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伝説の女教皇 ヨハンナ

教皇の座に就くことができるのは独身男性のみ。しかし、ただ一人女性でありながら教皇になったという伝説があった。

更新日: 2019年12月29日

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女教皇 ヨハンナとは?

女教皇ヨハンナ(おんなきょうこうヨハンナ、Ioanna Papissa)は、中世の伝説で855年から858年まで在位したとされる女性のローマ教皇である。

歴史家たちは、創作上の人物と考えている。それは、反教皇的な風刺を起源とし、その物語にいくらかの真実が含まれているために、ある程度の信憑性を持って受け入れられたと考えられる。

ちなみに、タロットの大アルカナに含まれる「女教皇」のカードは、このヨハンナをモチーフにしているといわれています。

伝説の内容

レオ……の後、マインツ生まれのヨハン・アングリクスが2年と7カ月4日の間教皇位につき、ローマで死んだ。その後一カ月の間教皇位は空位となった。このヨハンは女性であったと言われている。ヨハンは愛人の男の衣服を纏ってアテネに連れてこられた少女で、彼女は様々の学識に熟達していき、同等の者がいなくなった。その後ローマに行き自由七科を教え、学生と聴衆の間の偉大な師匠となった。彼女の生活ぶりと学芸の高さは市中で評判になり、彼女は万民にとってローマ教皇として選ばれるべき人となった。しかし、教皇位にある間に彼女は愛人の子を身籠った。正確な出産予定日時への無知から、サン・ピエトロ大聖堂からサン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂へ向かう途中の、聖クレメント教会からコロッセオに向かう細い路地で彼女は出産した。死後、彼女は同じ場所に埋葬された。教皇は常にこの通りを避け、そうするのはこの出来事を嫌悪するからである。彼女が聖なる教皇の一覧に加えられることもないのは、女性であるためと、彼女にまつわることの汚らわしさの故である。

この記述は、13世紀の年代記作家トロッパウのマルティンが書いた Chronicon Pontificum et Imperatum という書物に表れるものです。

教皇ヨハネス8世はマインツで生まれ、男装という悪の行為によって教皇の座についたという。───彼女は女性の姿で情夫である学者とともにアテネに赴き、そこで学業において目覚しい成果をあげた。その後ローマにやってくると、彼女と同等の者はほとんどおらず、まして聖書の知識で彼女を越える者はさらに少なかった。学術的で独創的な著作と論争術によって、彼女は大きな尊敬と権威を獲得し、(マルティンの述べるところによると)ローマ教皇レオ6世の死後、次の教皇に選ばれるべきは彼女だということは衆目の一致した見解であった。サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂からコロッセオ劇場とに向かう途中、彼女を陣痛が襲った。彼女はそこで死亡した。在位2年1カ月4日であった。そしてそこへ儀礼抜きで埋葬された。───これは民間伝承ではあるが、何者かははっきりしないにしろ作者がいるので、短く述べるにとどめた。これは詳しく述べるとこだわっているかのように思われてしまうからだ。今後は、この話が全くの虚偽と考えられていない事態こそが誤りである、といっていくのが良いだろう。

ヨハンナについての別の記述。
こちらは、15世紀の学者バルトロメオ・プラティナの Vitæ Pontificum Platinæ historici liber de vita Christi ac omnium pontificum qui hactenus ducenti fuere et XX の中に表れる記述です。

伝説の否定

時間的な問題で、レオ4世が855年7月17日に死去し、
アナスタシウス・ビブリオテカリウスが教皇就任を宣言しましたが、
僅か二週間で支持を失い、855年9月29日にベネディクトゥス3世が教皇となりました。という事実は複数の歴史書で一致していますので、
トロッパウのマルティンのいう「ヨハン・アングリクス」が教皇となりうる期間は存在せず、まして2年間も教皇位につくことはありえないと考えられています。

また、当時登場した対立教皇アナスタシウス・ビブリオテカリウスが
女教皇ヨハンナの伝説のモデルになったと
主張する向きもあるのですが、そうだとすると彼はその後の教会での
キャリアを失う事は間違いありません。
しかしアナスタシウスは対立教皇として廃位された後、
サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会の修道院の
大修道院長になり、その後枢機卿と教皇の司書となっていますので、
彼が女性だと暴かれたならば、
彼は決して枢機卿や秘書とはなれなかったはずです。
彼とは別に僅か数週間教皇位にあった女性対立教皇アナスタシウスが
存在したという証拠はないし、
それが女教皇ヨハンナと同一人物であるとする理由もありません。

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