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うつ病との違いは?気分反応性が特徴の「非定型うつ病」

うつ病の中の一型という位置づけにある疾患ですが、その症状の特徴はうつ病と大きく異なる非定型うつ病。基本的には抑うつ気分が優勢なのですが、楽しい事や嬉しい事があると、とたんに気分が改善するという特徴があり、他人からどう見られるかを気にし、他人の顔色をうかがう性格傾向がある人が多いようです。

更新日: 2016年12月30日

egawomsieteさん

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■非定型うつ病とは

非定型うつ病は、何か楽しいこと、望ましいことがあると、気分がよくなります。普通のうつ病(定型うつ病)では、何があっても元気が出ないのに対し、出来事に反応して気分が明るくなるのが大きな特徴です。その他、下表にあるように、タ方になると調子が悪くなる、過食や過眠ぎみになる、などの傾向もみられます。

この非定型うつ病は、かつて「神経症性うつ病」と呼ばれたタイプ。定型うつ病は、長年勤勉に働いてきた年代に多くみられ、20~30代でかかるうつ病では、多くがこの非定型タイプと考えられます。とくに20~30代女性の場合、8割が非定型うつ病にあたるとか。若い男性にも起こりますが、女性では男性の3~5倍にみられるといいます。

■感受性の高い人に多い非定型うつ病

非定型うつ病(新型うつ病・逃避型うつ病・ディスチミア型うつ病)の方は感受性が高いです。

そのため、ストレスに感じることが普通の人よりもたくさんあると考えます。

ですから人がストレスを感じないことでもストレスに感じてしまい、それが重なることでうつ病になります。

本人からすると、自分で何とかしようと思えないほどストレスが多いため、つい他人のせいにして更に自分にストレスがかからないようにしているのです。

この非定型うつ病の場合には、他人からどう見られるかを気にし、他人の顔色をうかがう性格傾向がみられます。つねに相手の言うことを尊重し、従うため、小さいときから「いい子」と言われていた人が多いのも特徴。

根底には、他者の評価が気になってしかたがない、といった不安があり、子どものころから人見知りがあったり、人前であがりやすいなど対人恐怖的な傾向もみられます。

非定型うつ病の特徴

1.抑うつ気分は認めるものの、楽しいことがあると改善する(気分反応性)

2.興味と喜びの喪失はあまり認めない

3.食欲低下、不眠はあまり認めず、食欲増加・過眠を認めやすい

4.不眠はあまり認めず、反対に過眠を認めやすい

5.疲労感・倦怠感が強い

6.無価値感や罪責感を認めにくい

7.恐怖感・不安感が強い

8.夕方に増悪しやすい(定型うつ病は朝に増悪しやすい)

9.周囲の言動に過敏に反応する

■非定型うつ病の症状

「憂鬱な気分だが好きなことをする時には元気が出る」
気分の落ち込みや気力、集中力の低下など、うつ病特有の憂鬱さはあるのですが
楽しいことや良いことがあると、その気持ちが明るくなり一時的に憂鬱ではなくなります。

気分反応性

定型うつ病では、基本的に気分は下がったままである事がほとんどです。これを「抑うつ気分」と言いますが、以前なら嬉しかったことやテンションが上がるようなことが起こっても、気分は上がりません。「今まで楽しいと思っていた事も楽しめない」「楽しいという感情が沸いてこない」と患者さんは表現され、これは「興味と喜びの喪失」と言います。

しかし非定型うつ病の場合、基本的には抑うつ気分が優勢なのですが、楽しい事や嬉しい事があると、とたんに気分が改善するという特徴があり、ここは定型うつ病と大きく異なります。

そして楽しい事になると気分が改善するということは、定型うつ病にみられる「興味と喜びの喪失」は、非定型うつ病ではあまり認められないという事です。

「夕方から夜にかけて具合が悪くなる」

午前中は比較的穏やかに過ごせるのですが、夕方から夜にかけて不安やイライラが高まり
体調も気分も不安定になります。
これは「サンセット・デプレッション」と呼ばれ、
時には気分が高ぶっておさえきれずに泣きわめいたり暴れたり自傷行為に及ぶ場合もあります。

