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オウムやインコなど鳥のふんを介して感染する「オウム病」

人と動物がかかる感染症であるオウム病は、「クラミジア・シッタシ」という細菌に感染した鳥のふんなどを吸い込むことで人にもうつる可能性があります。インフルエンザに似た症状のため誤診のケースも多くあり、診察時に「鳥と接触があったかどうか」を医師に伝えることが重要です。

更新日: 2017年04月14日

egawomsieteさん

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オウム病、新たに1人の妊婦死亡を確認

オウムやインコなど鳥のふんを介して感染する「オウム病」に感染した妊婦の死亡例が国内で初めて確認された問題で、厚生労働省は10日、新たに妊婦1人の死亡が報告されたと明らかにした。

 オウム病は「クラミジア・シッタシ」という細菌に感染した鳥のふんなどを吸い込むことで人にもうつる可能性がある感染症で、年間数十例の患者が出ている。高齢者などで数年に一度、死亡例が報告されているが、国内ではこれまで、妊婦の死亡例は報告されていなかった。

 妊婦の感染症について研究する研究班が3月7日、オウム病に感染した妊婦が死亡していたことを厚労省に情報提供。厚労省は医師向けに注意を呼びかけていた。

 厚労省によると、研究班は4月10日、新たに1人の死亡例を報告。死亡例が相次いで報告されたことから、厚労省は国民に向けて注意喚起を行うかどうか検討している。

■オウム病とは

オウム病は、クラミジア・シッタシという微生物を保菌している鳥からヒトに感染を来す人獣共通感染症で、肺炎を主体とする急性感染症です。
 年齢分布は9〜90歳(中央値53歳)と幅広い年齢層にみられますが、30歳未満での発症は少ないと報告されています。発症日を月別にみると、鳥類の繁殖期である4〜6月に多いほか、1〜3月もやや多いとされています。
 肺炎に占めるオウム病の頻度は、世界的にもあまり高いものではなく、日本でも1〜2%程度です。オウム病の多くは散発例で、これまで集団発生は極めてまれであるとされていました。しかし、日本では2001年以降、相次いで動物展示施設で集団発生が確認されています。

■感染経路

推定感染源としてはインコに関連したものが最も多く、次いでハト、オウムに関連したものです。鳥では保菌していても、ほとんどは外見上健常にみえます。弱った時や、ヒナを育てる期間などでストレスが加わった時、他の感染症を合併した時などには、不定期に便中に菌を排泄しヒトへの感染源となります。

感染経路は、罹患鳥の分泌物や乾燥した排泄物、羽毛などを介して経気道的に吸入したり、口移しで餌を与えたりする際の経口感染によって起こります。吸入された菌は、宿主細胞に取り込まれて細胞内で増殖し、下気道へ浸潤するか、血液を介して肺胞や肝臓・脾臓(ひぞう)など全身臓器に広がります

■インフルエンザに似たオウム病の症状

オウム病に感染すると、1~2週間の潜伏期間を経た後に発症します。現在、オウム病に対するワクチンはないため、治療には抗生物質を使用します。

オウム病に感染すると1~2週間の潜伏期間ののち、突然の高熱で発病します。初期症状は悪寒をともなう38℃を超える高熱、頭痛、全身のだるさ、食欲不振、筋肉痛、関節痛、咳、痰などが起こり、インフルエンザの症状とよく似ています。また、重症化した場合は肝機能障害や骨髄炎、骨格筋障害、心内膜炎、心筋炎、肝炎や脳炎などを併発することがあります。

オウム病の症状はインフルエンザと似ているため、誤診される場合があります。インフルエンザの薬はオウム病には効果がないため、誤診を防ぐには診察時に「鳥と接触があったかどうか」を医師に伝えることが重要です。

