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海自P-3C哨戒機をマレーシアに無償供与、中国の海洋進出に対抗

日本政府は中国の海洋進出に対抗するために、マレーシアに海上自衛隊のP-3C哨戒機を無償供与することを検討しています。これはマレーシア側からの要請に基づいたもので、日本政府は法改正により無償供与を可能にし、防衛装備供与の初の事例にする見込みです。

更新日: 2017年05月13日

Parabellumさん

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マレーシアに海上自衛隊P-3C哨戒機を無償供与

政府は海上自衛隊のP3C哨戒機のうち、使わなくなった中古品をマレーシアに無償で供与する方針だ。

南シナ海での同国の監視能力の向上を後押しし、海洋進出する中国をけん制する狙いだ。

P-3C哨戒機とは

P3Cは水上の船舶と潜水艦をレーダーで探知して監視する哨戒機だ。アメリカ,ロッキード・マーティンが開発し、日本の川崎重工業がライセンス生産してきた。

出典ameblo.jp

レーダーを利用して海上を航行する艦船や潜水艦を探知しする。また、磁気探知機やソノブイ(水中聴音器を付けたブイ)により潜水艦の発する磁気や音を探知して、海中の潜水艦を発見する。

長距離、長時間の哨戒能力と各種装備の搭載量も大きく、世界でもトップクラスの対潜機として米海軍をはじめ多くの国で使用されている。

出典ameblo.jp

長距離・長時間の飛行が可能であり、大型のレーダーなどを搭載できることから、離島周辺や排他的経済水域(EEZ)の警戒監視に役立っている。

海上自衛隊の保有するP-3Cは最新型のアップデートIIIAで、レーダー、ESM、赤外線探知システムなど各種の対潜捜索・探知装備とこれらの情報を総合的に処理する大型デジタル・コンピュータを搭載し、対潜爆弾、魚雷、対艦大型ミサイルなどの大型武器も搭載できる。

探知した水上艦艇には空対艦ミサイルを用いたアウトレンジ攻撃を加え、潜水艦には短魚雷や対潜爆弾を利用した攻撃を行うことができる。

2014年の海上自衛隊のP-3C保有数はまだ73機あるが、国産新型哨戒機の「P-1」が登場した事で退役が近づいている。

退役するP-3C哨戒機を修理・改造の上でマレーシアに譲渡

黄色の部分が水上目標を探知する高性能レーダー「AN/APS-137逆合成開口レーダー」である。

防衛装備の無償供与には法改正や協定締結が必要に

現行法では、自衛隊の装備品など国の財産を他国に供与する場合、対価が必要だ。

自衛隊が使った中古の防衛装備品については、武器などの輸出を定めた「防衛装備移転三原則」で売却か貸与をすることが可能になりました。しかし、無償で渡すことはできず、去年、フィリピンには海上自衛隊の練習機を1機約70万円で貸与していました。

フィリピンに貸与された海上自衛隊の練習機。フィリピン側は無償譲渡を希望していたが、日本側は財政法により無償譲渡はできないとして貸与の形となった。

今国会で審議中の防衛省設置法改正案が成立すれば、無償で引き渡すことができる。

日本政府はこの法が通過し次第、マレーシアに対するP3Cの無償供与手続きを踏む計画のため、外国に武器を無償で供与する初の事例になるものと見られる。

政府が外国に装備品を供与するには「防衛装備品・技術移転協定」の締結が必要。マレーシアとの合意を急ぐ。装備品の輸出や共同開発を認める「防衛装備移転三原則」も満たす必要がある。

政府は中国への装備品や関連技術の流出を危惧しており、そうした懸念も審査する。P3Cの開発元が米企業のため、米政府が定める国際武器取引規則(ITAR)に基づく承認も得る予定だ。

P-3C哨戒機には米国のロッキードマーティン社の技術が使われているので、日本からマレーシアに輸出するには米国の許可がいる。マレーシア政府は中国の海洋進出を受けて、米国との関係強化を図っているが、マレーシアのナジブ首相は親中派と見られていることから許可が出るかは不透明である。

日本政府は中国に対抗するためASEAN諸国との協力深める

日本は中国の海洋進出に直面する東南アジア諸国連合(ASEAN)各国との防衛協力を深めている。装備品協定はフィリピンと締結ずみでインドネシアとは交渉中。ミャンマーやカンボジアには軍の災害時の救難やインフラ整備などの能力構築支援をしている。

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