調した安倍首相。今回、大きな進展がみられなかった北方領土問題。これからも難しい交渉が続く。

■「互いの主権害さず」…4島経済活動、文書に

安倍首相とロシアのプーチン大統領は16日午後、首相官邸で前日に続いて日露首脳会談を行い、北方領土での「共同経済活動」に関し、「特別な制度に基づき、両国の主権を害さない」とする文書を発表する。

 文書では、領土問題解決を含む平和条約締結につながる「重要な一歩」として共同経済活動を位置付ける。平和条約の締結を目指す両首脳の決意も盛り込まれる見通しだ。

 共同経済活動について日本政府は従来、「日本の法的立場を損なわない仕組み」を求めてきた。文書に、両国の主権を害さないとの表現を盛り込むのは、日本側の主張に沿ったもので、今後、事務レベルでの詳細な制度設計が課題となる。ロシアのウシャコフ大統領補佐官は15日、「基本的にはロシアの法律に基づく」と語ったが、日本政府関係者は「ロシアの法律を無視した制度ではないが、日本の法律に合わせ適用除外などを作る」と説明する。

■ロシア、領土で譲らず=「信頼醸成」で経済協力優先-日ロ首脳会談

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