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防衛省・自衛隊の弾道ミサイルへの対応はどうなっているのか?

北朝鮮による弾道ミサイル発射テストが繰り返されています。我が国は万が一ミサイルが発射された場合、迎撃出来るのでしょうか?THHADやイージス・ショアについても記載しました。

更新日: 2018年05月16日

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護衛艦「きりしま(DDG-174)」がSM-3ブロック1Aによって高度160kmで分離型準中距離弾道ミサイル標的の迎撃に成功。した際の動画

日本海及び東シナ海にイージス艦を3隻配備したさいの防衛範囲

②パトリオットPAC-3による迎撃

現在、弾道ミサイルの終末局面(ターミナルフェイズ・再突入から着弾期)での迎撃を行うのは航空自衛隊の高射部隊が保有するパトリオットミサイル PAC-3であり、その攻撃を行うための目標の捕捉・追尾を行うのは、地上配備型の警戒管制レーダーFPS-3改とFPS-5である。

全長:5m
直径:0.25m
重量:300kg
射程:15~20km
速度:マッハ5

PAC-3の弾道弾ミサイルへの直撃。煙を引いているのはACMの噴煙。左下から上昇してくる物体がPAC-3である

パトリオット・ミサイルは射程自体は極めて短い(20km程度)ものの、瞬間的に加速して目標に到達し、弾頭を直撃させることで弾道ミサイルが着弾する直前に撃墜します。

パトリオットは射程が短く拠点の防衛にしか使えません。

防衛省・自衛隊は、北朝鮮の弾道ミサイルを防ぐことができるのか?

北朝鮮のもつ弾道ミサイルのうち、我が国にとってはノドンが主脅威です。発射は移動式発射車両(TEL)を用います。

ノドンを発射する肝心のTELは50基ほどと見積もられています。つまり、一斉発射できるノドンは最大でも50発程度でしょう。

日本ではSM-3を発射・誘導できるイージス艦を現行の6隻から2隻増やし、20年度には全8隻とする予定。また27年度中に、地対空ミサイルを装備する部隊「高射群」の6群全てにPAC3を配備する予定だ。

SM-3を用いたイージスBMDの迎撃試験はこれまで32回実施され、そのうち26回の迎撃に成功しています。迎撃率は81%です。高い数字だと言い切ってよいでしょう。

SM-3が万一撃ちもらした場合は、PAC-3が対応します。航空自衛隊の全24高射隊(各高射隊に発射機5基)で384発のPAC-3が発射できます。

ミサイル防衛能力を強化するために、THHADやイージス・ショアの追加が検討されています。

安倍政権は、北朝鮮の核・ミサイル開発に対して、弾道ミサイル防衛の能力向上を目指し、
 ③米軍最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THHAD)」や、
 ④地上配備型イージスシステム「イージス・アショア」の
自衛隊導入などを検討するとみられる。

③高高度防衛ミサイル(THHAD)とは?

THAAD(Terminal High Altitude Area Defense missile)

車輌で運用が可能な迎撃ミサイルであり、どこにでも配備できるのが強みです。スタンダード・ミサイル3に比べると射程は遥かに短いですが、パトリオット・ミサイルに比べると長射程であり、中間的な運用が可能となっています。

THAADがカバーできる範囲は一つの都市圏とされています。

THAADは、ミッドコース上位をカバーするSM-3(イージス艦)と終末フェーズのPAC-3との間(ミッドコース下位~終末フェーズ)を担当する。

④イージスシステムを陸上に設置する「イージスショア」

イージス・ショアは、海上自衛隊の護衛艦にも搭載されているイージス艦の設備をそのまま陸上に配備するものです。

イージス・アショアはロッキード・マーチン社が開発したものであり、具体的には地上にレーダーや迎撃用の「SM3ミサイル」を配備した施設です。この施設は一見、イージス艦の艦橋に似ており、「陸上型イージス」と呼ばれる所以です。費用はPAC3などと比較すると高コストです。

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