1. まとめトップ
  2. 雑学

400年来の謎を持つ不思議なガラス『ルパートの滴』がすごい

ハンマーで叩いても壊れず、銃弾すら粉々に砕いてしまう驚異のガラス「ルパートの滴(別名:オランダの涙)」。最近その原理が解明され、ガラスの技術革新が期待されています。

更新日: 2017年06月11日

372 お気に入り 150719 view
お気に入り追加

この記事は私がまとめました

『ルパートの滴』『オランダの涙』と呼ばれる不思議なガラス

Prince Rupert's Drops
オタマジャクシのような形をしたガラス。
「プリンス・ルパートの滴」という名前は1661年にイギリスで行われた実験に立ち会ったカンバーランド公ルパートにちなんでいる。

プリンス・ラパートの滴はオランダの涙とも呼ばれる溶融させたガラスを冷水に落として作られる珍しいガラス。

17世紀にはヨーロッパのガラス工房でその存在が知られていた。

400年前からその存在が知られていましたが、このガラスの持つ特性の原理はずっと不明でした。

溶けたガラスを水に落として出来る滴のような形をしたガラス(ルパートの滴、オランダの涙)は驚異的な強度を持っている。

ルパートの滴の頭部は圧倒的な強度を持っており、このようにハンマーで叩いても壊れない。

このガラスに38マグナムの銃弾を当てると銃弾の方が粉々に粉砕されてガラスはビクともしない

銃弾を当てても壊れるどころか、銃弾の方が粉々に。

ルパートの滴の作り方はとってもシンプル

ルパートの滴の作り方は至ってシンプル。ソーダ石灰ガラスや鉛ガラスのように高い熱膨張係数を持つガラスを冷たい水に垂らして、急激に冷すだけ

高温で溶けたガラスを、冷水に垂らし固めるだけ。

水中に落ちた溶融ガラスはオタマジャクシの尾が細長くなったような滴型に冷却される。

冷たい水を張ったバケツの中に溶けたガラスを一滴垂らすと、17世紀のアマチュア科学者の名前にちなんだこのガラスの球は、圧力の塊となる。

ルパートの滴の驚きの特性

頭部が驚異的な硬度を持つ一方で、尾部をつまむと、全体が一瞬で粉砕する。

頭部はハンマーによる打撃にも耐えられるが、尻尾部を折ると全体が爆発的に破砕する。

頭部の強度に対し、尾部は脆く、尾部が破壊されると全体が一瞬に砕け散ります。

尾の部分が破損すると、不定形の原子構造に蓄えられた巨大なポテンシャルエネルギーが解放され、それが超高速で材料中を伝播し破砕する。

最近になって、超高速ビデオを使った破砕実験により尻尾部分で開始されるき裂前縁が超高速(1,450 - 1900 m/s、空気中でマッハ 5.5)で頭部の張力ゾーンへ向かって伝播するのが明らかにされた。

ルパートの滴が一瞬にして砕け散る様子。

尾部の衝撃が一瞬で頭部まで伝わり、粉々になっています。
それにしても砕け方が美しい…。

ルパートの滴の不思議な原理

この滴が急速に冷えることによって外側が内側より速く冷却され、外側の層に極端な圧力がかかり、逆に内側には強く引力が働きます。これらの力によって、ルパートの滴の一端に驚くべきほど強い硬さが生まれるのです。

通常内向きの張力はガラスをもろくしますが、外側に対抗する圧力がかかっているため、銃弾で打たれても壊れないような強いガラスになります。

これは強化ガラスの考え方と同じとのこと。

内側に向かって全力で押し込んだまま安定しているため、外から力を加えてもそう簡単にわれたりしませんが、尻尾を折ってあげると、そこから力が逃げ、崩壊します。

尻尾の切断で内部にまで傷が入ることで、強い引っ張り合いの均衡が崩れ、ガラス本体にまでその亀裂の影響が及ぶものと考えられる。

ルパートの滴の原理を解説している動画。
ルパートの滴を作っている場面も。

将来的には応用した技術も期待されている

研究者たちは、複雑な数学の技術を使って写真を処理し、滴内部の圧力を計算しました。6.4平方センチ(1平方インチ)あたり50トンもの圧力がかかっているため、滴の頭の部分だけではありますが、鉄と同じくらいの強度があったのです。

これらの研究は、将来的にスマートフォンやタブレットの液晶ガラスへの応用が期待されています。

もし、ルパートの滴のような液晶ガラスができたら、落としても割れないどころか、銃弾をはじくことができるようになるかもしれません。

1 2