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認知症患者が起こした事故の賠償を救済...神戸で全国初の条例が成立か

神戸市で認知症患者の起こした事故に対して、給付金で救済する条例が可決された。

更新日: 2018年03月28日

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認知症は病気ですからね、責任問題が難しい争点となっています

▼認知症患者による事故は後を絶たない

警察庁によると、昨年8月までの2年間において、高速道路での逆走は447件。約7割が65歳以上の運転者だった。そのうち認知症の人あるいは認知症が疑われる人は、約4割にのぼるという。

高齢でもクルマを運転しているのは元気な方でしょうし、年間30万人近い免許自主返納者もいるので、その補正はしなければなりませんが、それでもかなりの数の認知症ドライバーがいるのが現在の日本。

国や高速道路各社は今後、認知症や交通心理の専門家を集めた有識者会議を設置。効果的な逆走対策について助言してもらうことも検討しています。

▼認知症患者が起こした事故の賠償責任はどうなっているのか

事件や事故の加害者になってしまった場合は、たいていは認知症ではない方と同じように罪に問われたり、賠償責任を負います

認知症で“責任能力なし”と判断された場合や、本人に損害賠償金を支払う能力がない場合には、家族が“監督責任”を問われることもある。

10月28日、宮崎県宮崎市の歩道に軽自動車が乗り上げて暴走し、歩行者など6名を次々とはねて2名が死亡する痛ましい事故が起きた。運転していたのは、そこから約100kmも離れた鹿児島県日置市に住む70代男性だった。

警察は29日午前、鹿児島県日置市の軽乗用車の運転手の自宅を過失運転致死傷の疑いで捜索するとともに、家族や主治医から話を聞いていて、これまでの調べで、認知症の治療を受けていて、事故の2日前まで入院していたことが分かりました。

また、軽乗用車の記録などから、この車は28日に鹿児島を出たあと、最短距離で宮崎に向かわず、さまざまな場所を回りながら来たことや、事故の直後に加害者の男性が、「今、どこにいるかが分からない」という趣旨の話もしていたということがわかりました。

2007(平成19)年12月7日、東海道本線共和駅(愛知県)にある無施錠のホーム側フェンス扉を通り抜けて線路に下りたA氏(男性・当時91歳)が、走行してきた列車にはねられて死亡した。

一審の名古屋地裁では請求額の約720万円全額の支払いを男性の妻と長男に命じ、二審の名古屋高裁では長男に対する請求を退け、男性の妻にのみ、350万円の損害賠償の支払いを命じていた。最高裁の判決では、その支払いがなくなった。

「要介護度4」と認定されていた男性91は2007年12月、徘徊中に愛知県内のJR東海道線共和駅の構内で列車にはねられて死亡した。訴訟では、男性91と同居していた事故当時85歳の妻と、横浜市に住む男性の長男の2人に、男性91を見守る監督義務があったかが争点となった。

▼神戸市で、認知症事故の賠償を救済する条例が可決された

2016年3月に認知症高齢者による鉄道事故の最高裁判決があり、遺族による監督義務責任を覆す「逆転判決」がなされました。しかし、判決では、今後、客観的状況が認められる場合には、法定監督義務者に準ずる者として、損害賠償責任が発生する可能性を示唆しています。

こうした中、神戸市は18日、認知症高齢者らが事故などを起こして損害賠償責任が生じた際、本人や家族に給付金を支給する条例素案をまとめた。

市によると、制度案では加害者か被害者のいずれかが市民で、認知症患者による交通事故や暴力行為などで第三者にけがをさせた場合などを想定。

認知症高齢者らが事故を起こして賠償を求められた際に給付金を支給する救済制度を定めた神戸市の条例が28日、市会本会議で可決、成立した。

対象となるのは「認知症と診断された者」とし、責任能力の有無を問わずに救済する方針。医療機関による2段階の検査を想定している。市は検査を受ける費用の一部を助成する。

給付型の救済制度は全国初という。これまで医療や法律の専門家らでつくる有識者会議が内容について協議してきたが、4月以降、新たに設ける委員会で救済する対象者の検診や給付額設定などを検討する。

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