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U2の初期デモ曲

BonoReedさん

1. 1978年4月@キーンストーン・スタジオ(ダブリン)

U2の最初のレコーディングは1978年3月にリメリックで行われたポップコンテストで優勝して獲得したものです。

プロデューサーはジャッキー・ヘイデンという当時CBSアイルランドの社員だった人物で、コンテストでも審査員を務めていました。

レコーディング場所はダブリンのKeystone Studioです。

彼らは「作曲からどうやって収入を得るんだ?」とか「誰がラジオでかける曲を決める?」といった質問をしてきた。普通は恥ずかしがってそういうことを聞かないものだけどね。そういう質問をされたのは僕だけではないはずだ。(ジャッキー・ヘイデン)

このセッションでは四曲がレコーディングされたと言われています。

・Inside Out (Oh No)
・Night Fright (Tonight, Live My Life Tonight)
・Concentration Cramp(未完成)
・Hang Up!(未完成)

Inside OutとNight Frightのデモは存在しますがあとの二曲は存在しません。このレコーディングはラリーの父親がテスト勉強のために途中でラリーを家に連れて帰ったため未完成に終わったものと思われます。

こちらが記念すべきレコーディング第一号。79年10月~12月の短期間ライブでも演奏されていました。U2 by U2ではラリー以外のメンバーが散々こきおろしておりますが、まだまだ個性の欠片もなく凡庸な曲だと思います。ボノはSiouxsie & the Bansheesのボーカルを真似てイングランド訛りで歌ったそうです。ちなみにこの曲はOctoberレコーディング前にボノがポートランドで失くしたノートにも記載があります。

U2 by U2の中ではアダムはInside Outしか完成しなかったと述べていますが、この曲のデモも残っています。感想はInside Outと同様。最初から才気活発とは行かなかったようです。

Concentration Crampは79年1月~12月までライブで演奏されていた曲で、U2 by U2でもニール・マコーミックの記事でも言及されており、存在していたのはたしかなようですが、いまだに音源は発掘されていません。が、1978年にダブリンで開催されたホットプレス音楽の殿堂展覧会で歌詞の一部が展示されたそうです。

White Walls, Morning Eyeballs
A Thousand Voices echo through my brain
Schools daze, new direction
Boxes beat the clockwork
1 2 3 4 everybody’s sweating
Blue trees and now the question
Yes I mean No. Sorry.
C-C-C-Concentration Cramp ha-ha-ha
Concentration Cramp

Hang Up!も音源が存在せず、曲の存在すら疑問視されていますが、U2マガジンなど当時の雑誌に度々タイトルが登場するので、存在していたのはたしかなようです。

2. 1978年11月1日@キーンストーン・スタジオ(ダブリン)

二度目のレコーディングは恐らくU2の初期レコーディングの中ではもっとも有名なものです。

プロデューサーはケルトロックのパイオニアHorlipsのベーシスト・バリー・デヴリン。後にU2のPVをいくつか制作しています。ポール・マクギネスがHorlipsのマネージャーと知り合いだった関係でお鉢が回ってきたとのこと。

が、プロのプロデューサーではなかったバリー主導のレコーディングも前回同様ラリーの父親の邪魔が入ったりして惨憺たるものだったようです。

僕と彼らの間に共通点がないのは明らかだった。僕のギターはブルーズを基調としているもので、エッジのスタイルとはまったく違った。エッジの「オーケストラ」は既に完成されていた。彼らのプレイが新しいものであることは明白だった。(バリー・デヴリン)

レコーディングされたのは以下の三曲。

・Street Mission (Street Missions)
・Shadows and Tall Trees
・The Fool (Out of the Living World)

これらの曲は2004年にデジタルリリースされたThe Completeに収録されているEarly Demosに収録されています。

前回から7ヶ月後のレコーディングですが、随分U2ぽさが出てきていると思います。テレビ出演の際にも演奏されました。

かなり初期の1978年3月からライブで演奏され、Boyまで生き残った息の長い曲……が、アルバムリリース後はライブで一度も演奏されていません。

ニール・マコーミックは初期のU2のテーマを「少年と狂人」と述べていますが、そのテーマの一つ狂人を体現する曲……ですが、曲自体は特筆すべきものはないかと。テレビ出演の際にも演奏されました。

3. 1979年2月@イーモン・アンドリュー・スタジオ(ダブリン)

どうやらプロデューサーはおらず、スタジオのエンジニアであるデイブ・フリーリーという人物と一緒にレコーディングを行ったようです。

レコーディングされたのは以下の五曲。Another Time, Another PlaceとTwiligtはBoyにも収録されています。

・Another Time, Another Place
・The Magic Carpet / Life on a Distant Planet (Judith、No Man’s Land、Lost on a Distant Planet)
・Twilight
・Alone in the Light
・False Prophet(I Realize)

