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業界激震!!?世紀の発明・銀メッキアクリル粒子とは?既存の導電性微粒子との比較まとめ!

世界シェア約70%を誇る積水化学工業株式会社の技術を超えた!?株式会社山王が開発した『銀メッキアクリル粒子』の基本特許について徹底検証まとめ!!

更新日: 2017年08月29日

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この記事は私がまとめました

世界初!アクリル×銀だけの導電性微粒子の実用化に成功!!

【特 許 番 号】 特許第6186019号
【発明の名称】 導電性微粒子及び導電性微粒子の製造方法
【特 許 権 者】 株式会社山王
【特許出願日】 平成28年1月13日
【特許登録日】 平成29年8月4日
【出 願 番 号】 特願2016-4611

「銀めっきアクリル粒子」を製造するための基本技術の特許取得となります。
本特許技術を用いることで、コア材料のアクリル樹脂上に直接またはニッケル層を介して、
緻密な銀層を形成することが可能となります。

家電製品の基盤などを始め、身の回りで多く使われている『身近にあって全く知らない電子回路』に関係する基本特許についての発表です。

そもそも、導電性微粒子ってなに?

電気を通す性質の指がタッチパネルに触れると、電極間の静電気の容量が変化して、タッチ位置が検知され、スマホの操作が実行される仕組みです。このとき、電気の変化つまりタッチする指の動きは『導電性微粒子』を通して伝わり、スマホに感覚をつくるというわけです。

※タッチパネルに使われる粒子はナノ粒子

導電性粒子の構造は、主に内側からニッケル層、金メッキ層、最も外側に絶縁層を重ねた直径3-5マイクロメートルの球体。

※樹脂メッキのものについての説明

主流の導電性微粒子には大きく2つあるようです。
・金属を微細加工で粉にしたもの(銀ペースト、はんだペースト)
・樹脂(スチレン系など)にめっき(ニッケル又はニッケルの上に金メッキなど)
積水が基本特許を取った樹脂の導電性微粒子は、樹脂を核(コア粒子)にし、外側に金属メッキを施し、導電性を持たせた微粒子の事です。積水化学工業が1989年に取得した基本技術特許であり『ミクロパール』という同社の開発した導電性微粒子は、2017年8月25日現在でも世界シェア断トツ1位の約70%を占めているようです。

導電性微粒子は何に使われている??

導電性微粒子は、ありとあらゆる電子機器に使われていて、PC、スマートフォンを始め、基盤や液晶を使用している製品には必要不可欠です。
イメージとしては導電性微粒子は小麦粉に例えると分かりやすいと思います。
麺にもパンにもケーキにも小麦粉は形を変えるが、必ず使用されている原料になります。
導電性微粒子も銀ペーストや導電インク、ACF、ACPと形を変えて、あらゆる電子機器に使われています。

樹脂メッキでの主流は積水化学工業のミクロパール

世界シェア約70%と言われる長年のヒット商品。
外側が金メッキの物が『ミクロパールAU』

『ミクロパールAU』とはスチレン系樹脂×ニッケルメッキ×金メッキで作られた粒子であり、積水化学工業によって1989年頃開発・販売されました。今日のスマホがこれだけ扱いやすく、普及しているのも同社の企業努力の賜物でしょう。
積水化学工業が導電性微粒子の基本特許を取って覇権を握った後も、各社メーカー(三菱や綜研を始め多数)は積水化学工業を超えるものを作ろうと研究開発に取り組みました。しかし、積水の基本特許の導電性微粒子に取って代わるほどの技術は今まで生まれませんでした。
その歴史の1ページを塗り替えるかもしれないとんでもない基本特許が『銀メッキアクリル粒子』という技術になるはずです。
特許文献と展示会で紹介されている資料を元に考察していきます。

銀メッキアクリル粒子のここが凄い!①『コストの大幅削減』

主流の導電性微粒子は前述のように大きく2つあります。
①つ目は金属を微細加工で粉にしたもの(銀ペースト、はんだペースト)
②つ目は樹脂(スチレン系など)にめっき(ニッケル又はその上に金メッキなど)

