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キャリア・アンカー ~キャリアを選択する上での価値観・欲求・動機・能力

自分のキャリア・アンカーを知っていないと、外部から与えられる外部誘因(報酬や肩書など)の誘惑に負けて、後になって不満を感じる

更新日: 2016年12月25日

mamekotoさん

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キャリア・アンカーとは

キャリア・アンカーとは、アメリカ合衆国の組織心理学者エドガー・シャインによって提唱された概念。

「キャリア・アンカー」とは、アメリカの組織心理学者エドガー・H・シャイン博士によって提唱されたキャリア理論の概念。個人がキャリアを選択する際に、自分にとって最も大切で、これだけはどうしても犠牲にできないという価値観や欲求、動機、能力などを指します。船の“錨”(アンカー:Anchor)のように、職業人生の舵取りのよりどころとなるキャリア・アンカーは、一度形成されると変化しにくく、生涯にわたってその人の重要な意思決定に影響を与え続けるとされています。

「アンカー」とは船の錨(イカリ)のことですが、錨がないと船は流されてしまうように、自分のキャリア・アンカーを知っていないと、外部から与えられる外部誘因(報酬や肩書など)の誘惑に負けて、後になって不満を感じるような就職や転職をしてしまうと言います。「これだと自分らしくない」と感じてしまい不満になってしまうそうです。
 よって、仕事に対する指向、動機、価値感、才能についての自覚をより明瞭に理解しておけば、キャリアにまつわる将来の意思決定はもっと容易になり、納得のいくものとなると言います。

この概念は、キャリア・カウンセラーの必修の概念となっており、また、キャリア適性の診断で企業内研修などでもよく使われています。

キャリアに関する自己イメージの3つの側面(3要素)

私たちは過去の経験や、周りの人からのフィードバックなどを通して、キャリアを決定するための基盤である自己イメージを作り上げていきます。キャリアに関する自己イメージには次の3つの側面があります。

(1)才能と能力
自分の才能、スキル、得意なことは何か。強み、弱みは何か。
(2)動機と欲求
自分の動機、欲求、人生で成し遂げたいことは何か。望むこと、望まないことは何か。
(3)態度と価値
人生やキャリアに関してどのように向き合っているか。自分の価値観は何か。

これらの自己イメージが、キャリア・アンカーを決定します。

キャリア・アンカーとは、キャリアに関する自己イメージをさし、次のような3つの側面があります。
能力:できること
欲求:やりたいこと
価値観:やるべきこと

シャインは、キャリア・アンカーをキャリアの形成における、「自覚された才能・動機・価値観の型」であるとしました。自分が本当に「やりたい」こと(目標・価値観)、「できる」こと(得意・好き)などについて、自分をよく認識し、理解し、イメージを持っていること。“can/ will/ must”とまとめることもできるでしょう。「仕事」は変わっていっても、自分という船がそこに係留されている地点は変わらないのです。

最近、キャリアを選択する場合の基本的な視点として、

できること
やりたいこと
やるべきこと
という3点が示されることが多いのですが、これはキャリア・アンカーの理論がベースになっているのです。

 キャリア・アンカーは、社会人になるまでは、学校教育に加えて、両親や兄弟姉妹などの働き方を見たり、聞いたり、あるいは学生時代のアルバイト経験などを通じてある程度形成されます。

 しかし、自分のキャリア・アンカーがより具体的に分かってくるのは、社会人として実際に仕事を経験してからです。20代のうちは、自分の適性がなかなか分からないもの。皆、さまざまな仕事にチャレンジして成功したり、失敗したりしながら、自分のキャリア・アンカーが少しずつ分かってくるのです。

3要素
(1)才能・能力:できること (can)
(2)動機・欲求:やりたいこと (will)
(3)態度・価値:やるべきこと (must)

キャリア・アンカーの8つのカテゴリー

キャリア・アンカーのカテゴリは以下の通り8種類があるとされている。

・TF(Technical/Functional Competence): 専門・職能別コンピタンス
・GM(General Managerial Competence): 全般管理コンピタンス
・AU(Autonomy/Independence): 自立・独立
・SE(Security/Stability): 保証・安定
・EC(Entrepreneurial Creativity): 起業家的創造性
・SV(Service/Dedication to a Cause): 奉仕・社会貢献
・CH(Pure Challenge): 純粋な挑戦
・LS(Lifestyle): 生活様式

シャイン氏は主なキャリア・アンカーを「全般管理コンピタンス」「専門・職能別コンピタンス」「保障・安定」「起業家的創造性」「自律と独立」「社会への貢献」「純粋なチャレンジ」「ワーク・ライフ・バランス」の8つに分類しました。

専門・職能別コンピタンス:
自分が得意としている専門分野や職能分野での能力発揮に満足感を覚える。

全般管理コンピタンス:
組織内の責任ある地位に立ち、自分の努力によって組織の成功に貢献し、その結果、高い収入を得ることに喜びを感じる。

自律・独立:
組織の規則や手順、規範に束縛されない。自分のやり方、自分のペース、自分の納得する仕事の標準を優先する。

保障・安定:
安全で確実、将来を予測でき、ゆったりとした気持ちで仕事をしたいという欲求を優先する。

起業家的創造性:
自身で新しい組織、製品、サービスを生み出して、新しい事業を起こし、存続させ、経済的に成功させたいと強く意識する。

奉仕・社会貢献:
なんらかの形で世の中をもっとよくしたいという欲求に基づいてキャリアを選択する。

純粋な挑戦:
不可能と思えるような障害を克服する。解決不能と思われてきた問題を解決する、極めて手強い相手に勝つことが成功。

生活様式:
個人、家族、キャリアのニーズをうまく統合したい(単なるバランス以上のもの)。

・専門を極めること
・人びとを動かすこと
・自律・独立して仕事ができること
・安定して心配なく仕事ができること
・絶えず、企業家として(あるいは、企業家のように)なにか新しいものを創造すること
・だれかの役に立ち、社会に貢献できること
・自分にしかできないことに挑戦し続けること
・仕事と家族やプライベートのバランスがとれるライフ・スタイルを実現すること

3つの要素と8つのカテゴリーの関係

シャインは、犠牲にすることができない3つの要素(コンピタンス、動機、価値観)が組み合わさり、8種類のカテゴリーが形成しました。どのような職種についても基本的に該当し、ほとんどの社会人は8カテゴリーのいずれかのどれかにあてはまります。

3つの要素については以下となります。

コンピタンス・・・能力。できること
動機・・・欲求、やりたいこと
価値観・・・やるべきこと

また、8種類のカテゴリーは、
1.専門・職能別・・・自分の技能・専門性が高まり、活用できること、
2.全般管理・・・組織の中で、責任のある役割を担うこと、
3.自立・独立・・・仕事を自分のやり方で仕切っていくこと、
4.保障・安定・・・会社の雇用保障などの経済的な安定のこと、
5.独創性・・・クリエイティブに新しいことを生み出す、自身が会社や事業を起こす機会、
6.奉仕・社会貢献・・・社会に貢献したり、奉仕したりすること、
7.純粋な挑戦・・・解決困難な問題に挑むこと、
8.ライフスタイル・・・個人的な欲求と家族・仕事とのバランスを調整することとなります。

この3つの要素を8種類のカテゴリーを参考にしてあてはめていくことによって、キャリア形成の基本事項が明確になり、的確にキャリアを積んでいくことができます。

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