1. まとめトップ

【米中戦争は宿命?!】75%の確率で大国間戦争を起こすとされる話題の「トゥキディデスの罠」とは?

日露戦争、第一次大戦、太平洋戦争もこれが原因だった...歴史上、75%の高確率で大国間戦争を引き起こしてきた「トゥキュディデスの罠」について、誰でもわかるように説明します!

更新日: 2017年07月22日

1 お気に入り 4212 view
お気に入り追加

「Thucydides’s Trap(トゥキュディデスの罠)」とは、「新興大国の台頭は高確率で大規模戦争をもたらす」という仮説のことらしい。

トゥキュディデスの罠とは、現在の米中関係がまさにそうであるように、新しく大国になった国が、元々の大国の地位を脅かすようになるまで成長を遂げた時、新大国側の強い不満や既存大国側の強い恐怖が原因となって、両者が戦争へと引きずり込まれる現象のことです。

China and the United States are heading toward a war neither wants. The reason is Thucydides's Trap: when a rising power threatens to displace a ruling one, the most likely outcome is war.

出典G.Allison, "Destined for War: Can America and China Escape Thucydides's Trap?," HMH, 2017

訳:中国と米国は互いに望んでいない戦争へと近づきつつある。トゥキュディデスの罠が、その理由だ。新たに台頭する国が既存の大国の地位を脅かすとき、戦争こそが最も発生しやすい結末なのである。

なんと、12/16=75%の高確率で、トゥキュディデスの罠が大国間戦争をもたらしているという計算に!

About the Peloponnesian War that devastated ancient Greece, the historian Thucydides explained that "it was the rise of Athens and the fear that this instilled in Sparta that made war inevitable." Those conditions have occurred sixteen times over the past five hundred years. Twelve ended violently.

出典G.Allison, "Destined for War: Can America and China Escape Thucydides's Trap?," HMH, 2017

訳:古代ギリシャを混沌の渦に陥れたペロポネソス戦争について、歴史家トキュディデスは「アテネの台頭と、それによってスパルタ側に引き起こされた恐怖が、この戦争を不可避なものとした」と説明した。これと同様の状況は、過去500年の間で16回発生していて、そのうちの12回では戦争になっている。

「トゥキュディデスの罠」が戦争を引き起こした事例には、もちろん誰もが知っているあの戦争たちも含まれている。

「トゥキュディデスの罠」ケースファイル(一部抜粋)

【1890年代 中国 vs 日本       |結果:戦争(日清戦争)】
【1890年代〜1900年代 ロシア vs 日本|結果:戦争(日露戦争)】
【20c初頭 イギリス・ロシア vs ドイツ|結果:戦争(第1次大戦)】
【20c中盤 ロシア・イギリス vs ドイツ|結果:戦争(第2次大戦)】
【20c中盤 アメリカ vs 日本 |結果:戦争(太平洋戦争)】

出典G.Allison, "Destined for War: Can America and China Escape Thucydides's Trap?," HMH, 2017

If leaders in Beijing and Washington keep doing what they have done for the past decade, the US and China will almost certainly wind up at war.

出典G.Allison, "Destined for War: Can America and China Escape Thucydides's Trap?," HMH, 2017

訳:もしも米中双方の指導者が、過去10年間に彼らがやっていたのと同じようなことを続ければ、米中は、ほとんど確実に、戦争へと引きずり込まれる。

これ、誰が言ってるの?←都市伝説の類と一緒にしてはいけない。

「トゥキュディデスの罠」の主唱者であるハーバード大学政治学部教授Graham Allisonは、『The Essense of Decision(邦題:決定の本質)』という、政治学徒ならば誰でも知っている(べき)古典を著した一流の国際政治学者。

グレアム・アリソン(Graham T. Allison、1940年3月23日 - )は、アメリカ合衆国の政治学者。ハーバード大学ケネディ行政大学院の初代院長。現在は同大学ベルファー科学・国際問題研究センター所長。ダグラス・ディロン記念講座教授も務める。第一期クリントン政権の政策担当国防次官補として、対ロシア(旧ソビエト)政策を担当した。

「トゥキュディデスの罠」を扱ったAllisonの最新本が出版されたこともあり、国内外で大きな話題に。

米国と中国の安全保障関係の文献を読んでいると、トゥキュディデスの罠という言葉にしばしば遭遇する。ワシントンのシンクタンクCSISのスコット・ケネディ研究員によると、2015年に戦略分析の専門家に最も使われた用語がトゥキュディデスの罠であった。

【政治】アメリカで話題!このままでは米中は戦争する…古代ペロポネソス戦争にヒントを得た「トゥキディデスの罠」で新旧勢力のぶつかり合いを解説するハーバード大グレアム・アリソン氏新刊「Destined for War」kinokuniya.co.jp/f/dsg-02-97805…

防衛研究所ホームページに「ブリーフィング・メモ『トゥキュディデスの罠』を考える」(石津朋之)nids.go.jp がアップされておりました。安易な当てはめを諫めつつ、その種の議論の抗しがたい魅力を語る、という感じですね。

米中間では既に「トゥキュディデスの罠」の兆候が現れている。

アリソン教授によれば、新興大国には尊厳を勝ち取りたいとの「台頭国家症候群」があり、既存の大国には衰退を意識する「支配国家症候群」が、国際会議などで表面化する。さきにドイツで開催された20カ国・地域(G20)首脳会議では、中国の習近平主席が「高まるうぬぼれから影響力の増大をはかった」し、トランプ大統領は台頭する中国を「恩知らずで危険な存在とすら見なす」傾向がみられた。

バレンシア氏や、多くの国際アナリストによると、米中関係はある一定の線を越えたら、国民・国家の認識や政策が「対立」へと流れ始め、そこから後戻りをすることは困難だとしている。その一線を越えた場合、両国に残された道は、お互いに真意を隠しながら戦争の準備をするだけだという。

日本は大丈夫?→米中衝突は日本近辺で起こる蓋然性が高く、日本が参戦することになるという予測も。

問題が起きそうなのは日本と中国が対決する場合だろう。日本はアジアにおけるアメリカの主要な同盟国であり、日米安保条約によってアメリカは日本の防衛にコミットしている。故意かどうかはともかく、アメリカが1972年に沖縄を日本に返還したとき、東シナ海の尖閣というほとんど名前も知られていない群島をその中に含めた。中国の地図では釣魚と名前がつけられており、中国は自分のものだと主張している。
 歴史的には、国家間の争いのもっとも確実な予兆となるのが領土紛争だ。(日本とロシアは、日本が自分のものだとする4つの島をロシアが支配しているために、1945年に終わった戦争にかかわる平和条約をまだ締結していない。)「自分の領土」を他国が占領しているという主張は、独裁国家であると民主国家であるとかかわりなくナショナリズムの情熱をかき立てる。ましてや、オーストリア・ハンガリー帝国のケースが如実に証明するように、衰退国家は不安感をかき立てられやすくなり、自らが占めるべき地位を大胆な企てで回復することを約束する幻覚にとらわれやすいものだ。

(アリソンは、)米中は互いに望まなくても戦争を起こしかねず、数年後に(1)南シナ海で米中軍艦の衝突(2)台湾で独立機運から緊張(3)尖閣諸島をめぐる日中の争奪戦-などが引き金となり、米中が激突する事態に至ると見通している。

1 2





海外発の最新情報・英語学習情報を主に扱っています。テクノロジー、国際情勢、軍事等。