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山本幸三地方創生大臣の「大英博物館は改装に反対する学芸員クビにして成功」発言のソースは?

更新:共同通信が、山本幸三地方創生担当相の当初の「大英博物館の改装に関する発言」は、取材の結果、事実確認できず、と伝える。 山本氏発言、一部誤認 文化財保護や海外事例 - 共同通信 47NEWS 2017/4/17 21:42

更新日: 2017年04月22日

雨男さん

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【目次代わりの要旨】

山本幸三地方創生担当相が、2017年4月16日の講演後の質疑で「学芸員はがん」発言

山本大臣は、その学芸員批判の中で「外国の有名博物館も、改装に抵抗する学芸員を全員クビにして成功した」と例示した

山本大臣が例示した「抵抗する学芸員を全員クビにした外国の有名博物館」とは、大英博物館のことだった

山本大臣は、2017年3月9日の参院内閣委でも「大英博物館が、改革に抵抗する学芸員を全員クビにした」と答弁していた
国会答弁では、より詳細に「ロンドン五輪の文化プログラムで、大英博物館は大改装を計画し、それに抵抗する観光マインドがない学芸員は全部クビにして成功した」と話している

ただし、この「ロンドン五輪の改装で大英博物館が学芸員をクビ」の日本語ソースはネットではなかなか見つからない

もしかして、ニール・マグレガーの大英博物館改革のことか?

04.16 23:15
山本幸三大臣が話す「大英博物館の中の壁を取っ払って、真ん中に人が集まるところをつくって、そこからいろんな部門に行くという」改装はグレート・コートのことか?

04.17 11:27
「ロンドン五輪の改装で大英博物館が学芸員をクビ」の事例は本当にあったのか?を東京大学准教授が文献調査した結果、事実確認できず

山本幸三大臣の、学芸員批判の元ネタは? 誰の受け売り?
デービッド・アトキンソン氏の話が元ネタか
山本幸三大臣の発言の随所に、デービッド・アトキンソン氏の影響が見られる
デービッド・アトキンソン氏は、政府の「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」のメンバーにも名を連ねるなど、政府の観光政策に関わる人物


4/17 21:42
共同通信が、山本幸三地方創生担当相の当初の「大英博物館の改装に関する発言」は、取材の結果、事実確認できず、と伝える

04月20日 07時54分
ハフィントンポストが、大英博物館に山本幸三大臣の発言の真偽を確認→「明らかな事実誤認」と全面否定したと伝える

4月21日
山本幸三大臣が、国会審議の場で、「ロンドン五輪の改装の際に大英博物館が観光マインドのない学芸員をクビ」にした事例は事実誤認だったことを認めて謝罪訂正した。

山本幸三地方創生担当相が、2017年4月16日の講演後の質疑で「学芸員はがん」発言

山本幸三大臣は、その学芸員批判の中で「外国の有名博物館も、改装に抵抗する学芸員を全員クビにして成功した」と例示した

外国の有名博物館が改装した際のことを引き合いに出し、「学芸員が抵抗したが全員クビにして大改装が実現した結果、大成功した」などとも述べた。

出典「学芸員はがん。連中を一掃しないと」 山本地方創生相:朝日新聞デジタル 2017年4月16日20時21分

山本幸三大臣が例示した「抵抗する学芸員を全員クビにした外国の有名博物館」とは、大英博物館のことだった

その上で、外国人に十分な説明ができていないと指摘。大英博物館も学芸員を辞めさせて成功したとして批判した。

山本幸三大臣は、2017年3月9日の参院内閣委でも「大英博物館が、改革に抵抗する学芸員を全員クビにした」と答弁していた

山本幸三大臣の3月の国会答弁では、より詳細に「ロンドン五輪の文化プログラムで、大英博物館は大改装を計画し、それに抵抗する観光マインドがない学芸員は全部クビにして成功した」と話している

○国務大臣(山本幸三君)

 ロンドン・オリンピックのときに観光を盛り上げるという意味で成功したと言われているのが、文化プログラムをつくって、ロンドンのみならずイギリス全体の美術館、博物館を観光客のために大改革をしたんですね。例えば、大英博物館の中の壁を取っ払って、真ん中に人が集まるところをつくって、そこからいろんな部門に行くというように全部やり替えました。そのときに一番抵抗したのが学芸員でありまして、そのときは観光マインドがない学芸員は全部首にしたというんですね。それぐらいの取組をやって、その後、ロンドンにまさに大英博物館を始め大変な観光客が継続して続くようになりまして、オリンピック終わってもにぎやかさを保っているというようなことであります。

