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あまりにも有名でユニークな名画は、MoMAで暮らしている!

ニューヨーク近代美術館(MoMA)であまりにも有名な作品を鑑賞した感想、そして攻略法。これが世界最高クラスの美術館……。

更新日: 2018年12月05日

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この記事は私がまとめました

世界最高クラスの美術館、ニューヨーク近代美術館、通称MoMA(モマ)。ここには世界の宝が存在している。数々の名画は見ているだけで、思わず異世界へ入りこんでしまいそう。今回はMoMAを徹底解説します。

kiofliesnyさん

MOMAとは?

米国ニューヨークの中心部、マンハッタンのミッドタウンに位置する世界最高クラスの美術館。世界各国のアートを所蔵し、1800年代から現代まで幅広い年代の作品を展示している。

実際に開館したのは1929年とかなり古い歴史を持つMoMA。2000年には現代美術館(The Museum of Modern Art)とPS1現代アートセンター(P.S.1 Contemporary Art Center)が合併し、米国最大の現代美術のプラットフォームとなった。10年後にはPS1がMoMA PS1と改名され、MoMA本館とMoMA PS1(分館)の2つをメインとする現在の体制へとつながった。

MoMA PS1とは?

2000年代、MoMA本館が工事中の際に使用していた分館が、2010年にMoMA PS1と改名され、クイーンズの美術館として機能している。

MoMAが工事中の際に使用していた分館(クイーンズ)は、現在はMoMA PS1として同じく現代美術館として活躍している。(詳細は今回は割愛)

MoMAに行こう!

ミッドタウン・ウエストに位置するMoMAは各地下鉄からのアクセスが良好。同エリアにはホテルも数多く立ち並ぶので、徒歩またはタクシーで向かう人も多いと思うが、ニューヨークは交通渋滞が頻繁に起こるので、少し離れたところから向かう場合は、地下鉄の方が安価かつ短時間で到着する。

10:30 a.m.–5:30 p.m.、毎日開館しており、金曜日だけは8:00 p.m.まで開館している。入館料は下記の通り。(2018年11月時点)

大人(Adults) $25
シニア(Seniors) $18(65歳以上で、購入の際にIDが必要です)
学生(Students) $14(購入時にFull-time with IDが必要です)
子ども(Children) Free(16歳以下は無料! 太っ腹! 高校生の時に行きたかった……。)

チケットが非常にユニークで様々な絵柄があります。私が初回に訪問した際は「千と千尋の神隠し」の絵柄でした。ニューヨークで見るとは……予想外でした。
他にはフリーダ・カーロやトゥールーズ=ロートレックの作品の柄もあるようです。コンプリートしたい! しかし一体何ドルかかるのか……。しかもランダム……。

入館無料の日がある!!

もはや太っ腹すぎて崇めてしまいそう……。毎週金曜日の4:00–8:00 p.m.は、ユニクロフライーデーナイト(UNIQLO Free Friday Nights)と称して、入館料が無料なのです! ドネーションですらない! しかも無料にもかかわらず、一応チケットは配布されるので、コンプリートも可能! その辺ウロウロして何度もチケット売場に行けば、全部集まるのでは……。

(1点、このチケットにはUNIQLOのロゴが入っています。いや、無料にしてくれているからいいのだが……。当然なのだが、でもロゴ入っていない方がカッコいいなあ。いや、無料なのでそれだけでいいんですけどね……)

お待たせしました。作品徹底紹介です。

前置きが長くなりましたが、ようやく作品解説です。こんなPCの画面ではなく、現地で体感してください。日本からだと飛行機フライト13時間+空港までの時間や、あれやこれやの時間で丸一日程度かかると思いますので、実際に作品と向き合った際は思わず泣けてくると思います……。
なお、以下の解説は全て「思ったこと感じたことをそのまま書いてます」ので、「学術的な保証はございません」のでご注意を。それではめくるめく絵画の旅へ!
(※2018年11月時点の感想なので、展示入れ替えによっては見れないケースもあります。そのせいで他の美術館で何度泣いたか……)

アンリ・ルソー「夢」 Henri Rousseau The Dream

MoMAが誇る最高の名画と言っても過言ではない。何度見ても飽きない、何度見ても発見がある作品。ルソーは一度もフランスの外に出たことがないはずなのに、この密林のイメージはどうだ! 見るもの全てを鬱蒼として静寂ただよう異世界へと誘ってくれる。
大きさも圧巻(6' 8 1/2" x 9' 9 1/2" (204.5 x 298.5 cm))、目の前に広がるのは、まぎれもなくルソーが夢みた景色であり、恐らくはここでしか見ることのできない光景なのだ。
タイトルの「夢」、これも素晴らしい。夢を見ているのは作者か鑑賞者か。ヤドヴィガ(モデルとなった女性・画面左の裸婦)か笛吹か、はたまた動物たちか。
さて、この作品、原田マハの名著「楽園のカンヴァス」の重要なテーマになっていますね。ネタばれ平然とします。この「夢」と瓜二つの作品「夢を見た」が、果たして真作か贋作か判別する、というのが小説を貫くメインストーリーなのですが、

「夢」「夢を見た」の違いがヤドヴィガの左手なのです。「夢」は指さしているが、「夢を見た」は何かを握っているようにみえる、というものです。しかも、MoMAにある「夢」もよく見ると左手の部分だけ何か違和感が……。

