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7年経とうが、スイスに感謝。あのレスキュー隊の金髪娘は誰? 日本にどう来て、何を思った?

7年前、あの震災報道を駆け抜けた幾多の証言写真──その中の一枚、救助犬と一緒に忍耐強く待機する、スイスからの支援隊の女性メンバーを撮った「あの1枚」を ご記憶ですか?

更新日: 2018年10月02日

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海外からの救助支援、その断片を捉えた「この1枚」

REDOGはスイス開発協力庁(SDC)の主管する非営利ボランティア団体で、官民を問わず、有志による国内の救助犬の飼い主(訓練士)および、彼らの救助犬を束ねる組織である。

2011年3月12日午前3時30分、ニコール・ロスの眠りは突然の電話に引き裂かれた。

日本政府は11日、21時(スイス時間11日午後2時)時点で、スイス政府に対し支援を要請。
つまり、スイスの所轄官庁の職員はこの時点で「今夜は帰宅できない」と覚悟、11日の夜を徹して派遣人員の調整と呼出しにあたったことになる。

彼女とベッツィにとって、国外派遣は初めての任務だった。ベッツィは救援機の貨物室で、11時間もの缶詰状態に耐えられるのだろうか? 一抹の不安を胸に、ニコールは10日分のドッグフードを掴んだ…。

10日分? 実際には、滞在6日(うち捜索は4日)で切り上げ撤収している。「想定以上に生存救出にも救助犬にも過酷な気象&被災状況で、帰国を前倒しせざるを得なかった」とする当時のスイス隊員の証言を裏付けている格好だ。

普段のニコール・ロスは"救助隊員"ではなく、スイス軍兵士。

※下の記事↓は震災から5ヵ月後、地元メディア(ベルン州広報)に派遣体験の顛末を取材されたロスさん。当まとめに記載の経過等の記述出典も、この記事に基づく。

報道されたスナップ写真の彼女は「スイス救助犬協会REDOG」の制服を着ているが、彼女の本職はスイス国防軍に所属するスイス兵で、任務は軍用犬の訓練士。
スイスの女性に兵役はないが、犬が大好きだったニコールは訓練士の養成学校を卒業するなり、軍用犬訓練士の採用試験を経て国防軍に採用された……つまり「志願兵」なのである。

スイス開発協力庁(SDC)は、スイス外務省とスイス政府が所轄するスイスの「対外特務」統括機関。①国際援助活動および②東欧など発展途上国に対する開発支援活動の(省庁を横断した)全般的調整と人道援助活動の指揮を担当している。

スイス軍たりとも国土が戦時状況下でない限り、(海外からの公式な支援要請時には)特務機関たるSDCの要請に応じ、必要な装備と人材を(被災国ないし途上国に向け)供出する義務を負う。

したがって、彼女もSDCの「鶴のひと声」で夜中に起こされ、軍から貸与されて以来1日欠かさず共同生活してきたベッツィ(ベルジアン・シェパードの雌犬)ともども、日本に飛ばされたのだ

「核放射線の危険性は認識していました。脅威の多少は"風任せ"で、要は、発電所に対し風下に立たないことでした」─ ニコール・ロス

(無制限設定でFaceBook掲載中の写真)
 
さすが、(女性ながら)泣く子も黙るスイスの兵役を志願するだけあって、ムキムキに鍛えられたボディ。
 
実は左上腕から肩、背筋にかけて「威風堂々なタトゥー」すら^^;彫っておいでになります。

生存者探しは「時間と寒さとの戦い」

「わずかでも生存確率の見込める地区/天候状況の検討のために、捜索活動はしばしば中断を余儀なくされました」─ ニコール・ロス

(無制限設定でFaceBook掲載中の写真)
 
訓練士としても兵士としても「キャリア8年」は まだまだ「駆け出し」。スイスには職業分野を問わず、40代の女性リーダーが大勢いて、中立国スイスの人的パワーを支えている。

特に軍用犬訓練士は、国から授かった同僚犬と(昼夜を問わず)家族同然に共生せねばならず、俗に言うところの恋愛~出産~子育て、という道のりにはハンディを背負う。
 
どうやら「この写真」を撮ったのも、彼女が毅然として選んだ人生を全面的にバックアップしている父親…であるらしい。

被災民からは、逆に感銘も受けた

「行く先々で、大勢の人から労いと感謝の声をかけていただきました。日本人の連帯心は、いささかも揺らぐ気配がありませんでした」─ ニコール・ロス

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