公明党の西田実仁参院議員の質問に対しての、山本幸三地方創生担当相の答弁

大英博物館が学芸員をクビにする改革を行ったのは、2012年のロンドン五輪の時のことだそう。

ただし、この「ロンドン五輪の改装で大英博物館が学芸員をクビ」の日本語ソースはネットではなかなか見つからない

もしかして、ニール・マグレガーの大英博物館改革のことか?

山本幸三大臣が話す「大英博物館の中の壁を取っ払って、真ん中に人が集まるところをつくって、そこからいろんな部門に行くという」改装はグレート・コートのことか?

「大英博物館の中の壁を取っ払って、真ん中に人が集まるところをつくって、そこからいろんな部門に行くというように全部やり替えました」というのは、ノーマン・フォスターによるグレート・コートのことだと思うのですが、これは、オリンピック開催… twitter.com/i/web/status/8…

「大英博物館の中の壁を取っ払って、真ん中に人が集まるところをつくって、そこからいろんな部門に行くというように全部やり替えました」というのは、ノーマン・フォスターによるグレート・コートのことだと思うのですが、これは、オリンピック開催決定の4年前の2001年に完成しています。

訂正です。グレート・コートは、2000年12月6日にオープンしたので、2001年完成ではありませんでした。失礼しました。 twitter.com/kenji_kajiya/s…

この大改装が行われたのは、1997年までそこにあった大英図書館がセントパンクラスの新館に移ったからで、オリンピックのためではないですよね。

「観光マインドがない学芸員は全部首にした」事実があったかは分かりません。ロンドンオリンピックの文化プログラムを含むイギリスの文化政策については研究が進んでいるので、明日調べてみます。

山本大臣の話の元ネタはロンドンオリンピックの際の大英博物館改装に纏わる話らしい。改装があったことや、オリンピックが観光庁の計画通りインバウンド利益を得られたことは資料として見つかった。しかし、肝心の学芸員が抵抗して全員解雇になったこと、その背景を示す資料が見つからない。

「ロンドン五輪の改装で大英博物館が学芸員をクビ」の事例は本当にあったのか?を文献調査した結果、事実確認できず

調べました。ニール マグレガー館長の時代に大英博物館が人員削減をしたのは事実ですが、「観光マインド」に関する記述は見つかりませんでした。おそらく事実ではないでしょう。以下はこの本の102-103頁の記述です。 amazon.com/dp/1781685916/

Cultural Capital: The Rise and Fall of Creative Britain Paperback – November 11, 2014
by Robert Hewison (Author)

大英博物館は長らく赤字体質で、文化省の勧めで投資銀行出身のスザンヌ・タヴァーンがマネージング・ディレクターになり、研究者出身の館長ロバート・アンダーソンとともに二人体制で館の運営にあたることになった。

タヴァーンは、館運営の現代化、人員削減、コスト削減に着手したが、後任の館長にはなれないと悟り2001年に辞任した。辞任時に「遺物の世話をするキュレーターという聖職。彼らが、組織のこの聖なる炎を担っている」と述べたが、これはキュレーターに対する負けを認めたということでしょう。

アンダーソンの後任がマグレガーで、スタッフと意思疎通を図り、館の士気と評判は徐々に回復したが、赤字が600万ポンド超まで増えそうだったので、人員削減を続けざるを得なかった。2004年に政府の支出見直しで博物館の年間予算が4000万ポンドに増えるまで状況は変わらなかったとのこと。

すみません。スザン「ナ」・タヴァーンで、マネージング・ディレクターになったのは1999年です。こういう記事もあります。 telegraph.co.uk/news/uknews/13… theguardian.com/uk/2001/sep/15…

British Museum turns to 'national treasure' | UK news | The Guardian
https://www.theguardian.com/uk/2001/sep/15/arts.highereducation

British Museum chief quits after two years - Telegraph
http://www.telegraph.co.uk/news/uknews/1339911/British-Museum-chief-quits-after-two-years.html

山本幸三大臣の、学芸員批判の元ネタは? 誰の受け売り?

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