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この記事は私がまとめました

Altria1123さん

猛スピード

俺にはちょっと変な趣味があった。

その趣味って言うのが、夜中になると家の屋上に出て、そこから双眼鏡で自分の住んでいる街を観察すること。

いつもとは違う静まり返った街を観察するのが楽しい。

遠くに見えるおおきな給水タンクとか、

酔っ払いを乗せて坂道を登っていくタクシーとか、

ぽつんと佇むまぶしい自動販売機なんかを見ていると、妙にワクワクしてくる。




俺の家の西側には長い坂道があって、それがまっすぐ俺の家の方に向って下ってくる。

だから屋上から西側に目をやれば、その坂道の全体を正面から視界に納めることができるようになってるわけね。

その坂道の脇に設置されてる自動販売機を双眼鏡で見ながら、「あ、大きな蛾が飛んでるな~」なんて思っていたら、

坂道の一番上のほうから、物凄い勢いで下ってくる奴がいた。

「なんだ?」と思って双眼鏡で見てみたら、

全裸でガリガリに痩せた子供みたいな奴が、満面の笑みを浮かべながらこっちに手を振りつつ、猛スピードで走ってくる。

奴はあきらかにこっちの存在に気付いているし、俺と目も合いっぱなし。

ちょっとの間、あっけに取られて呆然と眺めていたけど、

なんだか凄くヤバイことになりそうな気がして、急いで階段を下りて家の中に逃げ込んだ。

ドアを閉めて、鍵をかけて、「うわーどうしようどうしよう、なんだよあれ!!」って怯えていたら、

ズダダダダダダッって屋上への階段を上る音が。

明らかに俺を探してる。

「凄いやばいことになっちゃったよ、どうしよう、まじで、なんだよあれ」って心の中でつぶやきながら、

声を潜めて物音を立てないように、リビングの真中でアイロン(武器)を両手で握って構えてた。




しばらくしたら、今度は階段をズダダダダッって下りる音。

もう、バカになりそうなくらいガタガタ震えていたら、

ドアをダンダンダンダンダンダン!!って叩いて、

チャイムをピンポンピンポン!ピポポン!ピポン!!と鳴らしてくる。

「ウッ、ンーッ!ウッ、ンーッ!」って感じで、奴のうめき声も聴こえる。

心臓が一瞬とまって、物凄い勢い脈打ち始めた。

さらにガクガク震えながら息を潜めていると、

数十秒くらいでノックもチャイムもうめき声止んで、元の静かな状態に……。




それでも当然、緊張が解けるわけがなく、日が昇るまでアイロンを構えて硬直していた。

あいつはいったい何者だったんだ。

もう二度と、夜中に双眼鏡なんか覗かない。

夜行バスにて

母親と三人娘(上から里奈、留奈、玲奈)は実家へ帰省する途中だった。

末の玲奈は甘えん坊で、母親の横を決して離れようとしない。

すると留奈が「ズルい!あたしもママの隣がいい!」と言ってきかなかった。


仕方なく母親は、補助席を引っ張り出して留奈を座らせた。

それを見ていた里奈が「私はママの隣じゃなくても平気だもんねー」

と言ってワザと遠くに座っていた。

車内は比較的空いていて、ある程度は自由に動けた。

「あ、お姉ちゃん、一番後ろにいる…」玲奈が呟くように言うと、

「里奈姉ちゃんはママのことが嫌いなんだよ!」と留奈が意地悪そうに言い放った。

「そんなこと言ったら里奈姉ちゃんが…」

案の定、里奈は怒りながらやって来て、

「わたしママの後ろに座るからどいて!留奈」

「ヤダ!」二人は掴み合いのケンカになってしまった。

「留奈姉ちゃん、意地悪しないで通してあげなよ。」

そんな玲奈の言葉なんか聞く耳持たない留奈だったが、

「いい加減にしなさい!二人とも!里奈は留奈の隣にすわる!

そうすれば、みんな横一列になってママの目に届くから!」

母親にそう叱られると二人はしゅんとして従った。

しばらくして玲奈が母親のお腹を触りながら尋ねた。

「ねえママ、今度生まれてくる赤ちゃんにはどんな名前つけるの?」

すると母親は「検査で男の子だって分かったから、露斗かな。」

「変な名前」留奈が横からボソッと皮肉った。

「あらそう?勇者みたいで強そうでしょ」

母親が悪戯っぽく言うと留奈は思わず吹き出してしまった。

玲奈は意味が分からなかったらしく別の方向を見て、


「あ、お姉ちゃん今度は一番前にいる」

無人のクリーニング会社

342 :あなたのうしろに名無しさんが…:2001/07/09(月) 23:11
月末の締めが一向にはかどらず、気付けば時計は1時半(夜の)。
面倒なので事務所に泊まっちまおうと思って、メシとコーヒー買いにコンビニへ。
買うもの買って、さてもーちょい仕事片して寝るかな、とか思いつつ事務所の入ってるビルに向かう。
うちの事務所は2階にあって、1階にはハウスクリーニングだかの会社が入ってる。
通用口を開けて小さなロビーを抜け、階段を上ろうとしたら、何か視界の隅に違和感が。
階段の非常灯に照らされて、無人のクリーニング会社内がぼんやりと見えた。
明かりは消えてる。誰も居ない。でも、なんかヘンなものが『ある』。
一台のパソコンのモニターらしきものを、なにかが隠してる。近づいてみた。

画面に覆い被さるように、ボサボサの長い髪の毛。

とにかくダッシュして階段駆け上がって事務所飛び込んで鍵閉めて寝た。
なんだったんだろ、あれ。ヅラ?人?

