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羽田圭介新作「コンテクスト・オブ・ザ・デッド」その内容が示唆する事とは?

羽田圭介さんの新作、私も読んでいます。やはりメッセージ性の明確なのが彼の小説の特徴ですね。それも「さあ、一生懸命に頑張ろう」とか「家族と友人を大切に」みたいに(まあ、大事なことなんですが)陳腐で分り切ったことじゃないのが、いつも面白いです。新作面白いですよ。

更新日: 2016年11月29日

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ties.miraiさん

コンテクスト・オブ・ザ・デッド

「あなた、まだ、自分が生きていると思っているんですか?」

編集者の須賀は作家と渋谷で打ち合わせ中、スクランブル交差点で女の子を襲うゾンビを目撃する。各地で変質暴動者=ゾンビの出現が相次ぐ中、火葬されたはずの文豪たちまで甦り始め……。

デビュー10年目の極貧作家K、久しぶりに小説を発表した美人作家の桃咲カヲル、家族で北へ逃げる小説家志望の南雲晶、区の福祉事務所でゾンビ対策に追われるケースワーカーの新垣、ゾンビに噛まれてしまった女子高生の青崎希。

この世界で生き残れるのは誰なのか!? 芥川賞受賞で話題を攫った羽田圭介が現代日本を撃つゾンビ・サバイバル問題作!

「○○オブ・ザ・デッド」 ゾンビ小説?

映画ファンならすぐわかるように、この題名はいわゆる「ゾンビ映画」のパターンにのっとっており、実際この小説の舞台となる世界ではゾンビ(変質暴動者と呼ばれる)すなわち死んだまま蘇(よみがえ)った死者たちが街中をうろうろして生者を襲ったりしている。

本人が大好きだと言う“ゾンビ”がウヨウヨと登場するサバイバル巨編。
果たしはあなたはこの世界で生き残れるのか!?
羽田さんのこの時代、社会の見方、
はたまた、作家自身がそして出版社が生き残る為には
どうすればいいのか?
そのキーワードは、コンテクスト=文脈。

みんなの評論

たとえばこの本を読み終えたあなたが、人の感想を知りたくなってネットを開いたとする。そこで見た感想と自分の思ったことがあまりにかけ離れていたとき、あなたはどうするだろうか? もし咄嗟に他人と感想を擦り合わせようとしたなら、それは危険信号だ。あなたの皮膚が青く変色していないか、確認した方がいい。

「メタモル」「スクラップ」の「大多数の船に乗っかった豚のように安定を求めるやつらをアフォリズムを駆使してこき下ろす」スタイルでよりわかりやすく声高にそのテーマをぶん投げたのが本作。羽田圭介の集大成的作品。

「ゾンビ」で何が言いたいか?

お金があればとか芥川賞をとったら…とか世間で提示された幸せのモデルをよく自分の幸せだと思いがちですよね。でもそれはひかれた路線を淡々と進んでいるだけ」。そうした社会の「文脈=コンテクスト」に無自覚に乗っかり浮遊する登場人物が、次第に〈生きながら死んでいる〉ようなゾンビと重なって見えてくるから面白い。その文脈はときに異質な少数者を排斥する暴力にもなる。

羽田さんより

「書くことの大切さを今すごく感じてます。意識的に『小説家になろう』と思わないと、肩書のよく分からない下品な奴(やつ)になっちゃうんで」

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