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日本国有鉄道史 輸送力増強と国鉄 第2話 講和条約後の日本

時代的には、昭和27年の講和条約以降から30年前半にかけての記述が中心となります。日本最初の民衆駅として豊橋駅が誕生したりした時期となります。

更新日: 2018年10月01日

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この記事は私がまとめました

鉄道ジャーナリスト加藤好啓です、今回も国有鉄道私見の解説として、必要資料をリンクさせながら解説を加えさせて頂きます。どうかよろしくお願いいたします。地味目な内容が多いですが、国有鉄道の歴史としてご覧いただければ幸いです。

blackcat_katさん

所得倍増計画と日本経済

講和を獲得後日本は、国際的には独立国となりましたが、まだまだ10年戦争による疲弊は続き未だ国民の生活は豊かなものではありませんでした。
しかし、昭和30年代に入ると、次第に戦後復興と言われた時代は終わり、昭和29年(1954)からの神武景気、途中で鍋底不況と呼ばれる時期を経て、再び昭和33年(1958)からは、岩戸景気と呼ばれる好景気が押し寄せ、昭和35年、安保条約改正の責任を負う形で辞任した、岸内閣に代わって、池田内閣が組織され、所得倍増計画に見られるように、国民全体が、より豊かな生活を目指して行くことを目指し、経済が活発化していきました。

所得倍増計画
所得倍増計画(しょとくばいぞうけいかく)は、1960年に池田内閣の下で策定された長期経済計画である。閣議決定された際の名称は国民所得倍増計画(こくみんしょとくばいぞうけいかく)という。この計画では、翌1961年からの10年間に名目国民所得(国民総生産)を26兆円に倍増させることを目標に掲げたが、その後日本経済は計画以上の成長に至った。立案は経済学者の下村治。

関連 池田勇人

軌道の重軌条化など、輸送力増強が進められることに

こうした好景気のおかげで、鉄道輸送も輸送量は右肩上がりで増えていくこととなりますが、その反面、戦争中に酷使した施設の老朽化が目立つようになってきました、特に、輸送力に保安設備が追いつかないといった事態となりました。
特に輸送力の増加には、軌道の改善が最優先に行う必要がありました。
軌道については昭和27年からレールの重軌条化が推進されていきました。
具体的には、D50形・D51形蒸気機関車の入線する区間及び年間通過トン数500万トン以上の線区では、30kgレールを37kgレールに、C57、C62、D52形などの入線する線区で、かつ通過トン数1000万トン以上の線区では37kgレールを50kgレールに交換する工事が9ヶ年計画で開始されました。(現在多くの路線が50kgレールであることを考えると雲泥の差がありますが、当時は30kgレールなどが結構見られたものです。)

長さ1 mあたりの重量が60 kg, 50 kg, 40 kg, 37 kg, 30 kgの規格が使われており、普通レールと呼ばれる。重量の大きいものほど、乗り心地に優れ線路の狂いが生じにくく、重量のある列車が通る路線、列車が高速で走行する路線、運行頻度の高い路線に適している。

進む保線の近代化

それと並行して保線作業の近代化も進められマルチプルタイタンパー、バラストクリーナーなどの機械が導入されるなど従来の鶴嘴を持ってつき固めといった作業がなくなりました。これにより、保線区ごとに伝統的に歌われていた、保線区の歌なども次第に消えていきました。
この他、木材不足から鉄筋コンクリート枕木の生産を計画、昭和27年からコンクリート枕木が使用を開始しています。

PC枕木の構造
RRRから引用

民衆駅の誕生

一方、戦後復興の一環として地方自治体などでは駅前広場の整備が要望されました。
駅舎は本来鉄道の所有物のため鉄道会社が整備すべきものとされていましたが、そこまで手が回らないのが実情であり、駅舎の復旧・建設費用の一部または全額を地元に負担してもらう代わりに駅舎内に商店・食堂などの商業施設を設ける「民衆駅」構想も生まれました。
この方針に基づき、昭和23年の豊橋駅(戦後最初の民衆駅と言われている。)を皮切りに各地で申請が出されましたが、契約方式などで問題が表面化し、昭和29年には民衆駅の施設及び運営に係るさまざまな基準が設けられました。

第1次5か年計画始まる

更に昭和32年には、抜本的な改善を図るため、輸送力の増強を主眼とした第1次5ヶ年計画が策定され以下のような方針が決定されました。
①老朽施設を更新して資産の健全化を図り、輸送の安全を確保する。
②現在の輸送の行き詰まりの打開と無理な輸送の緩和を図り、増大する輸送需要に応じる ような輸送力を強化する。
③サービス改善と経費節減のため、輸送方式、動力、設備近代化の推進
でありました。

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