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石破氏の「地方創生」で地方が困惑

石破氏は、事あるごとに「地方創生」を口にする。2018年11月に、わざわざ韓国にまで行って地方創生について講義していた。しかし、石破氏が語る「地方創生」は、本当の地方創生といえるのか疑わしい事例が散見される。

更新日: 2018年11月27日

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地方創生を声高に唱える石破茂元地方創生担当相であるが、中身を見たら本当に特殊な成功例ばかり述べて、とても地方創生と呼べる代物ではない。しかも地方創生で具体的な発言を聞いたことがない。

■石破氏の主張は全国区にならない特殊事例ばかり

石破氏は、小さな地域の成功事例を引き合いに出して地方創生と騒いでいるが、各地の固有の事情があるので、石破氏が持ち出してくる事例は、絶対に全国区にはならない。総理を目指しているのであれば、全国区の事例を出せばいい。

・地方創生担当相時代の大雑把な誘導

2015年に地方自治体に投げ込まれたボールは、自治体ごとに「人口ビジョン」と「まち・ひと・しごと総合戦略」を作成せよ、そのためにコンサルを起用する費用として1千万円を交付する、というものであった。作成された総合戦略の内容と進捗に応じて交付税が付与される、という含みがあるので、このテーマで作文に走らない自治体はない。ということで、全国の市町村が一斉にコンサル探しに動きだし、一社が複数の自治体の仕事を同時に引き受けるというケースも多々見られた。

地方自治体は、地理的特性や成り立ちが異なり、それぞれに抱えている問題と取り組む優先順位も異なる。それらに同一のテーマを与え、おまけに先行事例としていくつかの自治体の作成したものを見せて目標を作れというのである。これは、地方に「そうしろ(そうせい)」というのに等しく、入り口のやり方として大いに疑問を感じた。使途を限定して補助金をぶらさげ、市町村を十把一絡げに誘導してきた、従来の霞が関のやり方と変わらないのではないかと思ったのである。

これでは政府主導とは程遠い。金だけばらまいてあとは自治体任せという。
本当に地方創生に関心があるのかと疑いたくなるような、大臣時代の無責任な発言である。

・石破氏の紹介するのは、特殊過ぎる成功例ばかり

クロキリの成功例を全国に

ただ、ここ数年は健康には醸造酒より蒸留酒の方がよいといわれ、焼酎を飲む比率が増えた。

 その焼酎では、日本酒の「獺祭」と同様に、芋焼酎「黒霧島」が売り上げを驚異的に伸ばした。

 日本は人口が減り、高齢化が進んでいる。健康への意識が高まり、お酒を飲む人も減少傾向にある。酒造メーカーにとっては逆境にもかかわらず、霧島酒造がこれだけ売り上げを伸ばしたことには、普通の経営ではない何かがあるはずだ。

出典日経ビジネス 石破地方創生担当相が語る「黒霧島」

「何か」とは何か?いつも彼は何も示さない。だいたい、黒霧島を全国で作りだしたら価値は暴落するのだが、何を考えているのだろうか。

新潟は農業特区で、今まで「農地にレストランなんて建てちゃいかん!」って言っていたのが、レストランを建てました。最近「国家戦略特区」と言うと何だかいろいろあらぬ誤解を招きますが、農地法で「そんなものを建てちゃいかん」とあっても戦略特区で建てた訳です。そうしたらいっぱいお客さんが来る。

きわめて戦術レベルの話だ。農地にレストランを作れば地方創生になるとは安易すぎる発想だ。地方にレジャー施設を作ればよいと思っていたバラマキ政治の時代と何ら変わりがない。

すごく活き活きしていましたよ。それでお店を開いたら、10時の開店なのに8時から人がやって来て、10時にはもうほとんど商品が無い。
「あ、やったら出来るよね」「今まで駄目だと思っていたものを、皆こんなに喜んでくれるんだね」という、良い話ばかりではないけど、それをやらないと何も始まらない。
(中略)
羽田空港のど真ん中に市場がある訳ですよね。でも今まで九州だろうが北海道だろうが、獲れた魚は現地でセリにかけて、トラックで運んで、築地でセリにかけてと、結構時間が掛かってしまっていた。それが今朝獲れたものが食べられるという新しいビジネスですよね。

これもまた個別的な事例の話だ。

もちろんこういった成功例を否定するわけではない。むしろ当事者は特区を利用して頑張ったと思う。

しかし、これが全国区であるかと言えば必ずしもそうではない。むしろ、石破氏のあげた例は地域活性であって、地方創生には程遠いものである。せめて市町村規模の成功例を語るべきだ。

■地方創生やりたいなら先進事例を見るべき

衰退する地方ばかりでなく、ドバイ、深圳、横浜、シリコンバレー等の地方が経済成長した成功事例に行け

地方創生担当相を経験した石破氏は、安倍晋三首相(党総裁)の地方創生の取り組みについて「勢いが失われた」と指摘した。「大都市や大企業の経済成長の果実を波及させるという考え方は取らない。地方や中小企業が果実を生み出す」と述べ、安倍政権の経済政策「アベノミクス」との違いを強調した。

