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言葉遊びが過ぎる?!実験的手法リポグラムで書かれた小説4選

特定の文字を使わずに文章を書く「リポグラム」という手法を小説に取り入れた作品を集めてみました。どれも面白い試みのものばかりで、言葉の持つ力に驚かされること間違いなしです。

更新日: 2017年11月26日

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■リポグラムとは?

言語的遊戯による制作を目的とした文学集団「ウリポ」がよく使っていた技法で、文章に制限を設けて書くことを言います。

特定の文字を使わないという制約のもとに文章を書く、もしくはすでに書かれた文章から特定の文字を抜き去って改作するというもの

最も有名な例として、ペレックの長編小説『煙滅』(La Disparition、1969年)では「e」の文字が一度も使われていない

■文字が消えていくSF小説

作者:筒井康隆

五十音の言葉を一つずつ消すという試みの実験小説。

ルール

消えたことばは代わりのことばで表現できるが、表現できなくなった場合その存在は消える

感想

かなり実験的な作品。使用できる文字が制限されている中で物語を成立させているのも凄いけど、日本語の表現の多彩さに改めて驚きを感じた

最後の最後まで、音が減っていることに気づかせないほどの語彙力、表現力の豊かさには舌を巻いてしまう最後のラストの畳みかけには思わず手が震えてしまって程の緊張感と旋律がある。一読をお勧めする

■リポグラムで書かれた短編集

作者:西尾維新

制限なしで書かれた三つの短編と、文字を使わない制限で書かれたオリジナル以外の四パターン、計十五の作品が収録されている。漫画家たちによるイラスト付き。

ルール

全三話の短編集をそれぞれ4つのグループに分け、『特定の文字を使わない』というルールと共に紡いでいく作品

感想

同じ話を5回読むのは、ちょーっとしんどいところもありましたが、文体もイロイロ、語彙もイロイロで、何だかんだで、やっぱり面白いなーと思いました

実験材料として俎上に乗せられた短編自体はどれも面白く、リポグラフ版もヴァリエーションとして楽しめるよう工夫はなされていると思う。それを抜きにしても、ひとつの話を5ヴァージョンも読むなどという妙な体験は初めてで、そのこと自体が本書の意義だと言えなくもない

■翻訳不可能と言われた小説を見事に翻訳!

編著:ジョルジュ ペレック 翻訳者:塩塚秀一郎

失踪した男と消えた文字を巡る物語。原著となる話では「e」を用いずに書かれているが、日本語版となる煙滅ではひらがなのとある段を使っていない。

ちなみに原著は翻訳不可能と言われていた。

ルール

「e」の文字を一度も使用していない

感想

肝心(?)のストーリーはメタフィクションなんだけど、どうしても「文字抜き」の話題に目がいく上に、かなりなんだそりゃなだったものの、解説によると、ホロコーストを暗示しているらしく、次々と登場人物が消えていく展開と、語るべく言葉も奪われるという構成に納得

ストーリーも疎かではなく、やや荒唐無稽ながら楽しめる。原作に劣らぬ熱意(執念?)の翻訳が本当にすごい。同時に言語間の隔たりも感じた。表紙も印象的。

■リポグラムの傑作

作者:アーネスト・ヴィンセント・ライト

架空都市ブラントン・ヒルズを舞台に、ジョン・ギャズビーと青年団の活躍を描いた物語。

eを使わずに書かれていて、英語で使用頻度が高いとされている言葉五百のうち、二百しか使えなかったと言われている。

ルール

この小説は50,110語中に一切 "e"を含んでいない

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