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悪趣味ブームを作り上げた鬼畜系ライター「村崎百郎」

生まれつき神や悪魔の声が頭の中に聞こえてくるという「電波系」。「すかしきった日本の文化を下品のどん底に叩き堕とす」ため「鬼畜系」を名乗り、この世の腐敗に加速をかけようと「卑怯&卑劣」をモットーに日本一ゲスで下品なライター活動を始める。人の歴史が続く限りこの意識、村崎百郎は終わらない。

更新日: 2018年07月02日

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dougasetumeiさん

鬼畜系・電波系ライター「村崎百郎」

村崎百郎とはシベリア生まれの中卒工員を自称する正体不明の鬼畜系ライターである。

生まれつき「電波」を受信する特異体質であると自称し、狂気に満ちた特異なキャラクターと豊富な知識で書かれる秀逸かつ猟奇的な文章で「鬼畜系」の地位を築き「電波系」という言葉を定着させた。

1990年代のいわゆる悪趣味ブーム・鬼畜ブームにおいて「すかしきった日本の文化を下品のどん底に叩き堕とす」ことを目的に「鬼畜系」を名乗り、この世の腐敗に加速をかけるべく「卑怯&卑劣」をモットーに日本一ゲスで下品なライター活動を始める。

デビュー以来一貫して「自分は狂人だ」と宣言し続けていた村崎氏だったが、その文章は一見暴力的でありながら、実はすべての人間が胸に秘めている闇を抉り出していて痛快だった。

まともな人は誰一人として知らないけれど、
まともじゃない人は誰もが知ってる人。

メディアデビュー

1964年から2002年頃まで
青林堂が刊行していた漫画雑誌。

漫画界の極北に位置する伝説的な漫画雑誌であり「サブカルチャーの総本山」として漫画界の異才・鬼才をあまた輩出した。

1998年からは青林堂の系譜を引き継いだ青林工藝舎が事実上の後継誌『アックス』を隔月で刊行している。

『月刊漫画ガロ』1993年10月号の特集「夜、因果者の夜」で特殊漫画家の根本敬によるゴミ漁りのインタビューでメディアに初登場。

自らを「鬼畜系」「電波系」と称し日本一ゲスで下品なライターとして、ゴミを漁って他人のプライバシーを暴くダスト・ハンティングをはじめ様々な鬼畜活動を繰り広げた。

一つ目の三角頭巾で素顔を隠し、「俺は、気狂いだ!!」と狂気を丸出しにし、豊富な知識に裏打ちされた秀逸な文章で独特の地位を築きあげ、今も使われている「電波系」という言葉を定着させた、90年代サブカルシーンの立役者。

悪趣味ブームの到来を宣言した『ユリイカ/悪趣味大全』に村崎百郎は「ゲスメディアとゲス人間」と題したデビュー原稿を寄稿、これ以降「鬼畜ライター」として活動を本格化させる。

鬼畜系ムックの金字塔『危ない1号』『危ない28号』にも毎号登場し、コンビニ雑誌『GON!』から精神病理雑誌『imago』まで鬼畜思想を広く拡散、村崎は悪趣味ブームの中心的存在になっていく。

次々と鬼畜本を出版

異界からの電波を受信してしまう人々や妄想的な怪文書の類をまとめて体系的に扱った一冊。思い込みと妄想による確信だけを根拠に活動する電波な人々の生態に目を背けたい人には全く必要のない本。

以下《帯紹介文》より

「聖なる啓示から陰謀告発まで…異界からのメッセージを脳で受信する特別な人々『電波系』。1000の電波を受信するモノホンの電波系鬼畜ライター村崎百郎と、因果者/電波人間探訪の権威にして特殊漫画大統領こと根本敬の悪夢の共宴による妄想幻魔大戦。オール・ザッツ・電波系」

鬼畜電波ライターの村崎百郎と
特殊漫画家の根本敬との共著です。

はっきり言って、イかれてます。
完全にあっち側の人の告白本です。

この本を手に取るような方は社会常識的に余りまともな感性の人種ではないと思いますが、そういう日陰の、人生がマイナーそのものみたいな人々には本書はある種の癒しをもたらすでしょう。

