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リハビリテーションに下肢の筋力強化(膝伸展筋力)が必須な理由

病気や怪我をして、移動能力が低下したり、歩くのが億劫になったりすることがある。リハビリテーションでは、まず、基礎的な能力をあげる必要があると考えるが、その根拠を紹介したい

更新日: 2018年06月18日

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機能は大事、もちろん大事。でも、パフォーマンスの土台も大事。そう、栄養と筋力だ…

miyamontaさん

リハビリテーションに筋力強化が必須な理由

膝伸展筋力は, 下肢の支持性を最も反映する筋力指標として知られている

市販の椅子,標準型車椅子,洋式便座の多くは,座面高が40cm程度に設定されており,この高さからの立ち上がりの可否は,制限のない移乗動作自立のうえで重要な課題である

https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1552109691

足の筋力がなぜ大切か、文献をもとに確認してみましょう

高齢者における歩行能力低下に影響を及ぼす重要な因子が下肢筋力である

Ramtanen T, Guralnik JM, Ferrucci L, et al: Comparisons as predictors of severe walking disability in older women. J Am Geriatr Soc 49:21-27, 2001.
下肢筋力が低い群(< 10.6 kg)では,高い群(> 15.1 kg)よりも 3 年後の重篤な歩行能力低下の出現する危険が約 1.9 倍

年齢・性別によらず,ある一定の筋力水準を下回った場合に歩行,昇段,立ち上がりなどの動作能力が低下する

Bassey EJ1, Fiatarone MA, O'Neill EF, Kelly M, Evans WJ, Lipsitz LA.Leg extensor power and functional performance in very old men and women.Clin Sci (Lond). 1992 Mar;82(3):321-7.

院内連続歩行が自立した症例の膝伸展筋力の下限値は0.58Nm/Kgであり, 0.80Nm/Kg を上回る症例では全例 ,連続歩行が自立していた

山崎裕司,長谷川輝美,横山仁志・他:高齢患者の膝伸展筋力と歩行速度,独歩自立との関連. 総合リハ,1998,26: 689-692.

等尺性膝伸展筋力体重比 が0.4kgf/kg を下回ると筋力の低下にしたがって院内独歩が自立しない者が増加し、0.3kgf/kgを下回った場合には院内独歩が自立した者は1割未満にとどまると報告

等尺性膝伸展筋力と移動動作の関連―運動器疾患のない高齢患者を対象として、山﨑 裕司、総合リハビリテーション 30巻8号 (2002年8月)

非術側の膝伸展筋力が第 1 選択肢となり,0.34 kgfkg を境に 2 群に分かれた

大腿骨頸部骨折患者の歩行自立に必要な要因―決定木分析の第一選択が膝伸展筋力で、約7割がここで振り分けられる

高齢患者の独歩自立のためにはある程度の下肢筋力が必要なことが示唆された

院内歩行群における膝伸展筋力は室内歩行群,歩行非自立群に比較し,有意に高い値を示した。ロジスティック回帰分析の結果,院内独歩の可否を独立して規定する因子は膝伸展筋力のみであった。膝伸展筋力が0.5を下回る場合,院内歩行自立群は減少し始め,その下限値は0.28であった。
0.30を下回る場合,室内歩行の自立割合は減少し始め,その下限値は0.13であった

高齢患者における等尺性膝伸展筋力と歩行能力との関係,西島 智子ら,理学療法科学 19(2):95–99,200

昇段能力が優れた群において膝伸展筋力は有意に高値を示した(平成 年度 高知リハビリテーション学院紀要)

膝伸展筋力が体重の17 %を下回る場合,いずれの段差においても昇段は不可能であった.筋力が 30%を上回る場合,全ての症例が 10cmの昇段が可能で, 80%の症例は20cmの昇段が可能であった.筋力が40%を上回る場合,80%の症例が30cmの昇段が可能であった.さらに,筋力が50 %を上回る場合,80%の症例が40cmの昇段が可能

昇段能力と膝伸展筋力の関係、青木 詩子 , 山﨑 裕司、 理学療法ジャーナル 35巻12号 (2001年12月)

起居移動動作自立のためには,足関節背屈筋群は0.42 Nm/kg,大腿四頭筋は1.43 Nm/kgが目安

浅川康吉,池添冬芽,羽崎 完・他:高齢者における下肢筋力と起居ï移動動作能力の関連性.理学療法学,1997, 24: 248-253.

