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IT企業で裁量労働制の社員が過労死 - SEの裁量労働制適用の闇

専門業務型裁量労働制の適用があり得るSE職。しかし、その実態は過重労働・長時間労働や実質的な裁量を欠くような場合も多い。そもそもSE職やソフトウェア開発業務自体が裁量労働制という制度になじむのかという問題もある。悪質なブラック企業に使い捨てにされ、命を落とす労働者の数を減らすにはどうすればよいのか。

更新日: 2018年06月30日

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株式会社レックアイ社員 残業184時間で過労死...労災認定

実際に働いた労働時間ではなく、一定の時間働いたものとして賃金が支払われる裁量労働制で働いていた28歳の男性が死亡し、労働基準監督署が長時間労働による過労が原因だったとして労災認定していたことがわかりました。

労災が認定されたのは東京 豊島区のソフトウエア会社「レックアイ」で、「専門業務型」の裁量労働制で働いていた28歳の男性です。

死因はくも膜下出血だという。過労死ラインを上回る長時間、亡くなる直近の2か月以上にわたって働き続けていた。まだ28歳という若さ。非常に悪質なブラックIT企業によって命が奪われた。

電通で過労自殺した高橋まつりさんと同じく、今回の被害者も長時間労働を(冗談交じりに)嘆くツイートをしていた。異常な過重労働のさなかにある労働者は、自身の疲労度や健康の管理を適切に行うこと自体が難しい。決して「自己責任」などではなく、労務管理のずさんな企業側に問題がある。

裁量労働制とは - 残業代が発生しなくなる

裁量労働制(さいりょうろうどうせい)とは、労働時間制度の1つで、労働時間を実労働時間ではなく一定の時間とみなす制度のこと

例えば1日の「みなし労働時間」を8時間と定めた場合、所定の労働日に9時間働いても、実際に働いた時間に関係なく「8時間働いた」とみなされるので、その分しか賃金が支払われず、1時間分の残業代は出ません

実際に働いた時間分の給料を払わないため、企業にとっては人件費カットのために都合のいい制度といことになる。ブラック企業にとっては非常に使い勝手がいい。裁量労働制が「定額働かせ放題」制度と呼ばれる所以である。

裁量労働制は、あくまで所定労働日の労働時間を一定時間とみなす制度であるため、休日に働いた分の賃金は別途算定して支払われないといけません。

裁量労働制について非常に見落とされがちな点だ。現在対象となっている労働者の間でも周知を図る必要がある。

日本の業務慣行と裁量労働制の相性の悪さ

日本では、従業員の職務の範囲が契約で決まっておらず、使用者側の一方的で広範な命令権が、労働文化・慣習として社会的に許容されています。だから、裁量労働制が悪用されるのは当然

欧米型の労働契約文化では、個々の労働者の業務量や職務範囲がかなり明確に示されていることが多い。一方日本では企業側が労働者に自由にタスクを「押し付ける」文化が根強いため、労働者の裁量を前提とした制度はそもそもなじみにくいことがわかる。人件費をカットしたい企業にとっては、過大な業務量を従業員に押し付けることはそのままに、裁量労働制によって残業代カットを図ろうというのは自然な流れである。そうした制度悪用を止めるブレーキが乏しい事も大きな問題だ。

SE職の裁量労働制の闇

まず前提として、裁量労働制の適用が合法となるか否かは、当該労働者の肩書に関わらず、実際の業務内容によって判断される。後述のように、単なるプログラムのコーディング作業を行うような労働者については、同制度の適用は違法である。「システムエンジニア」という職種の全てについて裁量労働制の適用が可能というわけではない点に注意が必要だ。

情報処理システム(電子計算機を使用して行う情報処理を目的として複数の要素が組み合わされた体系であつてプログラムの設計の基本となるものをいう。)の分析又は設計の業務

労働基準法施行規則第24条の2の2より。専門業務型裁量労働制の適用対象となるSE職の業務内容について示している。

「「情報処理システムの分析又は設計の業務」とは、(1)ニーズの把握、ユーザーの業務分析等に基づいた最適な業務処理方法の決定及びその方法に適合する機種の選定、(2)入出力設計、処理手順の設計等アプリケーション・システムの設計、機械構成の細部の決定、ソフトウェアの決定等、(3)システム稼働後のシステムの評価、問題点の発見、その解決のための改善等の業務をいうものであること。プログラムの設計又は作成を行うプログラマーは含まれないものであること。」

上記「情報処理システムの分析又は設計の業務」の説明。いわゆるプログラマーは対象外であることが明確に示されている。

システムエンジニアであっても、下請けであるために「システム設計の一部」しか業務をできないこと、そしてそれが「かなりタイトな納期」があったことを理由として、裁量労働制が無効になる

たとえ法に定められた対象業務のみを行っていたとしても、ただちに裁量労働制の適用が合法になるわけではない。労働の実態を見た場合に、タイトな納期や業務上の実質的な裁量の有無、会議への参加の実質的強制など、同制度の趣旨に反する労働状況である場合には残業代の支払いが裁判所により命じられる場合もある。労使双方がきちんと認識しておくべきことだ。

昔新卒で入った会社は既に裁量労働制だった。月80〜100時間の残業があったけどもちろんサービス。入社1〜2年目なんで高度な業務でもなくプロと呼べるようなスキルもないアマチュアそのもの。時間だけが奪われて安い賃金が支払われていた。高プロならぬ低アマ制度。

一部の会社では、業務内容がPG(プログラマー)に近い人も、SE(システムエンジニア)扱いで、裁量労働制が適用されていることがあります。

そんな場合は、違法である可能性が高い

結局、業務内容それ自体もさることながら、業務量が過大となれば労働者の実質的な裁量は消滅する。そうなれば裁量労働制はまさに絵にかいた餅となり、ブラック企業が得をする一方で搾取される労働者が一方的に損をするのである。

SEが働く会社は、SEの残業代を抑えるための「裁量労働制」を採り入れながら、某IT企業のように、長時間労働を強いている傾向がある

IT業界は慢性的な長時間労働の業界であり、裁量労働制の適用は業界構造上労働者側にとって不利とならざるを得ないのだ。

IT会社独特の雰囲気でしょうか、自由な雰囲気に流され、「いつでも出社退社して仕事してよい。」というのが「いつでも仕事をしなければならない」に代わっていき、SEは長時間労働で酷使されます

個々の労働者が自身の労働状況についての意識を高め、悪質なブラック企業を淘汰していく必要がある。裁量のない裁量労働制は違法だ。

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