■適切な治療さえ行えば死亡者は1%以下

全身症状として、全身倦怠感、食欲不振、筋肉痛、関節痛、頭痛、除脈、肝腫大、脾臓腫大などを伴います。また、緑色の便が出るようになります。

 重症化すると、呼吸困難、意識障害、DIC(播種性血管内凝固症候群)などがみられ、治療が遅れると死亡することもあります。呼吸器疾患以外の組織にも感染し、心内膜炎、心筋炎、肝炎、関節炎、角結膜炎、頸部リンパ節炎、脳炎を起こすこともあります。

 この病気にはワクチンはなく、抗菌物質が発見される以前には感染者の15~20%は死亡しましたが、現在では適切な治療さえ行えば死亡者は1%以下に減少しています。

■オウム病の治療

オウム病はクラミジア・シッタシによって起こるので、クラミジア・トラコマチス肺炎と同じ治療法が用いられるのが一般的です。
治療には抗菌薬が用いられますが、大切なのは抗菌薬が細胞内にしっかり浸透するということです。
ペニシリン系やセフェム系などのβ(ベータ)‐ラクタム系薬は細胞内移行がしづらく、ターゲットとなる細胞壁にはクラミジアは見られないため、クラミジアの勢いを抑えることがむずかしいとされています。

マクロライド系薬、ニューキノロン系薬(レスピラトリー・キノロン)、テトラサイクリン系薬、ケトライド系薬は細胞内で移行しやすく、しかもクラミジア増殖を抑える効果が高いので、これらをつかって治療を進めていきます。
それぞれの薬剤の最小発育阻止濃度(MIC)については、クラミジアの種類による違いは見られません。
また、現時点でクラミジア・トラコマチス以外の野生株の耐性化の確認はなされていません。
抗菌薬の投薬が問題なくできれば、ほとんどの人が1週間ほどで治ると言われています。
投与期間に関しては、通常感染の細菌性肺炎の場合は7~10日ほどがほとんどですが、クラミジアの場合は2週間程度行うことが推奨されています。

症状が悪化している場合は点滴によって薬剤を投与しますが、症状が軽くなったら経口剤に変更します。
症状が全身へと広がっている場合は、それを改善するための治療も行われます。
肺炎が両側に拡大した低酸素血症が生じた場合は、呼吸管理や酸素投与などを行うとともに、ステロイド薬をつかって改善させていきます。

■オウム病の予防

オウム病に関しては、鳥用と人間用のワクチンは現時点では開発にいたっていません。
そのため、自分で気をつけることで感染を予防するしかないのが現状です。
鳥を飼育している人はできるだけ野外で飼うようにして口移しで餌をやるなど、過剰な接触は控えるようにしましょう。
知らず知らずのうちに糞などが付着してしまうこともあるので、鳥にさわったあとは必ず手をきれいに洗うことも大切です。
鳥かごの掃除は頻繁にして、食事をする場所とは離れた場所に設置します。

乾燥した糞は空気中を舞うので、それを吸い込むことでウイルスに感染することがあります。
飼っている鳥が体調を崩しているようなら、動物病院につれていき、検査を受けることをおすすめします。
新たに小鳥を飼うことになったら、2週間以上ほかの小鳥と接触しないようにして健康状態を見ておくようにしましょう。
もしも、飼育中の鳥がウイルスに感染してしまったら、獣医師の指示をあおぐ必要があります。
感染した鳥を放つとほかの鳥や人間に感染が広がる可能性があるので、鳥かごのなかに入れておくようにします。

糞やこまかい羽毛が飛ぶと感染しやすくなるので、鳥かごのまわりをなにかで覆うなどして対策をとることが大切です。
鳥かごは清潔にしておく必要があるので、毎日消毒をして、消毒後は手をきれいに洗浄します。
適切な処置をしていれば、オウム病のリスクはかなり回避できます。
また、クラミジアを保有していたとしても、必ず人間に感染するというわけではないので、過度にこわがらずにきちんと対処することが重要です。

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