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現実と空想が入り混じる『生物系三大奇書』とは?

三大奇書といえば、『ドクラ・マグラ』や『黒死館殺人事件』などを思い浮かべる方も多いと思います。でも実は生物に特化した三大奇書も存在するんです!そんな生物系三大奇書についてまとめてみました。

更新日: 2017年01月23日

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■生物系三大奇書とは?

生物系三大奇書、あまり聞き馴染みがないなぁ…

三大奇書と言えば『ドクラ・マグラ』『黒死館殺人事件』『虚無への供物』の推理小説が有名ですよね。でも実は他にも三大奇書と呼ばれるものがあったんです。

それが『鼻行類』『アフターマン』『平行植物』の生物系三大奇書です。

■では生物系三大奇書ってどんな内容なの?

一般的に日本の『三大推理小説奇書』や中国の『四大奇書』などに比べると知名度は少し低いが、いずれも生物学的に非常に奇妙且つ興味深い内容となっている

ちなみに中国の四大奇書は「三国志」「水滸伝」「西遊記」「金瓶梅」

『平行植物』が民俗学的書籍の、アフターマンが一般向け科学解説書(あるいは、子供向け科学図鑑)のパロディーの体裁をとるのに対して、『鼻行類』は徹底して科学分野の専門書のパロディー

『生物系三大奇書』は生物や植物について本当らしく記してある書物ですが、実際にはすべてフィクションなんです。

▼哺乳類から進化した?!鼻で歩く生物、鼻行類とは?

作者:ハラルト・シュテュンプケ


ハイアイアイ群島に生息する鼻で歩く生物、鼻行類についてまとめた本。別名ハナアルキ。特殊な環境化にある島で独自の進化を遂げたと考えられている。現在は核実験で島が水没し、それに伴い鼻行類も絶滅した。


実際は動物学者のゲロルフ・シュタイナーの創作本。鼻行類も存在しない。しかし論文として非常にクオリティが高いため、信じてしまった人も多数いるらしい。

ハイアイアイ群島の現地人の文化や鼻行類研究の歴史なども、それらしく描かれている。また、巻末の参考文献一覧なども一見の価値がある。その系統樹を完全なものとしては描かず、多くの疑問や異説を含むかたちで提出するあたりにも、学術論文的なリアリティがある

荒唐無稽な設定ではあるが論文の体を成していたため、日本語版が発売された際には学者を含む多くの人々が釣られてしまった

――読んだ人の感想

「鼻」に焦点をあてそれを未確認生物として仕立て上げるだけでも爆笑ものなのに、解説は徹底して大まじめ。作者が全く笑いを取りに行っていないのがまた面白い

科学論文の体裁をとって書かれた壮大なギャグである。現実には存在しない動物群を取り上げ、各種について体型、生態、骨格などが記述されていく。図や表、注なども完備され、実にそれっぽくなっている

▼人類滅亡から5000万年後の地球の姿とは?

作者:ドゥーガル・ディクソン

人類滅亡から5000万年後の地球の生態系を描いた書籍。巨大なペンギン「ヴォーッテクス」、巨大なネズミ「プレデターラット」など、現在の生物が進化した姿が数多く記載されている。


作者のドゥーガルは地質学者兼サイエンスライター兼古生物学者である。その知識を活かした架空の生物たちには、本当にそうなるかもしれないと思わせるような説得力がある。

また他に恐竜が生きていたら?という想定で書かれた「新恐竜」、500万年・1億年・2億年後の地球を描いた「フューチャー・イズ・ワイルド」などの作品がある。

5000万年経っている訳だから大陸も盛大に移動・変型しており、人類という強力な淘汰圧を生き延びた動物達が適応放散し、生態的地位に応じて進化する様は強烈な印象を残す

架空の話でありながら、地質学(プレートテクトニクス)の見地から未来の大陸配置と気候を予想した上で、時代や生物の種類が違っていても環境に合わせて似通った姿に進化する(収斂進化)といった、進化の原則を織り交ぜて考察しているため、著作に登場する生物には非常にリアリティがある

――読んだ人の感想

「人類絶滅後」の世界の動物世界を想像し、その動物の姿、特徴などを図鑑風にまとめた一冊。つまり結局はフィクションなのであるが、想像の産物ではあっても妄想の産物ではない点が面白い

進化についてと、今日の人類の繁栄までにそれぞれ一章ずつ割くことで、説得力が増している

▼観測がほぼ不可能な平行植物とは?

作者:レオ・レオニ

触れると壊れる、写真に撮ろうとしても写らない、極めて観測が難しい平行植物(人間にはほとんど認識することが出来ない植物の総称)についてまとめた本。
黒に見える特有の「平行色」、人間には知覚不可な「非実体性」、世界の物理法則に当てはまらない「超現実性」が平行植物の特徴。


スイミーの作者レオ・レオニが書いたフィクション本。架空の生物を扱った作品は数多いが、本書のように架空の植物だけを扱ったものは極めて稀。

もっとも生物学色が薄く、科学的とは言えない論調や論旨が多々ある。伝承などへの言及も多い

――読んだ人の感想

架空の植物にリアリティを持たせるほどの繊細な設定づけ、散りばめられた各地の逸話、本当にこれ架空の植物だよね?と疑いたくなる世界観

巻末に「想像」と書いていなければ思わず信じ込んでしまいそうなほど、学術書風に仕上がっている

■三大奇書ではないけど他にもこんな作品が…

作者:ジョアン・フォンクベルタとペレ・フォルミゲーラ

世界各地の幻獣や珍獣を調査していた動物学者のペーター・アーマイゼンハウフェン博士が突然失踪。博士の残した資料が発見されたと銘打って販売された書籍。


解剖図や生態写真なども載っているが、実際は著者のフィクション。

「秘密の動物誌」の当初の創作目標は「写真ドキュメントの説得力の薄弱さをしめすこと」であったが「科学的言説、認識形成メカニズムに潜む技術や策略をも考え直してみようということ」を提案している、としている

――読んだ人の感想

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ワークワークワークさん

自分好みの偏ったまとめが多くなりそうな気配ですが、丁寧に作りこんでいこうと思ってます。
よろしくお願いします!

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