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もはや国民病!アレルギー疾患が増えている原因とは?

花粉症、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎と日本人ならどれか一つ抱えていそうなアレルギー疾患はもはや国民病とさえ言えます。この背景にはダニなどのアレルゲンにとっても繁殖しやすい環境になったこと、衛生状態が良くなり過ぎたこともあるようです。

更新日: 2018年05月04日

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egawomsieteさん

■「アレルギー疾患」を持つ人が増えている理由

「これには様々な原因が考えられますが、まずひとつには、家が密閉化され、冷暖房が入り、生活しやすくなったことが挙げられます。それはつまり、ダニなどのアレルゲンにとっても繁殖しやすい環境であるということを意味するからです。

床に絨毯が敷いてあれば、そこに人間の髪の毛やペットの体毛などが入り込み、それを栄養にダニが繁殖します。ですから、アレルギー疾患を持つ人は先進国ほど多いのです」(宮本先生)

また、人間の免疫機構のバランスが昔よりも崩れ、アレルギー疾患を発症しやすくなっているという説もある。

公益財団法人日本アレルギー協会理事長の宮本昭正先生

「“衛生仮説”というのですが、衛生状態が良くなりすぎたためにアレルギーを発症しやすい体質になったという説です。例えば、アフリカの山間部に住んでいた人が街へ移り住むとアレルギー体質となり、元の場所へ戻ると症状が回復するという例も報告されています」(宮本先生)

しかし、アレルギーの原因はこれだけではない。

「さらにストレスや過労などが原因で自律神経が乱れると、アレルギーを発症しやすくなるケースもあります。交感神経より副交感神経が緊張した状態が続くと、発症しやすくなるのです」(宮本先生)

そして、アレルゲンに対するその人の体の許容量が関係するという説もあるようだ。つまり、花粉や食物などによるアレルゲンが少しずつ体内に蓄積され、ある日、許容量を超えてしまう。だから「去年までは大丈夫だったのに、今年から花粉症になった」なんて人がいる、という説だ。

しかし、実際のところは、何が原因で発症するかの特定は難しい。

「アレルギー疾患は環境の変化、その人特有の体質や体質の変化、ストレスなどの原因が複雑に絡み合って引き起こされ、いまだに解明されていない部分も少なくありません」(宮本先生)

■アレルゲンなしでもアレルギー症状が発症

また、アレルギーには冷気、日光、熱などの物理的な刺激によって引き起こされる「物理的アレルギー」もある。代表的なものは、最近よく耳にするようになった“寒暖差アレルギー”や“紫外線アレルギー”だろう。

「前者は季節の変わり目などの急な温度変化によってくしゃみや鼻水などの症状が出ること、後者は普通では問題ない量の紫外線を浴びただけで皮膚などに腫れやかゆみなどの症状が出てしまうことです。どちらもアレルゲンの体内への侵入ではなく、物理的な刺激で引き起こされる点で、一般的なアレルギー疾患とは違います」

そう解説するのは、自然治癒力を高めることで病気の治療や予防を目指す“ホリスティック医学”を提唱している帯津(おびつ)良一先生。物理的アレルギーは、くしゃみや鼻水、かゆみなど、Ⅰ型のアレルギー反応に似た症状が出るため、「アレルギー」と呼ばれるが、どちらにも「血管運動性鼻炎」「光線過敏症(または日光過敏症)」などの名称があり、便宜的にアレルギーと呼ばれているだけなのだ。

その原因は、「物理的な刺激が皮膚のタンパク質を変化させ、これを免疫系が誤って異物と見なして攻撃するから」などの説もあるそうだが、「まだ、よくわからないことが多い」(帯津先生)とのこと。

もし、アレルギーに似た症状が出ているにもかかわらず、血液検査などで陽性の反応が出なければ、この物理的アレルギーが起きている可能性を疑ってもいいだろう。

■アレルギー反応を示す人が増えている

「アレルギー症状を起こす人が増えている」ことは、かならずしもアレルギーの原因となる物質(アレルゲン)が増えているということを意味しません。例えば、スギ花粉やブタクサ花粉などによって鼻水や咳、涙などのアレルギー症状が出る人は多いですが、スギ花粉やブタクサ花粉が急に増えているわけではありません。昔はスギ花粉やブタクサ花粉にアレルギー反応を示す人が少なかっただけで、最近になってアレルギー反応を示す人が増えてきただけなのです。