「いくら寝ても眠い過眠傾向」

一日の睡眠時間が10時間以上の場合、過眠傾向とします。
睡眠時間を長くとっているにもかかわらず、昼間に眠気を感じたり
いくら寝ても寝たりないようでしたら注意が必要です。

定型うつ病では、高い確率で不眠を合併します。その頻度は8~9割ほどはあるのではないかと感じます。

しかし非定型うつ病はその反対で、過眠を呈することが多いのです。更に長時間寝ているにもかかわらず、起床時・日中も眠気が続きやすいと言われています。夜に長時間寝ているのに昼寝もしてしまう、という事も珍しくありません。

「イライラして落ち着かない」

特に理由もないのにイライラしたり落ち着かない気分になります。
集中力が散漫になり、仕事や家事、勉強などが手につかなくなります。
人間関係にもトラブルが起こりやすく、激しい感情を相手にぶつけてしまったり
相手に拒絶されたと感じて絶望的になり、突発的に関係を絶つような行動に
走りやすくなります。

食欲増加、体重増加

定型うつ病の場合、精神エネルギーが枯渇していますので、全体的に「下がる」方向に症状は出現します。

気分は落ちて、食欲も落ちて、睡眠時間も落ちて、集中力も落ちて・・・・、と。

しかし非定型うつ病では食欲・体重低下はあまり認めません。特に食欲と睡眠は「上がる」方向となります。非定型うつ病では食欲低下・体重減少というのは認めない事が多く、反対に過食・体重増加が見られます。

過食症のような無茶食い行動とその後の自己嘔吐が週に何回も見られることもあったり、1日に何回も間食するようなこともあります。

拒絶過敏性

他者からの評価を過剰に自己解釈してしまい、特に拒絶されたと少しでも感じたらそれを過敏に感知してしまうという傾向の事です。いつも人の目を気にしてしまい、その評価を悪い方向に拡大して解釈してしまう背景には「漠然とした寂しさ」があることが多いようです。

仕事でミスを指摘されただけで、「上司に自分のすべてを侮辱された」と解釈し、大きく落ち込み、早退したり出勤不能になったりします。また、友人にちょっと注意されただけで「拒絶された!」と過敏に反応し、大きく落ち込んだり、時には暴言・暴力や自傷行為、物質乱用などの衝動的な行動に至ることもあります。

相手はそこまで大きく責める気はなくて軽く指摘しただけなのに、過大にそれを「拒絶」と解釈してしまいやすい特徴があるのです。

鉛様疲労感・麻痺感

非定型うつ病では倦怠感やだるさが更に顕著であり、「身体に鉛が入っているような感覚(鉛様疲労感)」「麻痺しているような感覚」と表現されます。

定型うつ病は朝に悪く、夕方にかけて徐々に改善してくるのに対して、非定型うつ病は日中はそこまでひどくなく、夕方や夜間に悪化しやすいという違いがあります。

疲労感・麻痺感に対しても同様で、非定型うつ病は夕方や夜に疲労感・麻痺間が増悪しやすい傾向があります。

■不安障害を合併しやすい

うつ病も合併症としてパニック障害や社交不安障害といった不安障害を合併することがあります。

非定型うつ病はその傾向が更に顕著で、多くの症例で不安障害を合併することが知られています。また、不安障害までには至らないとしても、強い不安感や恐怖感を感じる事が、定型うつ病よりも多いと考えられています。

そのため、不安に対する治療も必要になる事も多く、不安を増悪させやすい増悪因子(例えばアルコールやタバコなど)は意識的に避ける必要があります。

■昼夜逆転など生体リズムの乱れが起こりやすくする

私たちの体には、およそ24時間で一巡する生体リズムがあります。このリズムが正常に刻まれていると、朝明るくなると目覚め、暗くなると眠くなるのが普通。ところが非定型うつ病の場合、生体リズムに乱れが生じ、昼間遅くまで眠っていて、そのぶん夜目覚めている昼夜逆転が生じやすくなります。

このタイプのうつでは「鉛様まひ」といって、手足に重りがついたように体が重く、ぐったりとした身体感覚を持つことが多くなりますが、これも生体リズムの乱れで、昼間覚醒できないために起こると考えられます。

■非定型うつ病の予防&対策

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