1. まとめトップ

第一歩を踏み出した!メタンハイドレートの新たなガス回収技術

世界初、ついに表層メタンハイドレートからガスを解離・回収する実験に成功

更新日: 2018年04月13日

0 お気に入り 1665 view
お気に入り追加

この記事は私がまとめました

メタンハイドレート

Doragonflyさん

清水建設がロシア科学アカデミー陸水学研究所、北見工業大学及び北海道大学と共同で、バイカル湖水深約400メートルの湖底にて、湖底表層に閉じ込められたメタンハイドレートから、ガスを解離・回収する実験に成功したとのことです。

これによってメタンハイドレートの新たなガス回収技術に確立に向けて、大いなる第一歩を踏み出したとしています。

メタンハイドレートは、石油などに代わる次世代エネルギーとして注目を集めており、通常の深層メタンハイドレートは地下100メートルから300メートルの場所に豊富に存在しています。

日本のメタンハイドレート資源開発のメインターゲットとなっているのは東部南海トラフ海底深部にある膨大なメタンハイドレートですが、今回の技術によって、日本近海の深層だけでなく、オホーツク海や日本海の表層にあるメタンハイドレートも利用することができるようになるため、今回の技術は日本の将来にとっても非常に有効であるというわけです。

今回回収されたのは深層メタンハイドレートではなく、表層メタンハイドレート。

深層メタンハイドレートは温度・圧力条件をごくわずかに変化させるだけで相平衡状態を崩すことができるため、加熱や減圧などの方法を使って、ガスを解離・回収することができるのですが、表層メタンハイドレートは海底に近い分だけ、低温で安定状態にあるため、その状態を崩して効率的にガス回収するのに工夫が必要であり、そのための技術が今回、実験されたというわけ。

メタンハイドレートからのガス回収実験の概要

これが掘削・攪拌用ウォータジェットを装備したハイドレート解離チャンバー。内部にウォータージェット・ノズル32本(水平ジェット及び垂直ジェット各16本)を装着した鋼鉄製・茶筒状のチャンバーとなっており、下部は開口しています。

ウォータージェットで湖底表層のメタンハイドレート層を掘削、攪拌することによってメタンハイドレートは水に溶解、この溶解水を湖上へポンプで揚水すると、水に溶解したメタンハイドレートが揚水過程で海水圧の減少によってガスが水から分離、この分離したガスを湖上で回収し、作業完了というわけ。

バイカル湖の湖底で実際に採取した表層コアに含まれるメタンハイドレート。

約100分間攪拌した結果、回収できたガスの90%はメタンやエタンなどの炭化水素ガスで、ガスの組成や性質としては、メタンハイドレート解離ガスとほぼ同一だったそうです。

ロシア科学アカデミー所有の有人潜水艇MIR(ミール)2号を用いた潜水調査によりサイト周辺の地形・地盤状況を確認している様子。

MIRは最大潜航深度6000メートル、オペレータ1名のほか、2名を乗せて潜航できるとのこと。

今回の調査では、8時間の潜航を行い、実験サイトに選んだ地点の地形や地盤状況を確認し、さらに清水建設で開発した貫入試験用の専用器具をMIRのマニピュレータに取付け、湖底地盤表層の硬さを確認したそうです。

今回の成功は日本の資源開発にとって多様な埋蔵資源の確保という観点から、大きな意味を持っているとのことです。

ちなみに、海底または湖底を含め、表層メタンハイドレートからガスの解離・回収に成功したのは今回の実験が世界で初めて

三井造船株式会社(社長:田中 孝雄)は、日本周辺海域の海底から表層型メタンハイドレートの採掘技術を確立するため

業界トップレベルの海底掘削技術、サービスを世界中に提供しているMHWirth GmbH社、拠点:ドイツ・エルケレンツ、Senior Vice President:Einar Brønlund(以下「MHWirth社」)と協業を開始しました。

メタンハイドレートは、表層型と砂層型の2種類に大別されています。

砂層型については、日本政府機関が2001年度頃より、海底から採掘するための調査研究を開始しています。

表層型については、日本政府機関により2013年度からその資源としての可能性の評価が開始され、2013年度から2015年度にかけて、日本周辺海域における資源量把握に向けた調査が行われました。

その結果、日本海とその周辺海域において、1,742箇所のガスチムニー構造の存在が確認されています。

この成果を踏まえ、2016年度から日本政府機関による表層型メタンハイドレートの採掘技術開発に関わる調査研究が開始され、当社はMHWirth社を含む企業と連携して参加しています。

ガスハイドレート特有の性状や挙動に関する調査研究、さらに海洋構造物の製造に関する幅広い実績を有しています。またMHWirth社は、海底鉱物資源や海底石油・天然ガスの掘削技術に関して世界に誇る実績を有しています。

三井造船は、この強力な連携によって、表層型メタンハイドレートの採掘技術を確立すべく活動して参ります。

さらに、FPSO(Floating Production, Storage & Offloading System:浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)の建造、保有及びオペレーションを手掛ける世界有数の企業である三井海洋開発株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長: 宮﨑 俊郎)が、石油開発会社から高く評価されている技術力と海洋ビジネスにおける長年の経験を活かし、表層型メタンハイドレート採掘の商業化に向けて、将来参加する計画です。

白い氷のような外観を持ち、火を近づけると着火して燃焼する「燃える氷」ことメタンハイドレートは、低温で高圧な海中で堆積物に固着した状態で眠っています。

いったいどのようにしてメタンハイドレートが形成されるのかについては謎の部分が残されていましたが、最新の研究からその詳細な姿が明らかになってきています。

この研究を行ったのは韓国の国立大学KAIST(Korea Advanced Institute of Science and Technology)の研究チームです。

土木環境工学科のクォン・テヒョク教授と研究チームは、粘土質が豊富な海洋堆積鉱床の中にある粘土鉱物がメタンハイドレートを含む「ガスハイドレート」の形成を促進していることを発見し、その原理を提唱しました。

メタンハイドレートは、水分子による立体網状構造の中にメタンの分子が安定的に固定されているガスハイドレートの一種で、世界各地の海底に存在しています。

中でも西日本の南海トラフ周辺に世界有数のメタンハイドレート鉱脈が存在してることがわかっています。メタンと水の含有比率はおよそ15:85で火を付けると燃える特性を持っており、石油や石炭に比べて二酸化炭素排出量が半分であることから、地球温暖化対策の代替燃料として有望視されているエネルギー源です。

これまで、ガスハイドレートの形成は粘土堆積物の中のみと考えられてきました。

しかし、海底堆積物中にもガスハイドレートが生成されるという新たな発見がもたらされたことで、その形成の仕組みに新たな問題が提起されることとなりました。

1 2