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「ヨブ記」解説【旧約聖書】

聖なる書物を汚すものは天罰が下されます。私が天の業火によって焼き尽くされるのは確実な運命です。ですからキリスト教、ユダヤ教、イスラム教の信者様たちが、私に手を下す必要はまったくありません。

更新日: 2018年10月28日

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この記事は私がまとめました

「ヨブ記」は旧約聖書にある物語、紀元前5世紀~3世紀の成立だろうと言われています。

理解不能物語

「ヨブ記」は旧約聖書の中でも有名な物語です。創世記、出エジプト記のつぎに有名くらいです。
しかし普通に読んでも理解不能です。読みにくいことこの上ありません。

理解できないのは私が信仰を持たないからなのですが、信仰を持たないままなんとか理解できないか挑戦してみました。

全文

新共同訳
http://www.yoyoue.jpn.org/bible/job.htm

日本聖書協会訳
http://ur0.link/MXYJ

ネット上で読めますが、いきなり読んでも理解不能です。
このまとめを読んでから読まれることを勧めします。
でも天罰を恐れる方はこのまとめ自体を読まないことをお勧めします。

あらすじ

Aパート

ヨブという信仰厚いリッチマンが居ました。

財産大量、子供たくさん、幸福でした。

神とサタンがヨブについて会話します。(ヨブ記ではサタンは神の手下、チョイ悪キャラの設定です。神の敵とまではゆきません)

神:「私のしもべヨブは信心深いやつだ」
サタン:「それはヨブがいい生活してるからです。彼から全部奪ったら神を呪うようになります」
神:「ええで、やってみろ。だが命は奪うな」

サタンはヨブに害を加えました。ヨブは財産全部失い、子供も全部死に、皮膚病になりました。悲惨です。死を待つのみです。でも神を恨みはしませんでした。信仰厚いからです。

Bパート

ヨブの友人が3人訪ねてきます。変わり果てた姿にショックを受けます。7日間のショックの後、ようやく話をする雰囲気になったのでしょう、ヨブが口を開きます。

「私の生まれた日は消えうせよ」

つまり「生まれてこなければよかった」という意味です。

3人の友人は「神は現状復元してくださる」「神は勧善懲悪」「いややっぱりヨブが罪を犯したから罰を受けているんじゃ?」とか色々言います。

しかしヨブの主張は一貫していて、「悪いことはひとつもしていない」「この境遇は不当だ」「神とお話したい」です。

4人で延々と議論していますと、なぜか突然3人の友人以外の人物が登場します。エリフさんです。「いままで話を聞いていた」という設定が急に加えられます。かなり不自然です。
エリフさんは「やっぱりヨブが間違っている」と言います。

Cパート

嵐の中から神が出現します。

神:「誰だ、知識もないくせに。天地創造のときにお前はどこにいたのだ。天地全部私の作ったものだ。まいったか」
ヨブ:「参りました」

ヨブが降参したので、神は友人3人に、ヨブに贈り物をすることを命令します。エリフさんには言及なし。そしてヨブは現状回復してもらい、以前の倍の財産を得て、子供もできて、長生きしました。めでたしめでたし。

章立て表

42章あります。長いです。

問題はBパートです。そもそもなにを言っているかわかりません。議論しているようで、議論になっていないようにも見えます。

実はA、Cは散文で書かれていて、Bは詩だそうです。おそらく作者が違います。後でドッキングしています。A、Cは神を「ヤハウェ」と呼び、Bは「エロヒーム」と呼びます。全然違います。

神話でも古いものはこんなものです。アマテラスもオオヒルメムチという別名あります。名称統一する前に神話ができちゃった。あるいは違う神を信じる部族の話が合体したのかもしれません。本当言うとBパートはなくても話としては成立します。

でもひとつにまとめられて、ひとつの話として歴史上流通しているので、ここではひとつの物語として解読しましょう

成立背景

舞台となるウツという土地は、南エドム、と言われています。

シナイ半島の向かって左がスエズ湾、右がアカバ湾ですが、アカバ湾の北側と考えればよいと思います。別にパレスチナではありません。つまりユダヤ人ではありません。ユダヤ人でないひとをユダヤ教徒にする活動です。ユダヤ教教団営業部の活動なのです。

