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全部読みたい!第159回芥川賞の候補作品まとめ

2018年7月18日に選考会が行われる第159回芥川賞の候補作品をまとめました。(風下の朱、送り火、美しい顔、しき、もう「はい」としか言えない)

更新日: 2018年07月17日

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この記事は私がまとめました

sryamaさん

第159回芥川賞の選考会は、2018年7月18日(水)に行われます。

候補作は全5作品
・古谷田奈月『風下の朱』
・高橋弘希『送り火』
・北条裕子『美しい顔』
・町屋良平『しき』
・松尾スズキ『もう「はい」としか言えない』

第159回芥川賞にノミネートされた5作、全部読み終えましたけど、まれにみるほど粒揃い、ハイレベルな回になっていると思います。わたしが選考委員だったら1作に絞れなくて身をよじっちゃうなあ。皆さんも図書館とかで文芸誌借りて、全作読むといいですよ。その時間を費やす価値のある5作ですから。

★『風下の朱』 古谷田奈月

新三島賞作家が鮮烈に放つ女子と野球の熱く切ない物語。空っ風吹きつける群馬の地で白球を追う女子たちの魂はスパークする!

古谷田奈月「風下の朱」ようやく読めた。素晴らしかった。性差別の解体を志向する上で、古谷田奈月ほど精緻かつ慎重かつ大胆かつ縦横無尽に作品世界を展開させている作家は知らない。藤野可織や松田青子の仕事も本当に素晴らしいが、古谷田奈月の世界観はさらに進歩的かつ全方位的であるように感じる

小谷田奈月『風下の朱』読了。 いや、凄かった。濃い風を感じた。文学ってこうだな。純度が高い。 「娘は誰でも、母親の敗北から生まれるものだから」という台詞が印象深い。 野球は男の象徴なのかなとも感じた。汚れた血。痛み。 ぽっかりと穴が開いた……。いや、凄かった、よ。濃厚。

古谷田奈月「風下の朱」読了。面白かった。「先進的な精神はどこに宿ると思いますか。チーム、連帯、そういう安全な概念に逃げ込んで、革命は結局たった一人の変わり者にまかせようとする精神は? 新しいことが始まってるんですよ、先輩。新しい考えを追って、新しい体が生まれ始めてる」 pic.twitter.com/0sdOyuQwn0

★『送り火』 高橋弘希

東京から山間の町に引越した中学三年生の歩。うまくやってきたはずだった。あの夏、河へ火を流す日までは。

#送り火 #高橋弘希 #読了 子供とも言えない大人とも言えない中途半端な感受性が閉塞した環境で追い込まれていくように暴力に発展していく様は読んでいて窒息しそうなほど。 人はとにかく集団に紛れないではいられないのだろうか。 この場所は1年経ったら離れる場所だと知っていても。 #芥川賞候補作

ちなみに今回の芥川賞候補作のマイ推しは高橋弘希の『送り火』。こないだ授業で取り扱わせて頂きました。陰惨な描写もあって快い内容ではないですが、表現がうまいので、意外と国語の授業になじむ。予想が当たって受賞に至るといいなあ。

高橋弘希さんの『送り火』読んだ。 高橋さんの小説はどれも素晴らしいが、『送り火』にはいい意味でヤラれた!ダマされた!うまーく歩くんに同化するように誘導された… 読み返して客観的になるとこの結末にとても納得できる。 そして高橋さんすごいなって改めて感心してしてしまう。

★『美しい顔』 北条裕子

群像新人賞の受賞作、北条裕子「美しい顔」読了。震災をテーマにした作品だが、登場人物一人一人の奥底に沈殿している叫びにも似た本音と徹底的に向き合っている所が凄い。主人公のサナエには中村文則の作品の主人公っぽさを感じた。ただ、中村作品の主人公が鬱屈してるのに対し、こっちは純粋無垢。

いろいろあれな北条裕子さん「美しい顔」ですが、あらゆる文脈を知らずに読んだときの僕が、知らず知らずに声出して泣いちゃった体験だけはガチだし、そこまで感情ゆさぶられた事実は大事にしたい。

北条裕子の「美しい顔」読みました。文学と言うものに少なからぬ憧れを持っているので、へえ、これで絶賛なんだ。となんつうか同時代的な諦念をもって読みました。作者が提示したかったものは、件の数冊からの剽窃がなくても充分機能するのに、とか。いっそよその本を参照しなくても良かったのでは?

★『しき』 町屋良平

高2男子、モニター越しにきらめく春夏秋冬……未来なき青春を突破するために、いま、彼は「踊ってみた! 」

町屋良平『しき』読了。みずみずしさをどこで書いていくか、という点で非常に勉強になる一冊だった。後半からグッとくる。

町屋良平さんの『しき』を再び読み直した。青春を観測/解体する視点をもってしても青春は青春として胸を突いてくるので青春ってすげえー!ぞー!ってなった。

文藝、町屋良平さんの『しき』を読んだ 余韻を残すようなラストが、学生時代の感情と相まって深く心に残ります

★『もう「はい」としか言えない』 松尾スズキ

二年間の浮気が、キレイにばれた。別れたくない。二度目の結婚で、孤独な生活はこりごりだ。妻の黒いヒールスリッパの鼻先に、海馬五郎は土下座するしかなかった……。

「もう『はい』としか言えない」読了。松尾さんの文章がツボにスッポリ。おもしろかったー!

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