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エディンバラ公、公務から引退……のはずが、ネット上に「お悔やみ」とフェイク・ニュースが飛び交う事態に

「バッキンガム宮殿で、夜中にスタッフ全員を集めた緊急会議が召集された」というニュースで、根拠のない憶測とフェイク・ニュースが大量発生……そして最終的にバッキンガム宮殿が発表したのは、多くの人が「夜中の緊急会議」から考えていたような事態とは程遠い「引退」の予定でした。

更新日: 2017年08月03日

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nofrillsさん

英国時間2017年5月4日未明のこと……

全英各地の自治体の議会選挙などが予定されているこの日、まだ人々が寝静まっているときに、マスコミが王室に関するニュースで速報を打ち始めた。

※英国と日本の時差は8時間なので(夏時間)、このページのタイムスタンプで10時台=英国では2時台。

The Queen’s most senior aides called her entire household to the emergency meeting dailym.ai/2p7lTy8

her entire householdは、端的に言えば「スタッフ全員」:
https://en.wikipedia.org/wiki/Household_of_Elizabeth_II
"The Royal Households of theUK consists of royal officials & the supporting staff of the British Royal Family, as well as the Royal Household which supports the Sovereign"

つまり女王の最高位のスタッフがスタッフ全員の緊急会合を召集した。

Entire Queen's household is called to Buckingham Palace for ‘emergency meeting' dailym.ai/2qBnXjB

バッキンガム宮殿での緊急会合を報じるヘッドライン。

デイリー・メイルは王室のニュースについてはいろいろと早い媒体で、王室に関心の高い多くの人々がフォローしている。

上記のフィードを受けて、「心配だ」という内容のツイートが相次いで投稿されている。

「こんな夜中にスタッフ全員の緊急会合だなんて、考えられるのは……」という「個人のつぶやき」だ。

エリザベス女王は1926年4月21日生まれで91歳になられたばかり。
https://en.wikipedia.org/wiki/Elizabeth_II

ご夫君のエディンバラ公(「フィリップ殿下」とも)は1921年6月10日生まれでもうすぐ96歳。
https://en.wikipedia.org/wiki/Prince_Philip,_Duke_of_Edinburgh

お二人の年齢からみても人々が「心配」するのは当然だろう。

▼この日、エディンバラ公はいつものように公務をこなしていた。

Prince Philip, 95, at Lord's cricket ground, uttering one of his favourite lines: pic.twitter.com/pltAwfbhai

BBCのハント記者のツイート。「ロード・クリケット場でのフィリップ殿下(95歳)が、お気に入りのフレーズを口に」

何かの記念の銘板の除幕式。お元気そうである。

@SREVELAINARCAD1 @BBCPeterHunt "World's most experienced plaque unveiler"

ちなみにその「お気に入りのフレーズ」とは、「どうも、世界で最も経験豊富な銘板除幕係です」

「しかし、こんな夜中にバッキンガム宮殿のスタッフ全員を呼び集めての緊急会合などということになっているのだから、大変なことが起きているに違いない」という人々が、その感情をネットで表明する。

そしてほどなく、「うわさ」が発生する。

それも、たいていの人は寝ている時間帯にある英国でではなく、たいていの人が活動している時間帯の米国で。

If rumors online are true, God Bless #PrincePhilip #RIP

(この方は、プロフィールを見るとアメリカの反トランプ、#Resistの方)

Rest In Peace, Prince Philip. #LongLiveTheKing

(この方、プロフ見るとアメリカのトランプ支持者)

@chrisadelaide I am unfamiliar with the formalities of the brits - apologies!

(「イギリスのそういうことはよく知らないのです、失礼しました」という謝罪。でもそういう「よく知らない人、なんとなく知ってるだけの人」の耳・目に入るほど、その「うわさ」は広く拡散したということでもある)

上に見たようなストレートなもののほか、「~なのだろうか」の疑問の形式で書かれたものや、大変にロマンチックな内容のもの(「お二人はとても深く愛し合っているので…以下略…」というもの)など、「うわさ」はいろいろな言語表現をまとってネット上に拡散。

しかし……

BREAKING NEWS -- Lots of speculation about the health of #PrincePhilip. London newspapers so far no saying anything official.