レビヤタン

海の怪物が何度も出てきます。レビヤタンと呼ばれたり、海の怪物と呼ばれたり、ラハブと呼ばれたり、呼称も統一しませんが、登場の仕方もものすごく不自然です。

ちなみにレビヤタン=リヴァイアサンです。ホッブスの著作で有名ですが、それの初出がヨブ記です

第3章でヨブは自分の生まれた日を呪って、「 日に呪いをかける者、レビヤタンを呼び起こす力ある者が、その日を呪うがよい。」と言います。

第7章でヨブは、「私は海の怪物なのか。(それほど危険な存在ではないはずの私に)なぜ監視が必要なのか」
と言います。

第26章でヨブは「神は強力」という箇所で「神は御力をもって海を制し英知をもってラハブを打たれた」と言います。

しかし最も不自然なのは、神です。しかし神に不自然では失礼ですので、超自然と言いましょう。

第40章で神は、陸の怪物ベヘモットと海の怪物レビヤタンの描写にこだわります。レビヤタンの部分のみ参照します。(新共同訳、注意!長いです)

「お前はレビヤタンを鉤にかけて引き上げその舌を縄で捕えて屈服させることができるか。 お前はその鼻に綱をつけ顎を貫いてくつわをかけることができるか。 彼がお前に繰り返し憐れみを乞い丁重に話したりするだろうか。 彼がお前と契約を結び永久にお前の僕となったりするだろうか。 お前は彼を小鳥のようにもてあそび娘たちのためにつないでおくことができるか。 お前の仲間は彼を取り引きにかけ商人たちに切り売りすることができるか。 お前はもりで彼の皮をやすで頭を傷だらけにすることができるか。 彼の上に手を置いてみよ。戦うなどとは二度と言わぬがよい」

二度と言わぬがよいと言われても、レビヤタンと戦うなんて誰も一度も言っていません。でも神の発言なので誰も突っ込みません。超自然です。

そして第41章に突入、全部がレビヤタンの描写です。(新共同訳、注意!死ぬほど長いです)

「勝ち目があると思っても、落胆するだけだ。見ただけでも打ちのめされるほどなのだから。 彼を挑発するほど勇猛な者はいまい。いるなら、わたしの前に立て。 あえてわたしの前に立つ者があればその者には褒美を与えよう。天の下にあるすべてのものはわたしのものだ。 彼のからだの各部についてわたしは黙ってはいられない。力のこもった背と見事な体格について。 誰が彼の身ごしらえを正面から解き上下の顎の間に押し入ることができようか。 誰がその顔の扉を開くことができようか。歯の周りには殺気がある。 背中は盾の列封印され、固く閉ざされている。 その盾は次々と連なって風の吹き込む透き間もない。 一つの盾はその仲間に結びつきつながりあって、決して離れない。 彼がくしゃみをすれば、両眼は曙のまばたきのように、光を放ち始める。 口からは火炎が噴き出し火の粉が飛び散る。 煮えたぎる鍋の勢いで鼻からは煙が吹き出る。 喉は燃える炭火口からは炎が吹き出る。 首には猛威が宿り顔には威嚇がみなぎっている。 筋肉は幾重にも重なり合いしっかり彼を包んでびくともしない。 心臓は石のように硬く石臼のように硬い。 彼が立ち上がれば神々もおののき取り乱して、逃げ惑う。 剣も槍も、矢も投げ槍も彼を突き刺すことはできない。 鉄の武器も麦藁となり青銅も腐った木となる。 弓を射ても彼を追うことはできず石投げ紐の石ももみ殻に変わる。 彼はこん棒を藁と見なし投げ槍のうなりを笑う。 彼の腹は鋭い陶器の破片を並べたよう。打穀機のように土の塊を砕き散らす。 彼は深い淵を煮えたぎる鍋のように沸き上がらせ海をるつぼにする。 彼の進んだ跡には光が輝き深淵は白髪をなびかせる。 この地上に、彼を支配する者はいない。彼はおののきを知らぬものとして造られている。 驕り高ぶるものすべてを見下し誇り高い獣すべての上に君臨している」

神が「彼のからだの各部についてわたしは黙ってはいられない」と言って長々と描写を始めてしまうのです。これまた超自然です。

この章は神が自分の偉大さをアピールしてヨブを服従させるためのものです。なんでわざわざレビヤタンのアピールをせにゃならんのか。

海洋民族

信仰持たぬ私は以下のように考えます。

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