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改めてどうなのか?国民年金基金は得か損か?

会社員が加入する厚生年金に比べ国民年金のみの自営業者やフリーターは、将来の年金額に大きな差が出てしまいます。その差を解消するために設けられたのが国民年金基金です。確定給付なため貰えるお金が確定していることや節税効果があるのはメリットも、インフレに対応できない、途中解約できないデメリットがあります。

更新日: 2018年12月05日

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egawomsieteさん

■国民年金基金とは?

会社員などは、国民年金に上乗せして厚生年金基金と老齢厚生年金に加入しています。これに対して、国民年金だけに加入している自営業者やフリーランスは、将来の受給額に大きな差があることは広く知られています。

この差を解消するために平成3年4月に創られた年金制度が「国民年金基金制度」です。国民年金基金制度は、国民年金法の規定に基づく年金です。つまり、国民年金に上乗せして受け取ることができる公的な年金制度なのです。自営業者など国民年金の第1号被保険者にとっての、老後の所得保障の役割を担います。

■自営業者の年金の2階部分を担う制度

第2号被保険者である会社員の年金は、国民年金による老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金がセットになっています。さらに、本人の意思で厚生年金基金や確定拠出年金などが追加できます。

これを、老齢基礎年金を1階、老齢基礎年金を2階、厚生年金基金などを3階として、積み重ねていくモデルで表します。

フリーランスなどの自営業者は、国民年金の分類では第1号被保険者となります。しかし、第1号被保険者の場合、会社員にはある2階部分の制度がありませんでした。そのために、1991年に創設されたのが、「国民年金基金」です。

第1号被保険者(自営業)のための制度ですから、第2号被保険者(会社員)と第3号被保険者(主婦)は入れません。

■「確定給付」なので貰えるお金が確定している

「国民年金基金」の一番大きな特徴は「確定給付」であることです。

つまり、国民年金基金を契約した時点で、将来給付される(貰える)年金額は確定しています。これは貰う側としてはありがたい制度です。

しかし、確定給付型の年金制度は、現在のように低金利の状態が長期間続いていると、予定していた運用ができず、高い利率で約束した年金を支払う資金が不足する可能性があります。

同じように確定給付型である「厚生年金基金」が、同様の理由により、積立不足額が発生し、制度廃止に向かっていることを考えると、国民年金基金の将来も検証する必要があるでしょう。ここでは2つだけ数字を確認します。

まず、国民年金基金が加入者に約束している予定利率を確認してみると、下に示したように下がり続けています。つまり、約束している利率を下げなければならない状況であるということです。

加入する側からすると、同じ掛金であっても貰えるお金が少なくなっていますから、加入のメリットは小さくなってます。

•1991年:予定利率 5.5%
•1995年:予定利率 4.75%
•2000年:予定利率 4%
•2002年:予定利率 3%
•2004年:予定利率 1.75%
•2014年:予定利率 1.5%

また、財政状況を確認すると、2014年の段階で、純資産額が4兆1,364億円なのに対し、年金の支払いに必要な責任準備金は4兆6,544億円で、5,180億円の積立不足となっています。

ここ数年の株高を反映して積立不足の金額は下がっており、一時の半分ぐらいにはなっているのですが、解消には至っていません。

いずれの数字を見ても、運営状況が万全であるとは言いにくいでしょう。

■加入による節税効果

民間で加入する個人年金の場合、平成24年1月以降に契約したものであれば、年額で最大4万円までしか所得控除されませんが、国民年金基金の場合、支払った金額は全て所得控除の対象となります。

よって、所得税や住民税の負担が軽減されます。国民年金基金から受け取る年金は、雑所得の公的年金控除が適用されます。民間の保険会社の年金を使用した場合には、同じ雑所得ですが公的年金等控除は受けられません。年金受給前または保証期間内に、万一死亡した場合は、ご家族に一時金が支払われます。(加入が保証期間付きのタイプに限ります)この一時金は非課税です。

■年金なので契約年齢までは受け取れない

「国民年金基金」のもう1つの特徴は年金であるということです。

つまり、貯蓄ではありませんから、契約した年齢になるまではお金が受け取れません。

また、国民年金基金には、任意による脱退(解約)という制度もありません。

会社員に転職して、第1号被保険者でなくなった場合などは脱退できますが、脱退するまでに納付した掛金は、返してもらえません。そのまま納付した掛金に応じた年金という形でのみ受け取れます。

例外として、加入者が死亡した際には「遺族一時金」として一時金が受け取れます。これは、加入時年齢と死亡時年齢及び死亡時までの掛金納付期間に応じた額が遺族に支払われます。

■終身受取なので長生きすればするほど返戻率が高くなる

個人年金基金は終身年金A型、B型で契約した場合、終身まで年金を受け取ることができます。

どこまで生きれるかは誰にも分からないものですが、生きている間ずっと貰い続けられるのはありがたいですよね。出来るだけ長生きして貰い続けたいとことです。

そのような性質から、終身年金A型、B型の場合は長生きすればするほど貰える総額が増えていきます。

例えば、30歳から終身年金A型で加入して課税所得が500万円の場合、80歳まで年金を受け取った場合は節税効果を考慮すると返戻率は141,3%ですが、90歳まで年金を受け取った場合は節税効果を考慮すると返戻率は235.5%というありえない数字にまで跳ね上がります。

ちなみに終身年金B型で加入すると、90歳まで年金を受け取った場合の返戻率は節税効果を考慮すると266.4%になります。凄いですね・・。

これは小規模企業共済と比べても高い数値になります。個人年金保険だと足元にも及びません。

そこまで返戻率を高めるには長生きしなければいけませんので、出来るだけ長い間元気でいたいところですね!

■国民年金基金のデメリット

メリットや節税効果の多い国民年金基金ですがデメリットもあります。最大のデメリットは物価スライド制に対応していないことです。将来の受取額は確定しているためもし、年金を受給するまでに物価が上昇してしまった場合、インフレになるわけですからお金の価値が下がります。実質的な年金額が下がってしまうというわけです。逆に、物価が下落すれば実質的な年金額は上がることになります。

また、国民年金基金は任意ですが、一旦加入すると自己都合でやめることは基本的にできません。どうしても年金を支払えない場合には2年間支払いを猶予することができます。後に未納分を支払えば年金は満額受給できます。

■途中解約(脱退)が基本的にできない

国民年基金は積立式で運用を行なっており、掛金として預けたお金は運用に回されます。従って、預入したお金は常に運用に回っていることになりますので途中解約(脱退)ができません。一方で2口目からは口数を減らすことは可能ですので、掛金を抑えたい場合は支払う掛金を調整すると良いでしょう。

途中解約(脱退)ができる場合

60歳を迎えたとき

60歳で加入した方が65歳を迎えたとき

国民年金の任意加入でなくなったとき

会社員になり第1号被保険者ではなくなったとき

結婚し第2号被保険者の配偶者となったとき

地域型に加入していた方が地域外に転居したとき

職能型に加入していた方がその仕事を辞めたとき

農業者年金に加入をしたとき

国民年金保険料が免除扱いされたとき

加入者が死亡したとき

■国民年金基金の破綻リスク

厚生年金基金は運用の失敗によって多くの基金が破綻している状況です。そこで、国民年金基金は破綻するリスクがどの程度あるのか確認をしたいと思います。まずは、予定利率を確認すると平成3年では5.50%だったものが平成27年では1.50%まで下落している状況です。

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