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ピアノ好きなら知っておきたいピアニスト10人

ピアノ好きなら知っておきたいピアニストをまとめました。基本的に現在でもコンサートで活躍しているピアニスト。セレクトは独断です。

更新日: 2018年08月15日

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この記事は私がまとめました

超有名どころのアルゲリッチやポリーニはもちろん知ってるけど、もうちょっとマイナーなピアニスト(中堅~大御所)も知りたいという方向けの記事です。現在でもコンサートで活躍しているピアニストです。セレクトは独断ですのであしからず。コンクール歴というよりコンサートピアニストとしての活躍重視です。

so_aoiさん

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ファジル・サイ

トルコ出身のピアニスト。自由奔放な演奏で、従来の演奏法に囚われない過激派。作曲家としても活躍しているが、「ブラックアース」という曲は、ピアノの特殊奏法(弦を素手で弾いたり、ピアノを叩いて打楽器のように使用したりする奏法)を用いており、固定概念に囚われないスタンスは作曲にも活かされている。「ブラックアース」は、トルコの吟遊詩人アーシュク・ヴェイセルのバラード「黒い大地」に触発されて作曲したもので、オリエンタルな響きを持ちエキゾチックな曲である。

彼は、体をくねらせ、曲と一体となったかのようにピアノを鳴らす。ふんだんにペダルを用い、大胆に残響を残し、曲の一部として構成する。左手はスイングしジャズのようなリズムをとり、右手は蝶のように軽々と飛び回る。彼の演奏を「悪趣味」と批判する人もいるが、彼の奏でるピアノは瑞々しく生命力溢れる。彼の大胆なピアニズムはピアノ好きなら一度は聴いておきたいものだ。

ジャン=マルク・ルイサダ

チュニジア生まれ、フランスのピアニスト。ブーニンが優勝した豊作の1985年ショパンコンクールで第5位に入賞。ちなみに、第4位は日本人の小山実稚恵だったが、ブーニンはその後の活動が低迷したことを考えると、演奏家として大成したのは、ルイサダと小山の2名というからピアニストの命運とは分からないものだ。

ショパン以来の伝統を大切にしており、ピアノ練習は3時間にとどめ、他の時間は絵画・文学など他の芸術を学ぶほうが良いというスタンス。華麗で微細な音色の重視、絵画のように多様な色彩など、フレンチピアニズムの伝統を大切にし、貴族のサロンで演奏するかのような趣が演奏に感じられる。彼の演奏の余韻は、まるで赤ワインを口に含んだ時に鼻に抜ける香りを思わせとてもノーブル。技巧的で即物的な演奏が多い中で、彼はミスタッチもそこまで気にしないし、コンサートは楽譜を観ながら演奏することも厭わない。かつての貴族のサロンで催された演奏会の大らかさと余裕がルイサダにはある。

フレディ・ケンプ

英国生まれ、日本人の母とドイツ人の父を持つ。かの有名な大ピアニストのヴィルヘルム・ケンプの遠い親戚。チャイコフスキーコンクール第3位の実力派。その時のチャイコンで優勝したのが名教師ドレンスキ―の弟子のマツ―エフと、第2位は同じく弟子のルデンコだった。しかし、いまでは彼らよりも人気を集め、コンサートピアニストとして華々しく活躍している。

エキサイティングさと、エモーションが見事にミックスされた魅力的なピアニスト。奏速いテンポで曲を引き締め、曲の終結に向けて活発に疾走するように演奏したかと思うと、別の曲では程よいテンポとたっぷりの抒情で、観客を陶酔させる。磨き上げられたテクニックでピアノを鳴らしているが、随所に彼の生来的な繊細さが演奏に良い味を出してくる。ドイツ在住なので来日する機会も少ないが、渡欧の際はコンサートに足を運びたいピアニストの一人。

アブデル・ラーマン・エル=バシャ

アラブ系レバノン人。パリ音楽院を経て、19歳の若さで国際エリザベト王妃コンクールで優勝し、世界の檜舞台に躍り出た。しかし、優勝後もすぐにはコンサートピアニストとしては活動せず、自己研鑽のために数年を費やしており、そのためレパートリーも広く、今日の円熟した演奏につながった。