第二次世界大戦でユダヤ人六〇〇万人を虐殺したヒトラーは何を隠そうこの俺である。罪もない民衆を虐殺して苦しめたローマの暴君ネロは何を隠そうこの俺である。

焚書坑儒をした秦の始皇帝は何を隠そうこの俺である。銀貨三十枚でキリストを売ったユダは何を隠そうこの俺である。時空を超えたあらゆる陰謀の中で、さらに最悪の情況を導いたのは全て、何を隠そうこの俺である。

悪意の介在する全ての時空間には俺の妄想神経が届いてる。この悪意は決して終滅することがない。鬼畜行為の裏にはいつも俺がいる。

村崎百郎は時空を超えて存在する悪意の総体である。人の歴史が続く限りこの意識、村崎百郎は終わらない。

村崎百郎の処女単行本にして唯一の単著。
鬼畜的生き方の入門書として、ゴミ漁りのノウハウを詳細に解説しており、ゴミを通じて市井の人々の生活を覗き見る様子が事細かに綴られている。

行間からは人間の深淵や哲学が見え隠れし、鬼畜な文体ながら汚穢の底から生を実感する村崎流の人間賛歌が伝わってくる。

またゴミを漁って会った事もない人間の私生活を独特な文体で浮き彫りにしていく過程が、当時から社会問題になっていたストーカーやプライバシー暴きの「被害者ではない側」の姿を克明に描き出し、逆説的に現代社会における自衛の必要性を説く世紀末のサバイバル書という見方にも繋がっている。

「夢の島」とはよく言ったものだ。
まさに文字通り、多くの人間の破れた夢や、捨てた夢が流れ着く場所なんだから笑っちゃうよ。

汚穢にまみれてゴミ回収車に放り込まれ、夢の島へ運ばれて行くのが鬼畜にはお似合いの最期だな。俺は夢の島に捨てられてゴミと一緒に静かに腐るよ。

ゴミは捨てた人間の過去の清算という感じで、拾っているとひとりの人間の辿ってきた過去が読み取れてとても興味深い。

たとえば見知らぬ他人をひとり特定して、そいつの出すゴミを漁り続けたとしよう。3ヵ月もあればその人物の生活や人生のおおかたがゴミを通して明らかになるだろう。

これだけは保障しよう。
想像力や妄想力を働かせながら、漁ったゴミと対話を続ければ、あんたらは必ず深い「他者理解」や「人間理解」を得られるだろう。

出典「鬼畜のススメ 世の中を下品のどん底に叩き堕とせ!! みんなで楽しいゴミ漁り」 村崎百郎/データハウス

悪趣味ブームの他のライターは記事は鬼畜だがライター本人はまともというスタンスであったが、村崎は自身も異常であるというキャラクターに則りつつ執筆活動を行っていた。

妻の森園みるくとは共作で漫画執筆も行っていた。森園とは同棲しており内縁の妻だとしていたが「村崎百郎」のパブリックイメージに反するとして結婚している事は認めていなかった。
2人が結婚したとする記事には抗議して、セックスだけの関係と訂正するように要求していた。

自称していたプロフィールについて、真偽のほどや詳細は不詳となっていたが、2001年に出版されたペヨトル工房の回顧録にて同社の社員になっていたことを自ら明かしていた。

村崎百郎は自身の中にある狂気や、彼が言う所の「電波」という押さえることが出来ない衝動と正面から向かい合い、それを覆い隠すこと無く社会そのものと対峙した稀有な人間であり表現者であった。

凶行

2010年7月23日、読者を名乗る32歳の男性に東京都練馬区羽沢の自宅で48ヶ所を滅多刺しにされ殺害された。

逮捕された容疑者は精神鑑定の結果、統合失調症と診断され不起訴となった。事件報道で、本名が「黒田一郎」であることや、実際は北海道出身で、最終学歴は明治大学文学部卒業であり、ペヨトル工房に勤務していたことが公になった。

村崎百郎、とにかく驚いた。でもどこか腑に落ちる。青山正明とともに危ない一号の関係者の死に方として。

村崎さんといい青山さんといい、純粋な部分を持ったゲスというのは、まともな死に方せんな…本物のゲスは意外と長生きするから困る。

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