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ソロモン王の物語をざっくり解説してみる(旧約聖書)

『旧約聖書』に登場する賢王ソロモン。名前は聞いたことはあるけれど、どんな人だったの?ソロモンの物語をイラストと共にざっくりまとめてみました。

更新日: 2017年06月18日

mojataroさん

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ソロモン(Solomon)

'The Visit of the Queen of Sheba to King Solomon', Edward Poynter, 1890

賢王で有名なソロモン。彼は『旧約聖書』に登場する人物です。彼はダビデの子で、ダビデの後を継いだイスラエルの王でした。

彼はイスラエルの首都エルサレムに、神(ヤハウェ)の神殿を建てました。また、非常に賢い王で、イスラエルを平和と繁栄に導きました。ソロモンの治世はまさにイスラエルの歴史上の絶頂期、富と平和の象徴でした。しかし、そんな彼も、晩年は偶像礼拝の罪をおかし、その結果、イスラエルの王国は北と南に分裂していってしまうのでした…。

今回は、ソロモンが聖書の中でどのような人物として描かれているのか、分かりやすくそのおおまかなライフストーリーをご紹介したいと思います。

誕生

ソロモンの父親はダビデです。ダビデは、サウルに次ぐ二代目のイスラエルの王でした。ユダヤ人の間で理想の王として親しまれているダビデですが、そんな彼も人生の中で大きな失敗をしたことがありました。

ある時、ダビデは水浴びしている美女(バテ・シバ)を屋上からうっとり眺めていました。そして、彼女を王室に呼びよせ、一夜を共にします。しかし、彼女にはすでにウリヤという夫がいたのです。あろうことか、バテ・シバはダビデの子を身ごもってしまいます。ダビデはその罪を隠し通そうと画策しますがうまく行かず、ついにウリヤを激しい戦地に送り出して死なせてしまったのです。

「ダビデ王の手紙を手にしたバテシバの水浴」レンブラント,1654年

ダビデはこの罪について預言者ナタンに強く責められますが、罪を悔い改めた為に命は容赦されます。しかし、バテ・シバが妊娠していた男児は生まれてすぐ死んでしまいました。その後、二人の間にソロモンが生まれます。

ソロモンという名はヘブライ語で「平和」を意味します。後に王となるソロモンの統治の特徴はまさに「平和」と繁栄でした。彼には他にもエディデヤ(「主に愛された者」の意味)という名もありました。

ソロモンの王位継承

ソロモン王の統治については、『旧約聖書』の中の『列王記』と『歴代誌』に書かれています。

ダビデ王も老齢となって寝込むようになると、王室の家来たちはアビシャグという美しい娘を連れてきて、王の侍女とします。しかし、ダビデが彼女と交わることはありませんでした。

「老王ダビデを温めるアビシャグ」ペドロ・アメリコ,1879年

ちょうどその頃、王位継承を巡って対立が起こりました。ダビデはバテ・シバとの子ソロモンに王位継承を約束していましたが、ハギトとの子アドニヤが自ら王位に就こうと画策しました。ダビデはアドニヤを甘やかして育てていたようです。

アドニヤは、ダビデの軍の長ヨアブと祭司アビヤタル(祭司エリの末裔)を味方につけました。一方、祭司ツァドク、戦士ベナヤ、預言者ナタンなどは、ソロモンを支持しました。ここに、ダビデ王の次の王権をめぐって、”アドニヤ派”と”ソロモン派”の対立が生じたのでした。

さて、アドニヤたちはソロモン派の人々を招待せずに、アドニヤ派だけで集まって、アドニヤに王位継承の儀式を行いました。ソロモン派の預言者ナタンは、これを知るとすぐに行動します。そしてバテ・シバに頼みます。「貴女が王の部屋に行って、『アドニヤが王になりましたが、王は私の子ソロモンが王になると約束されたのではなかったのですか?』と訊ねて下さい。その後から、私も部屋に入っていきます。こうして王の意志を確認するのです」と。

”David ,Bathsheba and Abishag” Frederick Goodall, 1822-1904

バテ・シバはダビデの部屋に行き、その通りに訊ねると、ダビデはソロモンが次の王になると神に誓って宣言しました。そしてダビデは、祭司ツァドク、戦士ベナヤ、預言者ナタンを呼んで、ギホンに下っていって、そこでソロモンに油をそそぐ(王に任命する)ように命じます。こうしてソロモンに正式に王位が継承されました。そして、角笛が鳴らされると、イスラエルの民は大歓声を上げて王を迎えました。

民の大歓声は、アドニヤたちにも聞こえてきました。軍の長ヨアブは「あの角笛の音はなんだ?」と問いつけます。すると祭司アビヤタルが、ソロモンが王になったと報告します。アドニヤはそれを聞いて怖れました。そして、祭壇の四隅にある角につかまり、命乞いをします(当時神の祭壇は神聖な領域だったので、その角をつかんでいる限り、誰も手を出せないと考えられていました)。結局、ソロモンは異母兄弟でもあるアドニヤを殺すことはせず、容赦して家に帰らせました。

こうしてアドニヤ派は破れ、ソロモンが正式にイスラエルの王に即位しました。

ダビデ王の遺言と死

ダビデからのソロモンへの遺言の内容は大きく四つありました。

① 神(ヤハウェ)に聞き従いなさい。そうするなら成功を収めるだろう。
② 軍の長ヨアブを処刑せよ。かつて彼はダビデが容赦した者(アブネルとアマサ)を勝手に処刑したから。
③ バルジライの子孫たちを王宮に仕える者とせよ。かつて彼はダビデがその子アブサロムの手から逃げた時、親切にしてくれたから。
④ シムイを処刑せよ。かつて彼はダビデを呪ったが、ダビデは彼を剣で殺さないと誓った。しかし、彼の罪を赦してはならず、私に代わってソロモンが知恵をもって彼を処刑せよ。

こうしてダビデ王は亡くなりました。

王権を固めるための粛清

王に即位したソロモンは、父ダビデの遺言を果たすことで自らの王権を確立するため、知恵をつかって政敵を次々に粛清していきます。

列挙すると、アドニヤの処刑、祭司アビヤタルの追放、軍の長ヨアブの処刑、シムイの処刑となります。

アドニヤの処刑

アドニヤはソロモンの母バテ・シバのもとにやって来て、「ダビデの侍女アビシャグを私の妻にさせてくれるようソロモンに頼んで下さい」と言いました。さっそくバテ・シバはソロモンのもとに話に行きます。ソロモンは母のために座を設けました。そして、バテ・シバがアドニヤの要求について話すと、賢いソロモンはすぐにこれがアドニヤの企みだと気づきました。当時、王の妻は後継者の王としか再婚できないという決まりがありました。アビシャグは侍女に過ぎず、ダビデと交わりをもったこともありませんでしたが、アドニヤは彼女を利用して王位を主張しようと企んでいたと考えられます。

しかし、賢いソロモンを騙すことはできませんでした。ソロモンは怒って、戦士ベナヤを呼ぶと、アドニヤを処刑させました。

祭司アビヤタルの追放

またソロモンは、アドニヤ派だった祭司アビヤタルを故郷に追放し、祭司職を剥奪しました。ところで、アビヤタルは祭司エリの末裔でした。以後エリの家系が途絶えることで、かつてエリに対してなされた神の預言は成就しました。代わって祭司職はツァドクの家系が継ぐことになります。

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mojataroさん

なるべく丁寧に書きたいと思います。