あれから8年。辞退者が増え続ける「裁判員制度」のいま

平成21年5月21日からはじまった裁判員制度。8年が経った“いま”をまとめてみました。

更新日: 2017年05月23日

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いま、「辞退」する人が6割以上!?

平成21年は53.1%だったのに対し、おととしは64.9%に

「70歳以上」の方や、「事業上の重要な用務を自分で処理しないと著しい損害が生じるおそれがある」場合など、正当な理由があり、裁判所から認められれば事前に辞退は可能。

大阪地方裁判所の裁判員裁判で、裁判員3人が相次いで辞任を申し出たため18日に予定していた公判が開けない事態となりました

さらに、当日に「辞退」することにより、人数が足らなくなるという事態にも。
※選任手続の当日、裁判長から裁判員候補者に対して、辞退希望の有無を聞かれます

辞退が増えてる理由は…

「参加したことはよかったけれど、給料を見てがく然としました。携帯の料金を支払えず、食費などを切り詰めて1か月間過ごしました」

被告が起訴内容を否認、共犯者と証言が食い違うこともあり、「被告の言葉をどこまで信じていいか迷った」

「議論して出した結論なので、間違いはない」と言っているのですが、あとから迷いが出てきて、「もしも間違っていたらどうしよう」

2013年には、実際に国賠訴訟が提起され話題に。

遺体の写真を見せられたということが原因でPTSDを発症した、2013年8月にその国賠訴訟が提起されるや、これが一斉に報じられ、裁判所も「辞退」を緩やかに判断することにしたことが辞退率の上昇に拍車を掛けました

制度の根幹を揺るがす問題も。

破棄率は、10年が4.6%。11~13年も1桁台だったが、14年に11.3%、15年には14.2%にまで上昇し、16年は約13%

どうしても専門の裁判官による調整が必要になる場合があるらしい。

偶然によって選ばれた人たちの哲学(なのか感情なのか…)によって結論が異なる、しかも死刑か無期かで異なるというのは、法治国家では到底、容認し得ない

裁判員の女性2人に「もうある程度刑は決まっとるんやろ」「あんたらの顔は覚えとるけんね」などと声を掛けて脅し、組幹部に有利な判決をするよう依頼した

これ以来、安全が保証できない事件に裁判員は関わらないという流れに。

裁判員が安心して審理などを行えるかどうかという問題に大きな影を落とすもので、制度の根幹に関わる

制度自体の改革案も

「制度開始から8年となるこの機会に、制度の公共的な意味をもう一度捉え直し、雇用形態にかかわらず参加しやすい仕組みを作り直してもらいたいし、裁判所も企業側に理解を求めていく必要がある」

裁判員の制度設計に携わった國學院大学法科大学院の四宮啓教授。

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