後でそれとなくその会社の人員を観察してみたけど、
茶パツの兄ちゃんやパンチっぽいおっさんはいたけど、髪の長い人は居なかった。
…俺みたいな奴をおどかすためのネタであればいいのに(涙

二体の少女人形

ある朝、女子大生の裕子は、ラジカセの留守録をセットした。

夕刻、FMで放送される音楽番組を録っておこうと思ったのだ。




その夜、アパートに帰った裕子は、カセットテープを巻き戻し、

再生ボタンを押した。ところが肝心の番組が録れていない。

原因はすぐに解った。ファンクションスイッチを「外部録音」に

したまま、タイマーをセットしていたのだ。お蔭でラジカセは、

誰もいない部屋の音をずっと録音し続けていたのである。

がっかりしてスイッチを切ろうとした時、裕子はスピーカーから

僅かに聞こえる声に気づいた。「何かしら?」

不思議に思いながら聞いてみると、どうやら声は二つ。

どちらも小声ではあるが、幼い少女のようだ。




「もっときれいにすればいいのにね」

「本当よね、きれいにすればいいのにね」

裕子は最初、それが何のことか解らなかった。

会話はなおも続いた。




「このままじゃ嫌よね」

「もっときれいにすればいいのにね」

「本当よね」

裕子は自分の顔から血の気が引いていくのを感じた。

ゆっくりと、背後を振り返る。

部屋の隅の大きな洋服箪笥の上に、数年前友達から貰った

二体の少女人形がある。長い間そのままにしていた二体は

埃にまみれ、煤けた顔で、裕子を見つめるように座っていたのだ。

倉庫配送センターでのバイト

510 :味ポン :2001/07/22(日) 21:54
3年前、私は某会社の倉庫兼配送センターでバイトしていました。
そこは1Fがトラックの搬入口、2Fの半分は事務所で後は商品の梱包所、3F~5Fは倉庫になっています。
私は2Fの事務所で事務の仕事に就いていました。

蒸し暑い夏のある日、仕事が終わらず残業をしていた時の事です。
残っていたのは私とSさんだけでした。
ここではSさんと呼びますが、どうしても彼女の名前が思い出せません。
Sさんは当時35歳で、化粧もせず地味な感じの女性です。
「死んだ人の霊より生霊の方が怖いわよ」と急に言い出す事もあり、
優しい方でしたが、何か不思議な感じのする人でした。

8:00を過ぎても中々仕事が片付きません。
普段は騒々しい所だったので、妙に事務所内がシーンと感じます。
彼女も黙々と仕事をこなしています。車の音、虫の鳴き声さえ聞こえません。
私は急に静けさが怖くなって、Sさんに話をしようと口を開いた瞬間、
ガラガラガラガラァァァ――――――――!
突然もの凄い音が響きわたりました。
驚いて立ち上がると、また同じ音が聞こえます。
どうも3Fで誰かが台車を勢い良く走らせている音の様です。
私は咄嗟に泥棒だと思いました。

511 :味ポン :2001/07/22(日) 21:55
「警察に電話して早く逃げましょう!」
私はそう叫びました。女2人では泥棒に太刀打ち出来ません。
Sさんを見ると、目を閉じて何事かを小さな声でブツブツと呟いています。
「何してるんですか!ここを出ましょうよ!」
彼女は押し殺したような有無を言わさない強い口調で、
「静かに、黙りなさい。あれは、人間じゃない」
なにか言い返そうとしましたが、何故か声が出ません。
そして一瞬静寂が訪れたかと思うと、今度は違う音が聞こえます。
ゴォンゴォンガタン
業務用の大きなエレベーターが動いています。
事務所からもそのエレベーターは見える位置にありました。
私が見たときには3Fに止まっており、▼のマークになりました。
全身が総毛立ち、逃げようとしても体が動きません。
何かがエレベーターに乗っている!ここに来る!

512 :味ポン :2001/07/22(日) 21:56
そしてガタァンと音がして2Fで止まり、ガ―ンと扉が開きました。
その瞬間、Sさんは一喝する様な声を出し、
金縛りみたいになっていた私は体が動き、咄嗟に耳を塞いでうずくまりました。
彼女は何か必死で叫んでいますが聞き取れません。物凄い恐怖でした。
私は『助けて!』と心で叫びながら震えている事しか出来ませんでした。
そんな中突然、髪の毛をグイッと引っ張られ、
「クックックッグッゥゥ……」
泣き声とも笑い声ともつかない男の声を耳元で聞き、失神してしまいました。
気がつくと彼女に「もう大丈夫だから帰ろう」と起こされ、私達は逃げるように家に帰りました。

不思議なのは、家に帰った時間が12:00を過ぎていた事です。
気を失っていた時間は5分ほどだったと彼女に聞いていたし、感覚的に9:00頃に起こった事だと思っていたからです。

3日後(会社を休んだ)彼女に会うと、右半身に真っ赤な湿疹がでていました。
「心配しないで~」と笑っていましたが、あれは何故でしょうか。
その時の事は私には恐ろしすぎて、その話題を口にする事なく会社を辞めました。
Sさんは御主人の転勤で九州に行かれたそうです。

エレベーターに何が乗っていたのかSさんにしか解りません。
あまり霊感の無い私でも、得体の知れないモノの気配は感じました。
私は音と声だけしか聞いていませんが、あの声は今でも耳に残っています。

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