 中央省庁や大企業本社の地方移転促進を柱に据え、訪日外国人旅行者数について平成42(2030)年をめどに年間8千万人を目指すことや、小型無人機(ドローン)や自動運転車など先端技術の積極的な活用も掲げた。

出典産経新聞 【自民党総裁選】石破茂氏、政策の中心は「地方創生」強調 中央省庁や大企業本社の地方移転促進訴え

石破氏の地方創生は、中央省庁や大企業本社の地方移転促進を柱に据えることだが、中央省庁はいいとしても、企業本社の地方移転促進では地方が成長するが、都市部の衰退を意味することになる。それでは、日本の成長にはならない。都市部の富や人材を地方に分散させるのは、カンボジアのポルポト派のような政策だ。
海外の成功例を見てみれば、何もないところから知恵を絞って発展を成し遂げている。
東京や他の都市部を維持し、なおかつ地方が発展することが真の地方創生である。

➀ドバイの発展

ドバイの急速な経済成長の要因も、ついつい石油を連想してしまいがちですが、実は違います。ドバイでは石油がほとんど取れず、むしろ採掘量がゼロになるかもしれないと言われているのです。
急速な経済成長には様々な要因がありますが、ざっくりとまとめてしまうと『巨大な貿易港とハブ空港をつくり、世界随一の物流拠点を作り上げたこと』にあります。

日本にはハブ空港と言われるのが、成田空港と関西国際空港がある。しかし、両方とも東京都と大阪市に近いとはいえパッとしない。
だとすればこれらの地域を活性化させるヒントはドバイにあるのではないだろうか。

②深圳の発展

現在、日本のメディアが、中国の発展、特にIT産業の急成長に目を向けている。その中で、「中国のシリコンバレー」と呼ばれる深圳市が特に注目されている。香港に近く、人材が豊富で、サプライチェーンの川上から川下までの企業がそろっているため、短期間で電子製品をデザインし完成させることができる場所だ。

昔はパクリや摸倣をする企業が多かったが、今はHUAWEI、ZTE、テンセント、ドローン大手のDJIなど国際舞台で脚光を浴びる会社を次々と輩出している。また、若者起業の天国とも呼ばれ、多数の若者が一発大成功する夢を持って押し寄せているのだ。

人口数万人の小さな漁村から1400万人の大都市に成長し経済特区になった深圳。1980年代、何もない土地から始まったのは、電子機器の部品作りだった。香港に近い強みを発揮し、当時から先端的な電子機器の下請けやその「パクリ」工房が林立した。

日本には、東北地方の東北自動車道沿線をシリコンロード、熊本県を中心とする九州をシリコンアイランドというIT企業が集まる場所はあるが、深圳のように、「日本のシリコンバレー」と呼ばれるほどの地域は存在しない。
だとすれば日本に日本のシリコンバレーを作ればいい。
そうすれば日本のIT業界もさらに活性化し得るかもしれない。

③横浜の発展

明治以降、横浜港は、ここから当時の日本の主力輸出品であった生糸や茶の輸出、綿織物と毛織物の輸入の拠点となり、大きく発展していきました。

日本にも、横浜や神戸のように寒村から貿易港として発展を遂げた都市はある。
時代背景もあるが、これらも大都市からの企業が移転されたものでなく、交易によって地域そのものが発展していった。

④シリコンバレーの発展

第二次世界大戦前には現在の繁栄からは想像することが困難なくらい、目ぼしい産業は現在のシリコンバレーの地域には存在しなかった。第二次世界大戦中にスタンフォード大学を中心として軍需関連の産業が勃興した。中心的な役割を果たしたのはリットンインダストリーズやアンペックス、ヴァリアン・アソシエイツ、ヒューレットパッカードでシリコンバレーの黎明期に地域の人材の受け皿になった。 その後、半導体産業の発展と共に株式公開が相次ぎ、それらの資金が地域のベンチャー企業に再投資され、正のフィードバックにより好循環が生まれ発展を続ける。

2010年代においても、起業志望者のほか、商機・人材の獲得やオープンイノベーションを目指す米国内外の企業が相次ぎ進出している。トヨタ自動車など日本企業も含まれる。

かつて何もない田舎町が今やアップル、インテル、ナショナル・セミコンダクター、Google、Facebook、Yahoo、アドビシステムズ、シスコシステムズなどに代表されるソフトウェアやインターネット関連企業が多数生まれ、IT企業の一大拠点となっている。

上記にあげたように日本の地方はまだまだ発展させる余地は残されている。
貿易やハブ空港、IT企業のほかにも水産や農業など他の産業も地方には大きな可能性が秘められている。そしてそういった可能性がある地域は特区にすればいい。その可能性を後押ししてやるのが国の務めではないだろうか。

石破氏の発想では極端に言えば、東京の力を分散させ均等に各地に分散させるというものである。
しかし、それでは世界に誇る大都市東京の価値は下がってしまう。
東京は東京だからこそ世界から人が集まるのではないだろうか。

ならば、日本は東京を柱に各地の可能性を引っ張り上げ、その土地独自の成長を促すことこそが日本の成長であり、真の地方創生になるのではないだろうか。

■地方に侵食する北朝鮮の脅威を無視!?北朝鮮を擁護?

・北朝鮮の密漁に苦しむ漁民を無視して、北朝鮮の脅威をあおるなと主張

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