・アレルギーがあることとアレルギー症状が出ることは別物

血液検査をして「特定の物質に対してアレルギーがある」ということが分かったとしても、それは「その特定の物質に対してアレルギー反応を示す」ということを意味しているわけではありません。ただ「血液上は特定の物質に対してアレルギー反応を示す可能性がある」というだけで、実際にはその特定の物質を触れたり食べたりしても、湿疹やくしゃみなどのアレルギー反応が出ないこともあるのです。

つまり、アレルギー症状を起こす人が増えているのは、アレルゲンとなる物質が増えているわけでもアレルギーを起こす可能性がある人が増えているわけでもありません。ただ単に「アレルギーを持っている人がアレルギー反応を示す確率が増えた」だけだと言えるでしょう。

■衛生仮設

衛生状態が良すぎることがアレルギー症状を引き起こしているのではとも考えられています。このように衛生状態とアレルギー性疾患の関係が反比例していると考えることを「衛生仮説」と呼ぶこともあります。

衛生状態が良い環境で生活していると、かつては日常生活で触れる機会がたくさんあった虫や細菌と一度も接触しないまま成長してしまいます。そのため、アレルギーを引き起こす可能性がある虫や細菌に対する免疫が体内に作られず、少しの接触で過敏な反応(アレルギー症状)が出てしまうことがあるのです。

ただし、衛生状態の改善で防げる病気も多い

衛生仮説では、ある程度は菌や寄生虫などに触れる方がアレルギー症状の発症を防げるということになりますが、一概に「衛生状態が良すぎることは悪」とも言えません。なぜなら、衛生状態が向上することでチフスやコレラなどの致死率の高い病気が減少してきたことも事実だからです。また、不潔な状態では、ゴキブリやダニなどのアレルギー症状を引き起こす可能性がある虫の発生を招いてしまうこともあります。

■子供のアレルギー激増、母親の小麦・牛乳食が原因か

日本では、アレルギーは1970年以前には珍しい症状でした。その頃から急激に増え始めたのですが、原因は定かではありません。その年は大阪万博が開かれ、ファストフードが日本に初上陸したことから、ファストフードがアレルギーの原因なのではないかと疑う人がいます。もちろん、それも原因のひとつと考えられますが、筆者は別のところにその主たる原因があると考えています。

70年頃から子供のアレルギーが増え、特にアトピー性皮膚炎が激増することには、その子供を産んだ母親の体が深く関連しています。平均的に考えて、70年に子供を産んだ母親の年齢は、おおよそ25歳くらいでしょう。今よりは平均出産年齢が低かったので、おそらく、当たらずとも遠からずといったところだと思います。

 では、その母親たちが生まれたのはいつ頃でしょうか。45年頃です。45年といえば、終戦の年です。戦後の混乱のなかで、飢えと戦いながら、なんとか生き延びた人たちが、平和のなかで子供を産んだのが70年ごろと推定されます。

その母親たちは、どのようなものを食べて育ったのでしょうか。食糧が不足するなか、アメリカからの援助物資である小麦粉と粉乳(アメリカで豚のエサになっていたもの)を食べていたのです。もちろん、飢えるよりはましだったのでしょう。しかし、それまで食べてきた伝統的な食事とまったく違うものを食べて、すぐに体が順応できるとは考えられません。

食べたその人の体には、特別なことは起きなかったかもしれませんが、産んだ子供には異常が起きた。それが、アトピー性皮膚炎などのアレルギー反応だったと、筆者は推測しています。この推測が当を得ているかどうか、まだあと数年を経なければわかりません。

今現在、各種のアレルギーで悩んでいる人たちが、小麦と牛乳をやめれば即座にアレルギーから解放されるなどということはないでしょう。しかし、次の世代のために、そのまた次の世代のために、私たちの子孫が未来永劫、ずっと健康でいられるために、私たちは自分たちが食べるものを正しく選択しなければならないのです。

■アレルギー疾患にとても影響が強いダニアレルゲン

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