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緊急性が高く、適切に対応しないと命の危険!解離性大動脈瘤とは?

血管が裂け、裂け目に血液が溜まることで、コブ状の形を形成した状態のことである解離性大動脈瘤。血管がもろくなる動脈硬化や、血管に圧がかかる高血圧が主な原因とされています。痛みが腹や足へと下に向かっていくのが特徴で、合併症を引き起こすと、ショック症状や意識障害などが現れ、命の危険のリスクが高くなります。

更新日: 2017年02月14日

egawomsieteさん

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■解離性大動脈瘤とは

大動脈は、外膜、中膜、内膜の3層構造となっており、十分な強さと弾力を持っていますが、なんらかの原因で内側にある内膜に裂け目ができ、その外側の中膜の中に血液が入り込んで長軸方向に大動脈が裂けることを大動脈解離といいます。

血管の層のうち一番内側にある内膜が破れて、血管が裂けた状態のことを大動脈解離といいます。大動脈解離によってできた、血管が裂けて血液が流れ込む部分を偽腔(ぎくう)といいますが、解離性大動脈瘤とは、この偽腔に血液がたまり、コブ状になることです。

胸背部痛を訴える病気の中でも緊急性が高く、適切に対応しないと命の危険が起きてくる病気です。病気の早期発見、早期治療が非常に重要になります

■大動脈とは

心臓から全身に血液を送る大循環(体循環)の本幹をなす動脈で、直径2、3センチメートルという人体でもっとも太い動脈血管である。

すなわち、左心室から出て胸腔(きょうくう)内を上行する上行大動脈、胸腔内で左気管支を乗り越えるようにして身体背側後方へ向きを変える大動脈弓、脊椎(せきつい)に沿って身体下方へ向かう下行大動脈の順に連なり、腰部で左右の総腸骨動脈に分かれるまでの太い動脈をさす。横隔膜から上を胸部大動脈、下を腹部大動脈とよぶ。

■解離性大動脈瘤の原因

解離性大動脈瘤は血管がもろくなる動脈硬化や、血管に圧がかかる高血圧が主な原因とされています。その他の原因としては、結合組織の異常が見られるマルファン症候群などの結合織疾患があります。血管型エーラス・ダンロス症候群などの自己免疫疾患が報告されており、遺伝や先天的なものが原因の場合もあります。

■症状

突然、胸あるいは背中に杭が刺さるような激痛が起こり、病状の進展につれて痛みが胸から腹、さらに脚へと下向きに移っていくのが特徴です。

いきなり意識消失状態やショック状態となる方も少なくありません。裂けた箇所によって、また病状の進展によって、大動脈弁閉鎖不全や脳虚血症状(意識消失、麻痺)、腸管虚血症状(腹痛、下血)、腎不全、下肢虚血症状などの併発症状を引き起こすこともあります。

解離性大動脈瘤によって血液の流れが妨げられることで、大動脈弁閉鎖不全や、心臓を覆う心嚢水(しんのうすい)が増えて心臓を圧迫する心タンポナーデなどの合併症も考えられます。

新たな血液の流れ道(解離腔または偽腔)を通して、血液が薄くなった外膜から染み出したり破裂すると、や血胸をおこします。また主要な臓器への分枝血管にまで(解離→)裂け目が進展すると、血流障害によって各種臓器が虚血壊死を起こし、で死に至ることもあります

■A型とB型

解離性大動脈瘤にはそのできた場所によってstanford A型とstanfordB型とに分けられる。

前者は解離腔が上行大動脈までおよんだもので、放置すれば大動脈閉鎖不全、心タンポナーデなどを引き起こす可能性があり、また総頚動脈などに解離が及べば脳循環不全などにもなるため、緊急ないし早期手術の適応である。

後者は解離腔が下行大動脈にとどまっている例で、通常は降圧療法を行い、手術はしないが、A型へ移行することもあるので厳重な管理が必要である。当症例も当初はB型であったが、後にA型へ移行し、人工血管置換術を施行されている。

■解離が起きた場所で変わる! 深刻な症状

「心嚢」という心臓を包んでいるものの中で解離が起こって、血液が心嚢に漏れだすと、漏れた血液が心嚢内にたまって、外から心臓を圧迫してしまいます。これは「心臓タンポナーデ」という心臓が動かない状態を生みます。これは心筋梗塞で起きる心破裂と同じで、即死の状態です。特に胸痛がなくて心臓タンポナーデが起こった場合は、解剖で心嚢をあけて、初めて死因が判明することもあります。

また、「心嚢を出た後」の大動脈で解離が起こった場合、出血性のショックとなります。

解離した部分では血小板が活性化して体内で止血が始まります。次に凝固系も活性化しますので、結果的に大動脈内で血栓ができてしまいます。

解離部分にできた血栓が血流で飛ぶ状態となり、血栓は大動脈から流れて行って、全身の血管が詰まってしまいます。血管が詰まる(血栓による塞栓症になる)と、血管が詰まった部位に応じた症状となります。例えば脳で塞栓症を起こせば脳梗塞となります。

■動脈硬化が進んだ高齢者より血管が硬くなっていない若年層の方が解離が発症すると重症になることが多い

40代の会社員Aさんは資格取得に向けて寝不足をおして勉強をしながら、年末の業務を慌ただしくこなしていた。仕事で重い荷物を持った際に胸に強い痛みを覚え、あっという間に気を失った。同僚が発見して救急車を呼び、病院に運んだ。

最初は心筋梗塞を疑ったが、大動脈解離であることが判明。簡易型の人工心肺装置を取り付けて緊急手術を実施、血液の流れを変えるバイパス手術を実施した。心停止した心臓が動くまでに回復したが、残念ながら1週間後に亡くなったという。

Aさんは隠れ高血圧の可能性はあったものの、肥満ではなかった。「血管が軟らかいことが逆に災いするケースがある。解離がいったん始まると裂ける部分が大きくなってしまう」と荻野教授は説明する。

■解離性大動脈瘤と治療

まずは痛みを和らげ、収縮期血圧を100~120mmHg以下に保つことを目標に、十分な薬物療法が行なわれます。解離性大動脈瘤(大動脈解離)の治療では、できるだけ早く治療方針を決めることが重要です。

裂け目が心臓に近い箇所(上行大動脈)にまでおよんでいる場合には手術が必要となります。手術では、裂け目がある部分の血管が人工血管に置き換えられますが、病状によって人工血管に交換する範囲は異なります。

手術中は、手術の補助のため、超低体温循環法あるいは脳分離循環法という専門的な人工心肺操作が行われます。裂け目のある大動脈の範囲が背中側の下行大動脈以下に限られている場合は、手術を行わずに、日常生活を送っていただきながら経過をみることもあります。その際、安静とともに最も重要となるのが血圧の管理です。

A型解離とB型解離

解離性大動脈瘤は、大きく分けて上行大動脈に解離が見られるA型解離と、上行大動脈に解離が見られないB型解離に分けることができます。

A型解離の治療

A型解離は、心臓から近い位置で解離が引き起こされコブができた状態で、合併症を引き起こしやすく、早急な処置が必要です。既存の血管を人工のものに置き換える人工血管置換術を用いて治療を試みます。

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