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リスクを取って面白い商品を作ってよ。ソニーの平井社長が技術者のやる気を引き出した方法が示唆に富む。

技術立国を掲げるも、近年、閉塞感が伝えられる日本の研究・開発現場。ソニーの平井社長が進めた取り組みが一つの打開策になるのかもしれません。

更新日: 2018年03月15日

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かつて、世界をワクワクさせたソニーのモノづくりに復活の兆しがあるようです。

moruzibu21さん

過去最高の営業利益を達成するタイミングで社長交代を発表したソニー。

ソニーの社長が六年ぶりに交代する。会長に退く平井一夫氏の厳しいリストラには批判もあったが、本業のもうけを示す営業利益は二十年ぶりに過去最高を更新する見通し。

ある意味では、自分の夢、復活したソニーの象徴として、元AIBOの開発者の方々と議論して、「ここまできたんだからやるしかない」と決断し、プロジェクトをスタートしたのが1年半前のことです。

平井社長

ソニーは、テレビやデジタルカメラなども高付加価値モデルへの転換が進展し、主力のエレキ事業の基盤安定が業績を下支えするとみている。

15年度、エレクトロニクス事業が5期ぶりに黒字化しました。何兆円という規模のエレキのビジネスは、いったん赤字体質になると立て直すのは至難の業です。私は、立て直しはほとんど絶望的だと思っていました。

その意味で、黒字化は奇跡に近いと思います。

片山修氏
経済ジャーナリスト、経営評論家.

悲観的な見方も多かったモノづくりの再建。

「ソニーやシャープがなくなっても別に自分は困らない」という個の意見に出会い大変驚きました。「日本は電機産業から撤退すべき」という専門家の意見にまた驚きました。

電機部門は中韓勢との競争なども激しく再建は未知数。新たな成長戦略も見えないままで、復活の道のりは険しい。

現在は、ハードウェア分野はほとんどが赤字で、利益を上げているのは金融事業と音楽事業です。すなわち、本業ではない子会社が利益を稼いでいるのが、ソニーの現状なのです。

経営状況が悪化するケースでは、自社の収益力の高い分野に経営資源を傾斜配分して、その分野を基盤にして経営を立て直すことを考えるだろう。

今、ソニーがそうした手法で経営改善を図るとすると、おそらく稼ぎ頭である金融部門を中心にするという選択肢が有力になる。

ソニースピリットはどこへ行ったと私は嘆いている。

ソニーの幹部にそれを言うと「いや、ウチはもうフツーの会社ですから――」と答えられたことがある。正直、がっかりである。

ソニーの社是
「ソニースピリット」

一、人のやらないことをやる 
一、他より一歩先んじる 
一、最高の技術を発揮する 
一、世界を相手とする、など。

10年以上も続いたリストラに次ぐリストラで、ソニーを去った人は約7~8万人。開発や設計、技術、営業など、幅広い職種で、優秀な人材がいなくなった。

業績は回復するけれど、長続きはしないよ。将来の会社の成長を担うべき技術を持っている人がいなくなって、もう二度と帰ってこないんだから。

リストラの渦に巻き込まれた中には以前、ソニー広報部からも「ソニースピリッツを持ったエンジニア」と紹介され、私自身が取材した社員も含まれている。

しかし、平井社長はモノづくりを諦めなかった。

平井社長は「エレクトロニクス市場に高い成長性や収益性が見込めないという声があるが、エレクトロニクス事業に未来はあり、そこにソニーの存在意義もある」と本業の再成長を目指す方針を強調。

「会社にはまだ一癖も二癖もある技術屋がいる。彼らにやる気を起こさせることが社長にできるかどうかがソニー再建の鍵です」

「今までのトップと違って、現場に足を運んで話を聞く。自分のやっていることを、きちんと評価してくれるのはうれしい」

平井は研究開発の拠点、つまり「イノベーションのソニー」の心臓とも言える厚木テクノロジーセンター(神奈川県厚木市)を中心に、テレビや半導体の製造現場などを訪ねては、技術者たちと会話を重ねた。

平井氏自身、こうした“製品の磨き込み”に興味が強いようで、要素技術の研究開発を担当する部署からは「定期的に通って、“何か面白い事は?”、”この前言っていた技術はどうなった?”と尋ねてくる。

もう長い間、そんな人には会っていないので気合い入りますよ」という声も聞こえるようになってきた。

実際、商品を企画・開発している人たちと頻繁に接している筆者のような立場から見ると、その違いは明らかで、現場でモノづくりをしているエンジニアが、生き生きとしてきている。

「私は、CEOになったいまでも、自分で製品を使ってみないと気が済まない。CEOの立場と、顧客の立場から、この製品がSONYのブランドをつけるのに相応しい製品になっているのかどうかを評価する。

スティーブ・ジョブズに似ているとの指摘も。

※画像はイメージです。

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