クラシックピアニストとしては珍しくアラブ系だが、フレンチピアニズムの薫陶を受けている。まるで左手はフランスの田舎の小川のせせらぎ、またはシルクのようになめらか。右手はジュ・ペルレ(真珠のよう)の粒のそろった音の粒が、煌びやかに旋律を歌い上げる。まるでシルクの上を真珠が転がるような美しさ。どこまでも自然体で、もはや聖職者のような落ち着きがある。大御所の演奏はこういうものかと感心させられる。

アレクサンダー・ガブリュク

ウクライナのピアニスト。有力コンクールのホロヴィッツ記念国際ピアノコンクール、浜松国際ピアノコンクール、ルービンシュタイン国際ピアノコンクールでそれぞれ優勝している三冠王。またピアノ界の重鎮だった故中村紘子が絶賛していたというから、彼の実力は折り紙つきだ。こじんまりとした曲をほどよい抑制の中で弾いたかと思うと、大曲は磨き抜かれた技巧でメリハリをつけてダイナミックに響かせる。度々来日コンサートも開いており、生の演奏にも触れやすいピアニストだ。すでに成熟した演奏家の風格すらあるが、まだ34歳というから驚かされる。

エフゲニー・キーシン

ロシア生まれのユダヤ人ピアニスト。10歳でモーツァルトのピアノコンチェルトでデビューする神童ぶり。有力コンクールでの入賞歴はなく、さらには特に名教師に師事していたわけでもない。もはや彼ほどの早熟の天才だとコンクールだとか教師は意味をなさないのだろう。15歳のときに、来日コンサートを開いているが好評でその時のコンサートCDはいまでも伝説だ。

「二十歳を過ぎればただの人」とも言われる中、もう50歳近くになっても彼の人気は衰えない。とはいえ、円熟性や曲の解釈という点から、若干の不満を口にする人もいる。だが、澄み切った鋭敏な音とクールな響き、バネのある腕は跳躍する音型の難曲もそつなく弾きこなす技巧は圧巻である。最近は内省的な曲にも取り組んでおり、”神童”・”天才”というブランドからの脱却を模索しているようにも思われる。

イーヴォ・ポゴレリチ

クロアチアのピアニスト。反骨精神旺盛で音楽院を放校になりそうになる問題児。しかし、音楽の才能は真正で、アレッサンドロ・カサグランデ国際コンクール第1位、モントリオール国際コンクール第1位。ショパン国際ピアノコンクールに出場し、アルゲリッチが「天才よ!」と絶賛するも、一部審査員の猛反対にあい第3次予選で落選。アルゲリッチが審査委員を辞任する騒動になった。ちなみに、その大会で海老彰子が第5位に入賞している。

エネルギッシュで、若々しく瑞々しい演奏は聴くものを圧倒する。音色は様々に変化し、宝石箱をひっくり返したかのようだ。歳の離れたピアニストのアリザ・ケゼラーゼと結婚するも、彼女を亡くしてからは長らく低迷期が続いていたが、再び精力的にコンサートピアニストに返り咲いている。一度は生で聴きたいピアニストだ。

小菅優

日本人だが10歳から欧州に居住。子供のころからリサイタルを開き、現在でもヨーロッパを中心に活動中なので、日本でも知名度はさほどかもしれないが、日本人の若手ピアニストとしてはかなりの高評価を得ているピアニストだ。ザルツブルク音楽祭ではイーヴォ・ポゴレリッチの代打を務めた実力派だ。コンクール歴はなく、演奏活動でいまの名声をつかんだ点ではキーシンに似ている。しかし、キーシンのように派手な技巧とダイナミックな演奏で熱狂を起こすことを目指していない。どちらかといえば曲の深い解釈と理解により、深淵なるところで曲を奏でることを目指しているようだ。日本人として彼女の演奏には生で一度お目にかかりたいものだ。

ボリス・ベレゾフスキー

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