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世界で4680万人の患者!?治療薬がない病気・・・日本でも'25年に患者数が700万人

アルツハイマー病の薬の試験が失敗続き。認知症の治療薬はできるでしょうか?

更新日: 2018年10月06日

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この記事は私がまとめました

認知症は治療薬がない

いまや認知症の患者は世界で4680万人。

日本では、'25年に患者数が700万人を超えるとされ、「国民病」と言っても過言ではない

認知症の6割を占める主要な原因がアルツハイマー病だが、いまのところ、患者に処方されるのは、アリセプトなど、神経細胞の伝達物質を活性化させ、進行を遅らせるものだけ

認知症の最大の原因とされるアルツハイマー病

過去10年間に世界中で行われたアルツハイマー病の薬の試験のうち99.6%が失敗

アルツハイマーの根本原因にアプローチする薬はことごとく討ち死

アルツハイマー病治療薬の開発は「連戦連敗」

点滴や錠剤の服用などで私たちの血液中に溶けこんだ薬の物質は、血液に乗ってその薬を必要とする臓器へと移動し、血管からしみ出して臓器の内部へ届けられます。それが可能なのは、血管の壁に薬が通れるだけのすき間が開いているからです。

こうして薬が効くんですね

脳の血管の壁の細胞は、互いに強く結合しているためほとんどすき間がなく、こうした薬が通り抜けられません。脳の血管には「血液脳関門」と呼ばれる頑丈な防御壁がある

脳だけに、このような特殊な構造があるのか。それは、血液中を漂うさまざまな物質が無秩序に脳に流れ込んで、神経細胞の働きに支障をきたさないよう、血管が進化してきたためです。しかしその仕組みが脳の中に薬を送り込んで病気を治そうとする際には、これを阻んでしまう、いわば「諸刃の剣」になっている

アミロイドβを分解する薬を脳に送りこむことで病気の進行を食い止めようと、これまで多くのアミロイドβ分解薬が作られてきましたが、血液脳関門を突破して脳に届き、アミロイドβを分解していると確認された薬は、まだひとつもない

認知症の治療法

アミロイドβは認知症が発症する20年ほど前から脳にたまり始める傾向があることがわかっています。

アミロイドβはそれ自体が脳にダメージを与えるというよりは、「引き金」を引く役割をしているのかもしれません。だとすると、認知症になってからアミロイドβを減らしても、あまり意味がない

アルツハイマー病による認知症になった人に、アミロイドβを減らすワクチンを投与してみた。すると、脳にたまったアミロイドβを減らすことができた。それにもかかわらず、脳の衰えを防ぐような効果はなかった。

薬を投与するタイミングが遅すぎた?

主流になりつつあるのは、『薬を病気が始まる「前」から投与する』という考え

こうした考え方による開発が成功したとしたら、「認知症の発症が予測されるずっと前から使い始め、その後は死ぬまで中断できない」ものになるので、薬にかかる膨大な「コスト」がかかる。

アルツハイマー病を含めた認知症を予防できる方法は「高血糖(糖尿病)」や「高血圧」など、いわゆる生活習慣病にならないように心がけること。そして、なってしまった場合は、良い状態をキープできるよう、生活習慣の改善や治療に取り組むこと

認知症に似てるハーラー病

「GAG(グリコサミノグリカン)」と呼ばれる物質が細胞の中にたまることで引き起こされる脳の難病、「ハーラー病」

「ムコ多糖症」と称される病気の一つ。厚生労働省によると、ムコ多糖症全体の発症頻度は日本人で5万〜6万人に1人とされる。

1000億あると言われる脳の神経細胞にGAGが蓄積すると、運動機能や認知機能に大きな障害が出てしまいます。

通常私たちの細胞にはこのGAGを分解する酵素があるのですが、ごくまれに、生まれつきこの酵素の働きが不十分だったり、酵素自体を持たずに生まれたりする子どもたちがいます。

"血液"と"脳"との間に立ちはだかる"関門"を意味するこの血液脳関門が、これまで脳に薬が入るのを阻んできた

「血液脳関門」研究の世界的権威で、このハーラー病の新薬を開発した米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のウィリアム・パードリッジ名誉教授

インスリンも他の物質と同様、血液脳関門で跳ね返されるはずなのに、なぜか関門を乗り越えて血管の壁を越えて脳の中に入り込めることが以前から知られていた

治験が進められているハーラー病の新薬に秘められた、血液脳関門を突破するための画期的な仕組み。インスリンが血管の壁にある「小さな突起」にくっつくと、血管の細胞膜が小さなカプセルを作ってインスリンを包み込み、そのカプセルごと血管の壁を越えて脳の中まで運んでくれる。この仕組みを利用して薬を脳に届ける。

ハーラー病新薬の開発に成功すれば、認知症の進行を食い止める特効薬の開発の道筋が見える。なぜなら、認知症の治療を妨げているのも、この血液脳関門だからだ

私たちはインスリンを運ぶこのカプセルを薬の運び屋として利用。薬をここに入れてしまえば、脳の中まで運んでくれると考えた。

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