株式会社山王が発表した銀メッキアクリル粒子の製造方法によると、
①…金属の使用量を減らすことが出来る
②…スチレン系樹脂はアクリル系樹脂になり、ニッケルメッキを無くし、金を銀で賄えるようになります。
単純に金から銀に出来れば原料コストは約70分の1~76分の1に出来るのです。
※金はg当たり4800円、銀はg当たり65円
スチレン系樹脂とアクリル系樹脂のコストもアクリル系樹脂の方が大幅に安く、ニッケルメッキ工程も省くことで製造工程が減ることもあって、大幅な製造コスト低減が見込めるのではないでしょうか。
※樹脂価格の明確なソースはネットでは手に入りませんでしたが、企業へのリサーチで「スチレンは高く、アクリルはありふれた素材なのでとても安く、キロ数百円」という話を耳にしました。

銀メッキアクリル粒子のここが凄い!②『100分の1に出来る』

銀ペーストや銀粉、Ag配合製品に至るまで、粒径1μm~100μmの銀粒子を現在使用している場合は銀メッキアクリル粒子への切り替え検討の余地は大いにあるのではないでしょうか。
仮に、銀ペーストで使用する銀粒子を銀メッキアクリル粒子に切り替えると…
球の半径をr、円周率をπ、そして体積をVとして
体積V=4/3×円周率π×半径rの3乗(開示資料の球径6μm、メッキ20nmで試算)
単純計算で銀ペーストの銀使用量を約100分の1ほどに出来る計算になります。

銀ペースト自体も純銀だけで出来ているわけではないのでそのままの計算結果にはならないでしょう。
それでも大幅に銀使用量が減ることで、10分の一以上に重さを軽く出来て、銀使用量も減るので大幅なコスト削減が期待出来ます。
銀ペーストの『柔軟性が乏しい』という不具合も解消され、導電性も既存の物と遜色ないようです。

エコプロダクツ2016(12月8日~12月10日東京ビッグサイト)産総研共同研究のブース配布資料。

エコプロダクツ2016(12月8日~12月10日東京ビッグサイト)産総研共同研究のブース配布資料。

銀メッキアクリル粒子のここが凄い!③『そこにも使える!?』

・銀メッキアクリル粒子の核に使う素材はアクリル系樹脂
アクリル系樹脂は化粧品として使われることも多く、特許文献に記載の物質を調べるとマニキュアやジェルなどに使われていることが分かります⇒人体への安全性が高い。
・ニッケル無しで直接銀を付けられる
ニッケルは金属特性上有用だが、人体にとってアレルゲンになることが多く、ニッケルを無くせることで肌に触れる製品にも使用が可能になっている⇒Ag微粒子配合の制汗スプレーや消臭剤、抗菌剤、ウェアラブル製品にも銀メッキアクリル粒子は使える可能性があるかもしれない。
・また、銀メッキをダイレクトに付ける技術は次世代のSiC半導体の拡散接合用として応用できるのではないかとの思惑もあるようです。

金属アレルギー性接触皮膚炎を起こす可能性のある身の回りの金属には20種ほどが知られていますが、ニッケル、コバルト、クロム、水銀がパッチテスト反応が高いとの報告があります。

配線材としての用途以外にも、銀の持つ消臭・殺菌作用を活かしたものや、更にはこのダイレクトに銀めっきを行う技術を使うことで、半田では接続できない大電流用の部品の接合にも応用が考えられます。

銀メッキアクリル粒子のここが凄い!④『最強の金属』

電気抵抗率(単位Ωm)
1位 1.59 × 10−8銀
2位 1.68 × 10−8銅
3位 2.44 × 10−8金

9位 6.99 × 10−8ニッケル

15位1.09 × 10−7スズ(はんだ)

電気抵抗が少ない物質を配線に用いればそれだけ電力ロスが少なく、電気抵抗による発熱も少ない

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