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最も洗練された野生、ブラジルの奇跡、魚たちの奇跡

数々の名曲をのこすミルトン・ナシメント(Milton Nascimento)の最高傑作のひとつ「魚たちの奇跡(Milagre dos Peixes)」。奇跡のリズムとハーモニーに究極の“洗練された野生”を感じずにいられません。

更新日: 2017年01月20日

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奇跡の曲「魚たちの奇跡(Milagre dos Peixes)」

ミルトン・ナシメント - Milagre dos Peixes(魚たちの奇跡)
不思議すぎるハーモニー、3拍子が唐突に5拍子になるリズム感覚など、どれをとっても奇跡の1曲です。

魚たちの奇跡(Milagre dos Peixes)は、EMI/Odeon によって1973年にリリースされたブラジルの歌手/作曲家ミルトン・ナシメントの楽曲。

こんな不思議な和音進行の曲がかつてあっただろうか。こんな不規則な変拍子がありうるのだろうか。

一歩間違えば不協和音にもなりそうなギリギリのバランスの美しすぎるハーモニー、曲中さまざまに表情を変えるリズムの感覚、どれをとっても彼の最高傑作

そして意味不明の歌詞、とても人間のものとは思われない裏声、それら狂的な要素どうしが有機的につながり合って、奇跡の音楽美を達成している。

この曲が発表された当時、ブラジルはミュージシャンの発表する楽曲の歌詞をも厳しく検閲する軍事政権によって支配されていました。
音楽家たちはそれに抗議するため、歌詞に暗喩に暗喩を重ね、検閲を免れようとしていました。

ウェイン・ショーターとの共演。
純白のタンクトップでライヴするミルトンを拝める奇跡の動画。

“ブラジルの声” ミルトン・ナシメント

ミルトン・ナシメント
1942年10月26日 -
ブラジル音楽の1ジャンル、「ミナス派」の代表的音楽家。

ミルトン・ナシメントはブラジル本国では「ブラジルの心」とか「ブラジルの声」などと言われるほどの大ミュージシャン・国民的英雄であり、国境を越え、ジャンルを越えて多くのミュージシャンに影響を与えている存在だ。

オンリーワンの存在であり、彼の音楽は世界中の多くのミュージシャンに影響を与えています。

すでに4歳のときには子供用のアコーディオンを弾き、あの独特の透き通るような声で歌っていたという。13歳になると盟友のヴァグネル・チーゾとパーティバンドを結成、本格的に音楽の世界に足を踏み入れる。

ミルトン・ナシメントを中心とする「街角クラブ」の仲間として、ヴァグネル・チゾ(Wagner Tiso)、ロー・ボルジェス(Lo Borges)、トニーニョ・オルタ(Toninho Horta)といった名ミュージシャンの存在は欠かすことができません。

67年にデビューし、69年A&M(CTI)からリリースしたアルバム“Courage”で米国での認知が高まり、その後、アルバム“Milton”“Clube Da Esquina”などの数々の名作を生み出す。

アマゾンでインディオと生活し、歌ったアルバム「チャーイ」では水鳥の声と共演するなど、自然と共に生きる姿勢で大自然の息吹きを豊かな声で伝える。

黄金郷ミナスジェライスの山々の響き、谷間を駆け抜ける鉄道、小さな町の聖歌隊、地上から宇宙にいたるあらゆるサウンドがミルトン・ナシメントの「最も洗練された野生音楽」を織り成している。

この人の音域はすばらしく広くて、歌はロマンティックで、胸をワクワクさせてくれます。
夢の世界を体験させてくれますよ♪

軍事政権による抑圧とミルトン・ナシメントの抵抗

デビュー当時ブラジルの軍事政権の圧政下にあったが、ナシメントは当局の脅迫にも屈せず民衆の声を代弁、“ブラジルの心”と呼ばれた。

音楽をも検閲したブラジルの軍事政権(1964-1985年)。
その圧政の下で、ミルトン・ナシメントら音楽家は歌詞を歌わずにスキャットにするなど、あらゆる抵抗をしました。

ミゥトンの曲はよく「慈愛に満ちている」という風な優しいイメイジで語られることが多いですが、このライヴは恐らく見張りの軍人も目を光らせている中で行われたもので、理不尽な芸術への、そして民衆への弾圧に対する怒りが火を噴いているような、そんな演奏になっています。

ミルトンの場合は、歌詞の検閲などアーティストに厳しい制約を強いたブラジルの軍事政権時代と音楽的な全盛期がほぼ一致するのも興味深いです。

軍事政権の圧政によって、皮肉にもアーティストたちの表現力が著しく発展した、という見方もあるようです。

「魚たちの奇跡」カヴァー集

ブラジル音楽を通じ文化を創造するという趣旨に賛同する世界70名以上の音楽家によるプロジェクト、バルセロナ・セッションによる極上カヴァー。

ミルトン・ナシメントの名曲の数々をテーマにしたミュージカル『NADA SERA COMO ANTES』で人魚によって披露される「魚たちの奇跡」。

革新的な活動で知られるピアニスト、ベンジャミン・タウブキン(Benjamim Taubkin)と5コース10弦のブラジリアン・ギターの名手イヴァン・ヴィレーラ(Ivan Vilela)のデュオによる「魚たちの奇跡」。

NYのジャズシーンで活動するチリ出身の女性ヴォーカリスト、Natalia Bernalを中心とするトリオによる演奏。

ブラジルのベテランドラマー、ロベルチーニョ・シルヴァ(Robertinho Silva)のバンドの演奏。

みんなの声

いま手許にある魚たちの奇跡は、ミルトンの同名タイトル盤、そのライブ盤、ウェインのネイティブダンサー、そしてペドロアズナールのAznar Canta Brasilで、どれも最高です。確かに止まらないです(笑)@kanazawa_jazz 頭の中で「魚たちの奇跡」が止まんなくなった

MILTON NASCIMENTOの「MILAGRE DOS PEIXES」はウチにあるライヴ盤の中でもひときわ好物です。「音宇宙」なんて簡単に終わらせたくないくらい強烈な空間。ワン アンド オンリー、しかも、最高のロックでもある pic.twitter.com/EpCc7DDc

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