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谷川俊太郎以来!? “売れてる”現代詩人「最果タヒ」とは

数千部売れればヒット作といわれる日本の詩集。そんな状況の中で『夜空はいつでも最高密度の青色だ』が異例の2万7千部を超えている「最果タヒ」。京大在学中に中原中也賞など権威ある賞を次々受賞するとともに、マンガとのコラボ、SNSの活用、小説やエッセイへの進出と快進撃を続ける現代詩のトップランナー。

更新日: 2017年05月30日

aku1215さん

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◆ベルリン映画祭でも注目された映画『夜空は━』

『夜空はいつでも最高密度の青色だ』予告編 市川実日子、松田龍平も登場 cinra.net/news/20170324-… pic.twitter.com/Pr3M5DvoFd

石橋静河と池松壮亮がダブル主演を務める「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」。

2017年の東京を舞台に、看護師として病院に勤める傍らで夜はガールズバーで働く美香と、工事現場で日雇いの仕事をしている青年・慎二が出会い、恋に落ちる様を描く。

第67回ベルリン映画祭で、荻上直子監督の「彼らが本気で編むときは、」と、石井裕也監督の「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」が上映され、大きな注目を集めた。

◆原作は詩人「最果タヒ」のベストセラー詩集

最果タヒ『夜空はいつでも最高密度の青色だ』(2016)

「舟を編む」で国内の映画賞を総なめにした石井監督が、詩集の映画化という新たな試みに挑戦。

何人かの個性的キャラを織り込んだ脚本、一部アニメを使用した製作作法など、石井監督の意欲と挑戦がはしばしに感じられる作品だ。

◆現代詩人としては異例の売れ方をしている「最果タヒ」

[インタビュー]二階堂ふみ×最果タヒ「わからない」を肯定する二人の言葉談義 / 現代詩を越境する気鋭の詩人と、日本を代表する若手女優が「今の言葉」を語る cinra.net/interview/2016… pic.twitter.com/XVcIQ8rvSG

めったに起こらないことが、現代詩の世界で進行している。1万部超の売れ行きを示す詩集が登場して、いまなお勢いが衰えないのだ。

『死んでしまう系のぼくらに』(2014)

数千部売れればヒット作と言われている詩集において1万8,000部の売り上げを記録し、大ベストセラーに。

『死んでしまう系のぼくらに』(2014)

同作は異例の累計売り上げ2万7000部を突破し、現代詩の難解なイメージ自体を覆した。

同作=『夜空はいつでも最高密度の青色だ』(2016)

現代詩というジャンルは、ポップスや映画のようにメジャーな存在とはいえない。現存する詩の書き手をだれかに問うたって、たいていは「谷川俊太郎」くらいしか名は挙がらないのでは?詩を取り巻くそんな状況を変えつつある存在。それが。最果タヒだ。

◆在学中から次々と権威ある賞を受賞する一方、マンガとコラボも

最果タヒ『グッドモーニング』(2007)

2004年からインターネット上で詩作を開始。2006年「第44回現代詩手帖賞」を受賞し、2008年、京都大学在学中に『グッドモーニング』で、当時女性としては最年少の21歳で「中原中也賞」を受賞。

2014年8月27日に刊行された詩集『死んでしまう系のぼくらに』では「現代詩花椿賞」を受賞するなど、権威ある数々の賞を贈られ、現代詩世界のトップランナーとしての地位を確立。

「空が分裂する」は別冊少年マガジン(講談社)に連載されていた、複数のイラストレーターやマンガ家が挿絵を手がける詩集。

『空が分裂する』(2010)

押見修造、小林系、市川春子、萩尾望都、山本直樹、古屋兎丸、ワカマツカオリ、冬目景、宮尾和孝、鬼頭莫宏、皆川亮二、田辺ひとみ、伊藤真美、KYOTARO、鈴木央、大槻香奈、片山若子、板橋しゅうほう、志村貴子、平沢下戸、西島大介がイラストを担当。

◆現代に生きる人々へ寄り添う平易な言葉が魅力

「いま最も新しい表現者」として注目を集める最果氏の詩は、平易かつ静謐(せいひつ)な言葉で綴られ、小説では表現しきれない現代人の憂鬱と希望を浮き彫りにする。

詩の内容自体も、きわめて共感を呼びやすいかたちになっている。「恋」や「孤独」、「死」など、だれもが気にかけたことのある内容を、難しいことばを使うことなく表していく。とりわけ若い世代には、すっとことばが内側にすべり込んでくる。

今を生きる人たちに寄り添うように現代の生活を見つめた、わかりやすい言葉で紡がれた作品が若者たちの心を揺さぶった。

高橋源一郎は「最果さんは、みんなとみんなが住んでいるこの世界を見つめて詩を作る。そして、それを、ぼくたちみんなに、届けてくれるんだ。」と帯に書いている。

『死んでしまう系のぼくらに』(2014)

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