米CBSの西海岸のジャーナリスト。「フィリップ殿下の健康についての推測がたくさんツイートされていますが、今のところロンドンの新聞からは何も公式な情報はありません」

No confirmation at all, but many rumors as we wait for Buckingham Palace to announce something #PrincePhilip twitter.com/Guardian_Edito…

カナダのニュースキャスター。

参照しているツイートのアカウント名がややこしいんだけど、英国のガーディアン紙ではなく、オーストラリア(こちらも活動時間帯)のどこかの地域紙で「なんとか・ガーディアン」という名称の媒体のアカウント。下記参照。

Meeting sparks widespread speculation about the Queen’s or Prince Philip’s health: ow.ly/wTdo30bpPDc fb.me/13GPvIegm

※英国のガーディアンとはまったく関係のないオーストラリア(こちらも活動時間帯)の地域媒体のアカウント。

参照先URLはオーストラリアの報道。

I'm not even British & I'm not prepared for whatever news is forthcoming from #BuckinghamPalace, no matter #PrincePhilip or #QueenElizabeth.

「英国人でさえない私でも、そういうことだったらどうしようと気がかりでなりません」というツイート。

こうしてハッシュタグでがんがん発言することで、この人は「私の個人的な心配」を「巷間ささやかれるうわさ」にすることに貢献している。おそらく、「そういうことだ」というのを疑っていなかったのだろう。そういう場合、こういうハッシュタグの使い方はとても自然なことだ。私だってやってるかもしれない。

@RoyalFamily UNCONFIRMED reports that Prince Philip, Duke of Edinburgh, and the husband of Queen Elizabeth II, has died @AlBoeNEWS

しかし、こういうツイートになると、「何がしたいの?」と思わざるを得ない。@RoyalFamilyは英王室の(広報の)アカウントだ。そこに宛てて「未確定情報ですが、フィリップ殿下が亡くなったと」とツイートすることに、何の意味が?

そして最後に書き添えているAl Boe Newsというのは、オンラインのニュースサイト(私は見たこともないのでどういうサイトなのかわかりません)。

Emergency meeting called at #buckinghampalace Highly unusual -countrywide all staff #PrincePhilip

米Fox Newsのアンカーパーソン。はっきりしている事実だけを書いている。ジャーナリストとしては普通のことだ。

I wish people would stop speculating on news from #BuckinghamPalace no announcement of anything yet, #PrincePhilip #Queen

「勝手に憶測をめぐらせるのはやめてほしい」とハッシュタグを使って発言。「まだ何の告知もなされていない」

▼しかし「うわさ」はステップアップする。

Many British news outlets reporting Prince Phillip husband if Queen Elizabeth has died#PrincePhilip #QueenElizabeth

「英国の多くの報道機関が報じているが」って、どこも報じてないですよ。(ソースも沿えずにこういうことを言うアカウントには要注意。しかも husband of と書くべきところを、husband if としている。よくあるタイポだけどあまりに雑)

ツイート主のプロフでは「誇り高き保守で孫を持つ祖母」「ウィスコンシン在住」といったことしかわからない。

▲もちろんこれ↑にはツッコミが入っている。

@holly1950 None in fact.

このほかにも2件、同じ内容のツッコミがあるが、ツッコミにツイート主は答えていない。デマ屋のアカウント、もしくはデマ屋に踊らされるアカウントと判断しといていいんじゃないかな。

▼おりしも今日はMay the 4thなので……

▼さらにあのWeekly Standardの人から、「そこか」というツッコミも……

REMINDER TO TWITTERVERSE It's Prince Philip, not 'Phillip' #PrincePhilip #DukeofEdinburgh pic.twitter.com/7zNesXdi1z

「Philipの綴りのLは2つではなく1つです」

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