マスターテープは行方不明になっており、Youtubeにアップされている音源はポール・マクギネスがU2をレコード会社に売り込むために持ちこんだデモテープがソースのようです。なおイーモン・アンドリュー・スタジオは1983年に火災により焼失したのでマスターテープは永遠に失われました。

エッジが初めて作った曲。またしても曲は凡庸ですが、エッジのギターにところどころ光るものを感じます。

またしても曲は凡庸ですが、ボノの歌い方がBoyあたりの時期の歌い方に近づいているような気がします。

イントロがJoy Divisionに似ているような気がします。

4. 1979年8月4-5日@キーンストーン・スタジオ(ダブリン)

メジャーデビュー前、なんとかレコード会社の契約を勝ち取ろうと奮闘していたU2でしたが、ようやくCBSとシングルを1枚出す契約を交わしました。そしてそのCBSがプロデューサーとして寄越したのが、当時CBSのA&Rとして働いていた音楽のど素人のチャス・ド・ウェイリーでした。

チャスはU2のデモを聞いた時はさほど感銘を受けなかったものの、ダブリンに渡ってU2のライブを初めて見た時、特にボノのパフォーマンスに圧倒されプロデュースを引き受けたそうです。

僕はすっかり打ちのめされた。こんなスターの資質を持った人間を見たのは、二年前にサウンズで記事を書いていた時にナッシュビルでポール・ウェラーとthe Jamを観て以来だった。僕がハワードに寄りかかって「この男は凄い。次のThe Sensational Alex Harvey Bandかデヴィッド・ボウイになるぞ」と耳打ちすると、彼は鼻を鳴らして同意した。(チャス・ド・ウェイリー)

レコーディングされたのは以下の三曲です。現在、この三曲はBoyのデラックスエディションに収録されています。

・Out of Control
・Stories for Boys
・Boy/Girl

けれどもレコーディングのムードは険悪、デモの出来はいまいちで、CBSはイギリスでのリリースを拒否し、アイルランド限定リリースとなりました。U2側はこの知らせに落胆しましたが、それならばと知恵を絞り、ファン心理をそそるべく、それぞれのレコードに番号を打った1000枚限定の12インチレコードの形でリリースしました。

これがU2初の商業リリース作品Threeです。

結果、レコードはIREチャートで19位を記録するなどアイルランド国内で大ヒット。ラジオ局で頻繁にかかり、ホットプレスはバンドを表紙に起用、12インチレコードはあっという間に売り切れて、急遽 7インチ・レコードをリリースしました。今やこのレコードはコレクターズアイテムです。

ということで、このレコードでU2はデビューのとっかかりを得るとともに、CBSは将来のビッグバンドを取り逃がしたという汚名を着ることになりました。

なおThree曲順は自分たちで決められなかったために、RTEラジオのDJデイヴ・ファニングの番組に出演した際、リスナーの投票で決められました。デイブはU2がシングルをリリースする際、世界で最初にラジオに流す「特権」を現在も持っている人物です。

またStories for Boysのオルタナヴァージョンは当時のアイルランドのニューウェーブバンドの曲を収録したコンピ・Just for Kicksに収録されています。

5. 1979年12月16日@CBSスタジオ(ロンドン)

Threeのセールスがそこそこだったので、U2は再びレコーディングすることになりました。プロデューサーは前回に引き続きチャス・ド・ウェイリー。当時U2は短期間のイングランドツアーの最中で、レコーディングはその合間を縫って行われました。

レコーディングされたのは以下の二曲。

・Another Day
・Pete the Chop

けれどもツアーのせいでボノの喉はボロボロ。絶えず蜂蜜入りの紅茶を飲みながらレコーディングに臨んでいたのだとか。出来上がった作品にも満足できず、ボノはPete The Chopをお蔵入りにすることを主張し、結局、Another DayのシングルのB面にはTwiligtが収録されました。

なおこのPete The ChopはNew Year's DayのシングルのB面に収録されているTreasure (Whatever Happened to Pete the Chop?)とは別の曲とのことです。

6. 1980年2月@ウィンダム・レーン・スタジオ(ダブリン)

このレコーディングについても詳細はわかっておりませんが、同年4月にマーティン・ハネットをプロデューサーに迎えて11 O’Clock Tick Tockをレコーディングする前の3月半ばにU2のメンバーはロンドンでJoy DivisionのセカンドアルバムCloserをレコーディングしていたハネットの元を訪れ、デモテープを渡しているので、この頃、件のデモのためにレコーディングが行われたものと思われます。

以下の五曲がレコーディングされた模様。

・Trevor (Touchの初期ヴァージョン)
・The Dream is Over (The Kings New Clothes)
・Silver Lining (11 O’Clock Tick Tockの初期ヴァージョン)
・A Day Without Me (Demo Version)
・Jack in A Box (Jack in the Box)

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