早速確かめてきました。夢に食い入るように、しかも1点に食らいついている。周りからどう思われているのか。

ありました。確かに。左手の指が微妙に「丸く修正されているように」見えるのです。これだけでも来たかいがあります。小説の扉絵の大きさとは比較できません。

それにしても、原田マハ、この左手部分に注目してこの作品を展開していくことを考案したのだろうか。天才だ。

アンリ・ルソー「眠れるジプシー女」 Henri Rousseau The Sleeping Gypsy

また、ルソーです。MoMAでは「夢」と隣同士で作品が展示してあります。この光景はニューヨークの夜景でも勝てません。ただよう静寂感は「夢」以上ですね。実際に見るとわかりますが、時が止まっているように感じます。どうなんだ、この光景は。実際にあったら、ライオンに食べられるのではないか、とハラハラと緊張感ただよう瞬間ですね。ホラーならそのまま食べられますね。
しかし、ルソーの作品ではそんな緊張感は微塵も感じません。

星が綺麗だから。

何を言っているのかと思うでしょう。こちらも「夢」と同様の大きさのため、星も結構な大きさなんですね。これがいい存在感を醸し出している。「夢」が様々な解釈に溢れる作品だとしたら、こちらはただひたすらに美しいんですね。恐らく、この地ではライオンの足音も、ジプシー女の呼吸も、すべてがただ静かに聞こえてきます。

あとこの寝相、真似しようと思うと結構難しいです。

ヴィンセント・ファン・ゴッホ「星月夜」 Vincent van Gogh The Starry Night

見てると引きずりこまれそうになるので注意してください。60000枚以上の油絵を使用した映画「ゴッホ~最後の手紙~」が話題になりましたが、まさにあの映画同様、動き出すかのように感じるんですね。実に不思議。

ずっと見てると眩暈を引き起こす可能性があり、しかも作品との距離が近いので、下手したら、作品に衝突する可能性もあります。(ゴッホのこの作品専門の警備の方がいるので大丈夫でしょうが……)

なので、この作品と向き合う際は「相当の覚悟と体力」をもってください。

あと、結構作品の前で「ゴッホの有名な作品と私」のように撮影している人がいます。作品を見に来ているのか、SNS用の写真を見に来ているのか。どいて欲しい……。

余談ですが、MoMAのデザインストアで、この作品をベースにした傘を見つけました。外は一見黒無地なのですが、中のデザインがなんと星月夜!! これ使うと昼でも夜のように感じるし、なんなら眩暈してそれどころではないかもしれませんね。確か50$でした。欲しい。

ジェームズ・アンソール「死と直面した仮面たち」 James Ensor Masks Confronting Death

ひっそりと佇むアンソールの作品。日本で恐らく最も有名な作品(個人的印象)をみれば、「ああこの人の作品ね」と気づくかと。
アンソールはベルギー出身の画家。学術に関心はなく、一度退学してから美術を学んで王立アカデミーに入学したようです。いいですね、こういう経歴。ちなみに初期作品は風景・静物画が中心でしたが、中期以降、突如として彼のモチーフともなる仮面が作品内に出現します。彼の母親が観光客相手の土産物屋を営んでおり、そこで販売されていたカーニバル用の仮面から影響を受けたとか。受けてないとか。

で、この作品なんですけど。
アンソール作品特有の不穏さとかはあまりなく、全体的に白を基調としているため、柔らかい印象です。左から2番目のマスクをつけた人(青い眼鏡装着)の方が目立っているのは気のせいでしょうか。

ちなみに先に挙げた有名な作品は「仮面に囲まれた自画像(Self-Portrait with Masks)」です。こちらは怖い。ガルシア=マルケスの傑作、「予告された殺人の記録」(新潮文庫)の扉絵に使用されています。こちらの「仮面に囲まれた自画像」ですが、なんと日本で見れます。メナード美術館(愛知県)所蔵! ありがとう!

ジェームズ・アンソール「聖アントニウスの苦難」 James Ensor Tribulations of Saint Anthony

ヒエロニムス・ボスとピーテルブリューゲルの初期作品からインスピレーションを得て、制作されたのが本作。聖アントニウスとは、ざっくり解説すると、キリスト教の聖人ですね。自分の財産を貧者に分け与えて、砂漠に移り住んで瞑想と苦行の日々を過ごした人。途中で悪魔に苦行を止めるよう度重なる誘惑を受けるのですが、耐えきります。そのため「すごい人がいる」と噂になり、各地から修行僧が集まって来るほど。「修道士の父」と称されました。100歳(以上?)生きたとか。すごい生涯ですね。
で、この絵ですが、色遣いが面白いなと。真ん中の水色を中心にカンヴァスが3分割されており、画面下部に人物を配置してますね。よく見ると、結構人物の顔がまがまがしくて、所見だと風景画かな? と思うのですが、見れば見るほど、ボスらの影響もあったとあって少し怖い絵ですね。画面右下には青いダルマみたいな生物が顔を出してますが、こちらは若干可愛いですね。色々と細部を楽しめます……。と言いたいとこですが、やはりここに描かれているのが聖アントニウスということであれば、この場面は悪魔が来りて誘惑している場面にも怪獣来りて襲い来る場面にも見えますね。
いずれにせよ、少し怖い絵ですが、必見です。
聖アントニウスは常人では考えられない肉体・精神の強さの持ち主です。言うまでもないですが。
生涯に興味がある人は「聖アントニウスの誘惑」とか入力して調べてみてください。

ポール・セザンヌ「果物 静物画」 Paul Cézanne Still Life with Fruit Dish

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