階段昇りが可能な群での膝伸展筋力は1.19±0.34 Nm/kg,不可能群で0.47±0.22 Nm/kgであり,1.0 Nm/kgを越えれば90%以上,1.2 Nm/kgを上回れば全例が可能

金子弥生,山 裕司,青木詩子・他:階段昇り動作と膝伸展筋力の関連.総合リハ,2002, 30: 641-645.

膝伸展筋力は床からの立ち上がり動作に関して重要な因子である

膝伸展筋力値の判別点は0.83 Nm/kgであり、この数値は、床からの立ち上がりに有用な数値と考えられる

高齢者における膝筋力(屈筋および伸筋)と日常の活動性との関連について, 膝筋力が大きい高齢者は活動性もより高い

Aniansson A, Sperling L, et al : Muscle functionin 75-year-old men and women : A longitudinal study. Scand J Rehabil Med (suppl) 9 : 92-102,1983

膝関節筋群は年齢の影響よりも, むしろ移動動作能力や日常の活動性との関係が大きいと報告

池添冬芽, 浅川康吉 ・ 他 : 高齢者における下肢筋力と年齢との関連について. 京都理学療法士会会誌28 : 72-76, 1999

高齢者における起居動作や歩行・移動能力が自立するためには,大腿四頭筋を中心とした膝伸展筋力が重要であり,目標値を定めて筋力増強を実施することで対象者の自立の度合いが予測でき,さらに不可能な場合の対処も早期から効率よくできることにつながり,有益な情報である

5秒間の片脚立位の保持は,膝伸展筋力0.40Nm /kg を下回る全症例が不可能だった

高齢患者における片脚立位時間と膝伸展筋力の関係.RELATIONSHIP BETWEEN ONE LEG STANDING TIME AND KNEE EXTENSION STRENGTH IN ELDERLY PATIENTS:笠原 美千代,体力科學 50(3), 369-373, 2001-06-01,日本体力医学会

自由歩行速度は O.85Nm /Kg 付近 を境にして ,筋力低下に伴って速度 が低下し始めることを報告

Arch Phys Med Rehabil. 1993 Apr;74(4):400-6. Exercise to improve gait velocity in older persons. Judge JO

脳血管障害患者の筋力とADL

脳卒中片麻痺例の歩行再建を考える上で,麻痺側下肢筋力を強化する視点が重要

麻痺側及び非麻痺側の下肢筋力と歩行能力とは関連があり,特に麻痺側の筋力との関連が強い

片麻痺者男性32名の非麻痺側下肢筋持久力を歩行能力との関係で、筋力と,自由歩行速度および最大歩行速度に相関を認めた

宮崎貴朗,山本 摂,近野一浩・他:片麻痺の非麻痺側下肢筋持久力.理学療法科学,1995, 10: 21-23.

脳血管障害による片麻痺患者に筋力増強という観点で介入するには,筋緊張の問題があり議論の余地があるところだが,日常生活活動の基本動作である起き上がりや座位保持などのためには,積極的に介入すべきであると考える

高齢者では,健側下肢や体幹の筋力低下の関与するADL項目の減点が著明であったことから、筋力低下予防と改善が重要と報告

椿原彰夫,千野直一,園田 茂:日常生活動作(ADL)-FIMによる評価を含めて.総合リハ,1991, 19: 325-328.

脳血管障害を有する高齢者が座面高 30cm の低い椅子から立ち上がるためには、麻痺側の膝伸展筋力体重比の影響が大きいことが明らかとなった

脳血管障害を有する高齢者の各高さからの立ち上がりに関連する要因について:二項ロ
ジスティック回帰分析の結果、40 cm からの立ち上がりに有意に関連する要因は認め
られなかった。一方、30 cm からの立ち上がりについては、麻痺側の膝伸展筋力体重
比が有意に関連した「脳血管障害を有する高齢者における立ち上がり動作の関連要因」

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