1. まとめトップ

【クルマのウンチク】 ライトが照らし出す未来

クルマの中では、決して本質ではない「ヘッドライト」。だがいつも写真で見るクルマの中では圧倒的な主役の地位を占める。なぜなら、それがクルマの「目」だからだ。実は、このヘッドライトこそ、未来に向けて大きく変わろうとしているパーツのひとつだった

更新日: 2016年12月29日

2 お気に入り 5893 view
お気に入り追加

この記事は私がまとめました

▼もし、クルマのランプがなかったら夜間走行などできませんでした

【自動車ライトを大きく進化させたシールドビーム※】
あのGEなどが参加して開発したシールドビームライト。写真は1951年のものだが、各種ランプを搭載してテストを試みていた。

※レンズおよびリフレクター(反射板)を組み込んだ白熱電球のことである。 発光フィラメントと不活性ガスを充填した点では従来の白熱電球と同じ構造であるが、光線を一方向へ向けるために電球の一部に反射板を設けたもの

▼では、ヘッドランプの歴史

ヘッドランプの登場は1909年と今から約100年前。そこから徐々に形を変え、1939年にアメリカで最初に登場したシールドビームから車にも普及するようになった。このシールドビームは、現在のヘッドライトバルブとして認識しているものとは違い、ヘッドランプ全体が大き な電球(発光体)となっている。つまり、バルブが切れたらバルブのみを交換すればいいわけではなかった。ヘッドランプ全体をユニットごと交換していたのだ。その後、
➝ハロゲンバルブの登場
➝HID(ディスチャージ or キセノン)
➝LEDへと進化していく。

戦後、米国製のジープに装着されたオールグラス・シールドビームの明るさは画期的であり、この普及を見越して、第一段階として1950年8月にセミ・シールド・ビーム・ヘッドランプを開発した。その小糸製作所は、今日、自動車照明機器では世界のトップシェアを誇るという

「ランプは明るさを求めてきた」。しかし、明るければ明るいほどいいといっても、それは均一の明るさの場合であって、暗闇のなかの10ルクスと、ギラギラする明るさのなかの10ルクスとでは、見え方がまったくちがう。

明るさと言っても、「光度」と「照度」の基本を私たちは知らない。光度はランプの明るさで、単位はカンデラ(cd)。それに対してライトが浮かびあがらせる明るさが照度で、これはルクス(lx)。もはやこの段階でついていけない。つまり、車のライトを理解するだけでも、非常に多くの「うんちく」が必要になるのだ

クルマのヘッドライトには安全性を考えて、白熱電球は使用されない。ヘッドライトはレンズと反射鏡、電球の3つのパートから成り立っている。この3つが一体になり、中にガスが封入されているものをシールドビームタイプという。その後、球切れを起こした場合の、電球部分だけの交換を考えて登場したのがセミシールドビームだった。他方、ディスチャージは仕組みが違う。フィラメントを持っておらず、キセノンガスが封入されたバルブの中の電極間の放電現象によって発光する。どちらかというと蛍光灯の仕組みに似ている。

▼最も古いランプは、実は「燃えていた」?

当時、最初の自動車ランプはランタンに反射鏡がついただけのもので、レンズすらなかったので、光は散らばってしまった。アセチレンランプは鉱業用でも知られているものだったが、副産物が生じるなどの問題が厄介だった

出典carnny.jp

20世紀初頭、ヘッドライトは主に石油を燃料としていた。パラフィンランプを中心に、反射鏡などを利用してなるべく明るく夜道を照らすために改良を重ねていたのだ。その後に登場したアセチレンランプは、炭化カルシウムを利用してアセチレンを燃焼させる単純な仕組みだった。これで小型化に成功し、普及するかに見えた。しかし1920年代頃、光源の主流が火から電球に変わった。こうして白熱電球を用いた電気式ヘッドライトの時代に移って行く

出典car-me.jp

日本ではじめてヘッドライトが採用されたのは、1914年に快進社自働車工場が開発したダット2号。1909年ごろにロールスロイスやグレゴワールが生み出した電気式ヘッドライトを使用したこの車は大正博覧会で銅牌を受賞している。その後、50年代のヘッドランプといえばシールドビームに変わり、そして現在主流のヘッドライトHIDが登場する。市販車のヘッドライトに初めてLEDが標準装備されたのはレクサスLS600hから。値段がネックになっている。

最初のヘッドランプは、炭化カルシウムと水を反応させることで発生するアセチレンを燃焼させて光源として利用していた。その後すぐに電気式ヘッドランプに取って代わられる。丸いヘッドランプの代表格ともいえるシールドビーム式は、白熱電球が大きくなったものだ。北米では、大きさまで規定し、全車に共通して搭載することが義務付けられていた。1980年以降はハロゲンランプが多く採用されるようになった。白熱電球との主な違いは、電球内部に封入されている不活性ガスにハロゲンガスが含まれていること。これによって劇的に寿命が伸び、今でも純正ヘッドランプの主流となっている。

▼未来をみすえる新しいヘッドライト

現在、世界における自動車のヘッドライト光源はハロゲンバルブが全体80%を占めている。残りの20%弱がキセノンバルブとなり、LEDなどそれ以外の光源は数%だ。今後はまず、コスト的に課題のあるキセノンバルブの市場がLEDに置き換わっていくという。そして長期的にはやはりLEDに置き換わっていくとも予想されている。またLEDは、明るさなどの点で課題はあっても、デザインの自由度が格段に上がることでも重宝される。

これを見れば、ヘッドライトランプの歴史が一目瞭然!

’80年代のラリーがヤバすぎる!アウディはわりと灯火類の技術革新に力を入れている印象がある。つい最近も、アメリカのCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)でレーザーライトを搭載したコンセプトカーが発表されていた。そんなアウディが、自社が誇る灯火技術のアピールのために、ライトの歴史を振り返る動画を出している(上述2本等)。アウディの意図とはズレるのだが、この動画のなかで、途中に出てくるラリーの車載映像。おそらく1980年代。真っ暗闇の、全開走行しているクルマの前に人だかり。ちょっとヤバイでしょ

本稿では、2016年のモデルから、ベストのヘッドランプを列挙したと書かれている。見た目と、そして新しい技術を融合させたという観点で選んだという。まず、LEDランプは間違いなく普及していくだろうと、そしてレーザーライトも採用され始めたとも。

ヘッドライトに関する新しい技術が次々に発表されている。これまであったハロゲンやHID、LEDからさらに進化した「レーザーライト」が登場している。LEDより照射距離で2倍、明るさで5倍という驚異的な性能を誇る。何より、本体サイズは、LEDの1/100で済む。BMW M4では、図の写真のOLED(有機発光ダイオード)が採用されている。発光体をわずか1,4mmの薄さで作成可能に。そして寿命や発光効率の課題も解決されようとしている。本稿では、その制御技術の紹介もある。実は、その進化は、これからもう一段大きくなりそうなのだ

上述のまとめにふさわしい一覧。どちらかと言えば、さらに詳しい。

▼その他、「クルマのウンチク」シリーズです。

1