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[YOUTUBE危機]ブロックチェーンとトークンエコノミーで映像配信ビジネスはこう変わる

オランダ・アムステルダムで開催されたヨーロッパ最大の放送機器展となるIBC。そのIBC2018においてA日本ではほとんど扱われていないブロックチェーン関連のセッションが少なくとも6本実施されましたので大切な情報をまとめておきます。

更新日: 2018年10月02日

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ArikaStudioさん

■ヨーロッパ最大の放送機器展 IBC2018

■ブロックチェーン関連のセッションが6つ

そのIBC2018においてAI関連のセッションは18本実施。
そして日本ではほとんど扱われていないブロックチェーン関連のセッションが少なくとも6本実施された。

IBCでは真剣に映像やコンテンツビジネスにおけるブロックチェーンの可能性を議論する機会が数多く設定されていたのである。

■映像業界×ブロックチェーンとは

現時点では、ケーブルテレビはもちろん、NetflixやHuluも結局は従来のTV放送と同じく、まだ中央集権的なアグリゲーターである。コンテンツ制作者はこうしたプラットフォーマーとビジネス契約をしなければ、ユーザーにコンテンツを提供することができない。

つまり従来型のテレビ局のネットワークと、各種ネット動画サービスの本質的な違いはさほどなく、次のような課題がある。

クリエイターに分配比率の主導権がない
サーバーコストの増加を中央集権モデル(Netflix、YouTube、AWSなど)では支えきれない

SEOやアドブロックなど、広告モデルでの発展に限界がきている

■ブロックチェーンなら分散型の管理が可能

これに対しブロックチェーンによって分散化された世界では、リアルタイムでもオンデマンドでも、世界中に点在する数千台数万台のコンピューターが、分散型アプリケーション(Dapps,Decentralized Apps)を介することで、階層型ではない配信システムを構築できる。

すでに分散型の動画配信インフラとして、既存のブロックチェーン(ビットコインやイーサリアム、ネムなど)か、全く新たなブロックチェーンを使ったプロジェクトが、以下のようにすでに続々と登場している。

仮想通貨イーサリアムのブロックチェーン上に構築された「Livepeer(ライブピア)」や「Viuly(ビューリー)」などは、コンテンツを簡単に取り込んだり圧縮したりできる。同じくイーサリアムをベースにした「Stream Token(ストリームトークン)」や「YouNow/PROPS(ユーナウ/プロップス)」などは、配信会社やインフルエンサー(ソーシャルメディアで発信力を持つユーザー)向けのアプリケーションレベルでのトークン生成プログラムだ。「Spectiv(スペクティブ)」は広告モデルに特化し、特に仮想現実(VR)コンテンツなどでコンテンツ制作者に収益の大半が配分されるようにしている。さらに、「LBRY(ライブラリー)」や筆者の会社である「Theta Labs(シータラボ)」は、娯楽やeスポーツなどを手掛ける外部事業者のDappに対応した新たなブロックチェーン/プロトコルの開発に取り組んでいる。

■クリエイターへの報酬にはトークンを使用

ブロックチェーンでは、不正・改竄できない台帳を著作権管理に利用し、「トークン」を利用した報酬分配システムを利用できる。

IBC2018では、ブロックチェーンの世界で新たなコンテンツとして想定されるのは、いきなりレガシーな放送的なビジネスに利用するのは現実解ではなく、まずはeスポーツやライブイベントのような実況系のものだろうという議論があった。

今でも一般人が撮影した現場映像を既存のテレビ局がニュース素材として収集して放送する例が非常に多いが、これらがシステム的に収集、配信され、報酬が支払われるといったものだ。

こうしたコンテンツは、これまでのような受信料や月額料金という考え方ではない、デジタル権利証であるトークンを使うことで、有料でも無料でも、広告主を介在させることで広告モデルにもできる。

このトークンはユーザへのインセンティブにも、コンテンツ制作者への報酬にもなり得る。

■ブロックチェーンはコンテンツの流動に大きく貢献できる

インターネットは新たなコンテンツの流通経路にはなったが、結局は中央集権型の構造に本質的な変化はもたらされていない。ブロックチェーン技術は、こうした閉塞感が高まる一方のインターネットに、P2Pによる真の分散構造におけるコンテンツの流動に大きく貢献すると思われる。

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